2019年03月30日

【腱鞘炎】治った

長かった。
カタナ式を模索する中で手を痛め、
それからはずっとどこかが痛かった左手。

今朝、一年半は続いた、
起きたときの左手の痛みがないことに気づいた。
毎朝の呪いが解けたのだ。

以下その顛末。


僕は、そもそも入力の改善をしたかった。

Qwertyローマ字のブラインドタッチをしたくて練習したが、
あまりの効率の悪さに、配置が悪すぎるだろうと、
配列を改良することを決意する。

ローマ字配列を模索する中で、
カタナ式が形になりかかったころ、
左薬指を痛める。
腱鞘炎だ。

僕はそれまで左薬指を実生活で使ったことがなかった。
おそらくほとんどの人がそうだろう。
頻度を少なくしていたとはいえ、
人生で一番薬指を使って、耐えられなかったのだろう。

僕は沢山文章を書いてきたが、
薬指を使って書いたことがなかった。
だから薬指を痛めた。
腱鞘炎人生のはじまりだ。


以来、カタナ式は左薬指を使わない配列へ舵を切った。
ついでに右小指も使わないようにして、
両小指左薬指を使わない、
特殊な配列へ変貌を遂げた。

効率化、腱鞘炎、両方が僕の動機となった。


さらにローマ字からカナに入力を変えて打数を減らすことを考え、
下駄や飛鳥をやってみて、
薙刀式を思いつき、
押下圧の低いキーボードを探し、
配列を合理化し、
ついには既製品にない軽いキーで自作キーボードをつくったのも、
合理的な入力がしたいという前向きの欲望と、
手の痛みをなんとかしたいという後ろ向きの欲望の、
両方の要求があったからだ。

今朝、一年半つづいた、
左手の痛みがないことに気づいた。

長い道のりは、
朝起きて痛みがない、
という当たり前の日常が帰ってくることで報われた。


最初は左薬指が犯人であったのは確実だ。
まだカタナ式の左薬指にMとPがあったころ、
おそらくはMのせいで痛くなった。
長掌筋を中心に痛みが治らない。
薬指を不使用にしても、完治はしなかった。

最近、ようやく左親指犯人を疑うようになる。
親指はカタナ式でも薙刀式でもセンターシフトとしてよく使う。
先日打鍵動画を撮って、変換にもよく使っていることを自覚する。
最近、親指キーを自作していたのはそれが理由だ。

で、三代目親指木製キーをつくったことが、
直接の腱鞘炎治癒に効いたことになるかもしれない。
それに替えて数日で効果があったからだ。

パームレスト、マッサージ、ツボ療法は、
結果からいうとそんなに効果がなかったかもしれない。
しかし解剖図を見て、自分の腕の中にどういう筋肉があるか知るとは、
大切な勉強だったかもしれない。

結局、「押しやすい親指の自然な角度」に親指キーをつくることが、
ぼくにとっては正解だっただけのこと。


ちなみに、
長掌筋だけでなく、
左肘の中がずっと痛かった。

それは繋がりで、
上腕三頭筋(二の腕の裏側)、脇を経て、
肩甲骨の後ろから背骨につながる筋に至るまで、
ずっと凝っていたことは自覚していた。

最近、新しいストレッチを知って、
それを試したら、
母指球から背骨まで繋がっていることを自覚した。
痛みは連動している。

https://www.health-sunchlorella.jp/3minutes_stretch/19/?_ga=2.77642132.1015955474.1553934452-1862487098.1553934452

で、親指犯人説が濃厚となる。
薙刀式は左薬指をわりと保護していて、5%しか使っていないから、
それより何倍も使う親指のほうを疑わなかったのは、
むしろ不合理だった。
「強い親指」という神話を信用しすぎていた。
親指自体は痛まない。
親指に繋がっている筋(とくに肘中心)が、痛む。

僕は肘が痛いが、それは親指の傷みを、
体が勝手に肘の中の腱でカバーしていたからだ。


改善はそのストレッチと、
全体的なストレッチと、
親指キーの改良で行った。
銭湯に通い、血をなるべく通す。

実際、長い筋のどこが痛んでいるかは、
日によって違う。
今日凝っている場所が、明日も痛むかは分からない。
親指の酷使をどこで肩代わりするかは、
微妙な筋同士の緊張で決まる。

親指を使わない配列の検討も考え、
新下駄などを触ってもみたが、
僕には合わなかった。
言葉と指の動きがシンクロしなかった。
センターシフトまたは親指シフト系列が、
僕には合っているようだった。
元祖親指シフト(Nicola)や飛鳥の21-219もやってみたが、
それも手に合わない。
薙刀式を改良していくしかない。

文章を書くことをやめるか、
フリックで書くなどすればよかったかもしれない。
しかし、原因を突きとめ、それを改良したいという、
解明したい好奇心のほうが勝っていたかもしれない。
逃げるのではなく、立ち向かってねじ伏せたいと思っていたのかもしれない。


で、
直接の完治要因は、
ストレッチ、
20グラムにした押下圧、
そして三代目の木製親指キーだと僕は思う。

親指キーはのちほど写真を撮ってアップする。


パームレストなしで、
自然に手首をテーブルにつけて手をキーボードに置いたとき、
親指のついている場所は、
4指の平面より下にある。

しかしキーボードはそうなっていない。
だから親指を上に無理やり上げて打鍵し続けることになる。
それがおもな原因だと考える。

(親指シフトはそれを防ぐため、親指と4指が同一平面上にくるように、
お化けの手、猫の手で指先で打つことを推奨している。
しかしそれは手を浮かし続けることになり、
僕には無理だった)

だから、
4指より下に親指が構えられるように、
ふつうのキー面より下に、
親指が接触できるように、
親指キーを工夫した。

具体的には、
ステムの上に平面がある構造に対して、
積層してスカートをつくり、
スカートごと凹型に削って、
親指接触部分を、上面より下位置になるようにした。

しかも、親指は4指と伸びる方向が違う。
45度斜めに接触できるようにした。

親指という丸い物体が触れられるような、
凸でなく凹にしてある親指キーはほとんどない。
しかも一番触れるスペースキーが凸になっている意味がわからない。
凹にしたスペースキーを、
一年くらい工夫していた。

それがようやくまともに機能した。

自作キーボードというブームがなかったら、
自分でつくるという発想に至らなかったかもしれない。
それはとても感謝する。


僕の腱鞘炎を治したすごい親指キーは、
写真を撮るまでお待ちを。
posted by おおおかとしひこ at 17:32| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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