もはや僕らはデジタルの検索なしの生活に戻れないだろう。
しかし最近検索の精度が落ちてきていることは確かだ。
ノイズばかりヒットし、本当に必要な情報が得にくくなってきている。
量と質から、この問題を考える。
誰でもブログやツイッターで情報発信ができるようになった。
ある話題について、
一番多いのは初心者の層だ。
中級者やベテランはそれより少なく、
博識の上級者はさらに少ない。
誰でも等量に情報発信するとしよう。
そうすると、巷に溢れるのは初心者の情報が多いということになる。
「○○始めました!」
「○○という発見!学び!」
のような、似たような情報が溢れてしまう。
さらに。
初心者ほど、情報更新頻度が高い。
新しいことを次々に学ぶからだ。
中級者はほとんど情報発信をしなくなる。
日々新しいことを吸収するよりも、
自分の中で何かが練られている時期だからだろう。
新しい情報に値するのは、
よほどの発見の時だけだ。
上級者の情報は、
もはや抽象的すぎて殆どの人は理解できなくなる。
ごく短いワードで会話されるだろうし。
こうして、
やはり世の中には初心者の情報が溢れることになる。
私たちが欲しい情報は、
何もかも分かった上級者が、
初心者向けに一から解説してくれるものだ。
そんなものはない。
かつて個人サイトしかなかったころのインターネットでは、
そんなものがごろごろあった。
検索でそこにたどり着き、
情報を整理できたものだ。
今はそれを課金コンテンツにすることで、
情報がないわけではないが、
全ての人が知識を共有するという、
集合知の考え方に反している。
課金にしないとちゃんとまとめて書かない、
ということもあるが、
それは一部にしかプールされないし、
広く広まらないという欠点が生まれたわけだ。
さらに、アフィなどのクソまとめ
(○○ってどうなんだ?調べてみました!
やたら前置きが長く、たいした結論がなく、
いかがでしたか?なんてやつ)
も加わり、
つまりはノイズだらけになってゆく。
グーグル検索では、
それらをなるべく排除するため、
「よくみられているサイトの情報は、
信用に値する」というアルゴリズムで、
検索上位に入れることがある。
一時期僕のシンゴジラ批評が5位くらいになっていたのも、
そういう理由だ。
ついでに配列のことを今調べ始めようとすると、
僕が調べたサイトではなく、
僕の記事が上位に来てしまうという逆転も起こっている。
それなりに僕は書いてるから、
グーグルに信用されてしまったのかもしれない。
なんだか先人に申し訳ない気分になっている。
僕は、
脚本に関しても配列に関しても、
ものすごい上級者ではない。
脚本はプロだから上級者かも知れないが、
数々の賞を総なめにし、仕事が途切れないわけでもない。
しかし過去の自分が勉強する場がなかったから、
そういう場を作りたいなあと思って、
このブログを書き始め、
まあなんとか形にはなってきた。
それなりに若者の役に立っていると考える。
(でも配列は僕は中級者くらいだろう。
僕の発信する情報は、まだまだ初心者の発見に近い。
ブログを分けることも検討したけど、
自分のアクセスが面倒なのでやめました)
僕の言いたいことは、
「分かってる奴ら、もっと発信せよ」
ってことだ。
初心者の時に誤った発見を、
信用で駆逐できるような、
正しい情報を、わかりやすく発信し続けろ、
ってことだ。
ノイズの量は減らないし、
今後も増えていくから、
悪化に駆逐されないように、良貨を生産せよ、
ということだ。
それが、力のあるものの義務、
21世紀のノーブレスオブリージュではないか。
中級者や上級者が、
もっと情報をうまくまとめて、
無料公開していけば、
ノイズは相対的に減る。
それが集合知の正しい世界だと僕は思う。
wikiの三幕構成の解説は酷い。
一から書き直したくなるが、
僕はこっちで精一杯。
そもそも、三幕構成が唯一の正しい構成とは限らないし、
永遠のものとも限らない。
そしてセットアップ、デベロップメント、ソリューション、
の解説は、概説にすぎないし、
解読するものの武器にはなるものの、
書くものの武器になり得ていない。
だから、三幕構成を最初に勉強することも、
間違いではないかと僕は考えている。
そのあたりのことが書けたら、
僕なりの三幕構成理論をまとめてもいいが、
それは時間がかかりそうだ。
そのうちやるけど。
インターネットは、こうした善意に支えられるべきで、
オープンソースに支えられて発展した。
オープンソースという哲学こそ、
新しい社会主義として教科書に載せるべき考え方だろう。
人には悪意もあれば善意もあることを教えるときに、
ついでに教えた方が良い考え方だ。
ということで、
現在のデジタルは、人を幸せにまだしていない。
ノイズを潰すほどの、
上級者のパワフルな情報を溢れさせよ。
2019年03月31日
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