書いている途中、どうしても行き詰る。
止まらない執筆なんて大体ない。
そこでうんうん唸って、
面白い展開を思いつくこともあるが、
そうならない場合、地獄の苦しみが待っている。
何が問題なのか、なかなか見えてこない。
見えてくるには、結局プロットに戻るしかない。
いまどういう流れで、
最初どういう流れで始まり、
どういう展開ののちに、
どういう落ちへいくのか、
今一度整理するしかない。
それが面白く見えていない、
というのが原因だから、
面白いと思えるまで、
今一度練るしかないのだ。
そもそも、
「最初になぜ面白いと思ったのか」
をリストアップしてみよう。
それが、何故面白くなくなったのか、
出来れば分析してみよう。
今僕が書いている話の場合、
「空を飛ぶことが面白い」と思ったから書き始めたのだが、
「空を飛ぶのはわかった。で、それから何が面白いんだ?」
ということに嵌っていることが判明した。
最初の思い付きだけで進んでしまい、
それからの面白さを用意していない、
(用意してはいたが、そこまで面白い要素ではなかった)
ということに気づく。
最初の思い付きが衝撃があればあるほど、
よくあることだ。
その点に紛らわされて、
他が曇って見えていなくなる。
ストーリーの面白さは、
点ではなく線であることも、
自覚していてもこれだ。
なかなか難しい。
「面白さ」を、
私達は、点でしかとらえていないことも問題だろうね。
たとえば、
1234と面白さがあるとしよう。
1だけが突出して面白い場合、
他の234がたいして面白くないとき、
どんどん詰まらなくなっていく。
1が出オチになってしまっているということ。
最初の思い付きが面白い場合、
大概こうなってしまう。
なるほど、234をもっと面白くしない限り、
この「どんどん詰まらなくなっていく」
という感覚はかわらないぞ、
ということに気づく。
こういうことを俯瞰するのは、
プロットしかない。
しかも、自分の書いたプロットを眺めていても答えは出ない。
白紙に、プロットをもう一度書き下ろしてみることで、
俯瞰することができるようになる。
400字くらいで書いてみるのがよい。
大まかにつかめるからだ。
ついつい1000字越えのプロットを書いてしまいがちだけど、
それはまだ俯瞰できていない、
ということだ。
それは大づかみにいって、どういう話なんだ?
構造、動機、行動、対立、展開、結果。
こういうものを書いていくだけで、400字なんてすぐに埋まる。
最後まで話を書き終え、
俯瞰するようには、400字程度のものがやりやすい。
俺はこんなものの為に苦しんでいたのか、
などと俯瞰することができる。
分かったら、人間というのは現金なもので、
「じゃあ、こう改良するとよいのではないか」
なんてアイデアは、出てくるものである。
しかし、気を付けておくべきは、
細かいアイデアをメモするのはいいが、
それで再びプロットを書き直しておくことだ。
面白さのアップが、部分的であることが多いからだ。
そのアイデアを取り入れた場合のプロット400文字が、
たいして変更されないなら、
部分的な面白さの更新に過ぎず、
ストーリーの根本的な直しになっていないことが多い。
ふたたび、主人公に関して、他のことに関して、
400字程度で書き下ろしてみて、
そのストーリー構造が面白くなっているなら、
原稿に戻る意味がある。
(僕の場合、主人公に関するテーマが、
空を飛ぶこととうまく絡まないと意味がないと考察した。
しかしまだ絡んでいないことが、
プロットを書き直すことで判明する)
続きをそのまま書ける可能性は低い。
新しいプロットに基くなら、
その始まり方や展開は、
まったく別のものになるべきだからだ。
ということは、全面的に書き直したほうが、
作業効率的にはよいかもしれないくらい。
まあ、
前の原稿を見ながら、
残すべきところは残す、という現実的な選択肢にはなってくるが、
何を根本的に直すべきか、分かっていないとまた難破するだろうね。
プロットと原稿をつねに対照させて、
本筋からそれていないか、
常に確認していく。
たった400字。
それが本質であることを、忘れないこと。
途中でまた同じように行き詰まり、
この話が面白く無い、って思い始めたら?
そのときは、また同じことをやるだけだ。
ええい、これでいてまえ、
って勢いで書ききってしまう、
というのもある種の選択だ。
ベストではないが、ベターをつくる、
というスタンスでないと、
仕事は終わらないこともある。
(その後悔が、代表作は次回作、になるのだろう)
あるいは、キャラクタードリブンの力を借りる手もある。
ストーリーはたいして盛り上がっていない所でも、
キャラクター同士のなにやらをやるだけで、
愛情は生まれる可能性がある。
この先どうなるか見たい、まで行かなくても、
こいつらがどうなるか見たい、
になるなら、次を書くことはできるだろうから。
そうしているうちに、
次どうなるか見たくなる流れに、
再合流できるかもしれない。
その場合でも、プロットが重要で、
結局どういう話になるんだっけ?
ってことがないと、いつまで経っても堂々巡りになってしまう。
ストーリーとは、二度と戻れないことを起こすことだ。
堂々巡りをするようなものはストーリー(時間変化)ではないから、
それを書いた計画表が必要である。
ということで、
プロットにもどったり、
キャラクターに頼ったりしながら、
とにかく俯瞰して、目の前を見て、
次へ進む力を取り戻す。
挫折を救うのは、自分の知性と勇気しかない。
やる気がわいてこないのは、面白くないからで、
面白い何かを唸ってひねり出すべきだよね。
プロットレベルで面白くなるように、
ひねり出すしかない。
その為には、
毎回だけど、
動機、行動、目的、対立構造、展開、
どういう人々がかかわってくるのか、それらの対立や価値観などを、
一個一個整理することになる。
全体としての意味は、おそらく最初に書こうとしたことが一番面白いだろうが、
それ以外のテーマに落ちることもあるから、
それは400字で俯瞰して決めることだね。
何もかも、俯瞰して考えるべきだ。
その為にプロットはある。
何回書き直してもいい。
それのこれが面白い、という確信を得るまで、
書き直すのもよいだろう。
あなたが最初に思っていたことより、
全くちがうことが、最終的な面白さに寄与することなんてざらだ。
それを意識していくことだ。
2019年03月19日
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