かつての僕のような人にむけて、まとめてみる。
Q. 静電容量方式はないの?(メンブレンやパンタグラフは?)
A. チェリーMXスイッチ(純正)と、
そのクローン品、GateronやKailhのメカニカルスイッチがベース。
チェリーの特許が切れてコピー放題になったところが、
このビッグバンの始まり。
あとはKailhロープロファイルスイッチ(choc)が入手しやすくなったくらい。
最近Xスイッチ、NiZ静電容量スイッチなどが出始め、現在人柱待ち。
メンブレンと静電容量に関しては、
スイッチの下に、プチプチみたいな一体型ゴムシートをつくる必要があり、
そのノウハウは開発されていない。
パンタグラフはあってもいいと思うけど、ないね。
パーツが個人レベルで供給されていないのだろうか。
必然的に、19キーピッチ、MX軸のキーキャップが主流派。
海外のメカニカルキーボードの流行で、キーキャップの種類がたくさんある。
次点でKailhロープロだけど、キーキャップは充実していない。
(白黒、刻印無刻印、透明程度しかない)
それ以外のキーキャップはほば存在しない。
キーキャップごと、スイッチごと、基板ごと自作すれば別だ。
キーキャップに関してはシリコンの複製や、
図面を作り3Dプリントしている人がいる。
Q. 結局何を自作してるの?
A. ほとんどの人が、ベースキットを組み、
パーツをカスタマイズする程度。
コルネ、エルゴ、レツプリなどの左右分割や、
GH60などの左右一体型のどちらかを選び、
スイッチとキーキャップを選ぶ程度。
あるいはLEDで光らせるのに凝る人も多い。
ある程度のキーマップ改造をしてる人はいるが、
自作配列まで手を出す人は皆無。
僕は自作配列薙刀式のためのキーボードを、
自作キットベースでカスタマイズ中。
しかしどんどん基板設計からやる人が増えていて、
それがこのビッグウェーブになっている。
全てを自作出来ないから、
BTユニットのみ、キーキャップのみ、ケースのみ、
ケーブルのみ、などパーツ自作に特化している人もいる。
むしろ、自作キーボードメーカーは基板のみに特化しつつあり。
Q. モバイルは?
A. 会社用、自宅用など、固定環境で使う前提。
そもそも、「基板(PCB)を上下プレートでサンドイッチに挟む」
というのが共通する構造なので、
横からの埃に弱い。
それを憂慮して、ケースメーカーが増えている。
BT化はまだ一般的ではない。
また、持ち運ぶキャリアをどうするかの問題も解決せず、
○○専用バッグなどが自作されつつある。
(僕は革ポーチやエポキシ樹脂の工具箱などで持ち運ぶが、
マウスをどうするかも悩みどころ)
Q. ポインティングデバイスはつかないの?
A. なぜかスルー気味。プログラムが描きにくいから?
トラックボールなどを自作してつけている人もいるが、
標準ではない。
Q. キット作る以外のガイドラインは?
A. ないです。調べてください。そういう世界。
ただ、みんな専門分野(手芸、革、木工、プラモ、染色、
カメラ、デザイン、3Dプリント、コーディングなど)
をどうにかして自作キーボードに持ち込もうとしていて、
それがゲリラ的に花開いているのが現状。
Q. 誰がやってる?
A. 主にプログラマ達が始めたのではないでしょうか。
GithubやDiscordを使い慣れている人たちが多いです。
「半田を組んだあとは(C++のプログラミングを書き、コンパイルするという)
いつも通りのことをすればいいだけ」という認識の人が多い。
電子工作としては初歩なので、
ハード屋よりソフト屋が多い印象。
なので、「基本自分で調べる」「調べる人のために情報整理して置いておく」
という理系論文のような情報の整理の仕方があります。
「ざっくりオーバービューしたい」「整理された全貌が見たい」
という整理のされ方はされていません。
これらはエンジニアの仕事ではなく、ジャーナリストの仕事です。
パーツを買って使って試して組み合わせろ、という感じですね。
僕みたいに映像業界かつ脚本家というのは異色かと。
親指シフトの人がごく稀にいます。
Q. 半田無理。作成サービスないの?
A. 上に書いたように、みなさんエンジニアですから、
「出来ないことは調べてできるようになる」の精神なので、
代行させる精神はないですね。
ただ、1万から数万で個人請けやる人もいるかもです。
調べてみてください。
Q. じゃあ、僕の思い通りのキーボードは出来ないの?
A. それがどんなものか、図にしてみてください。
スペックもサイズも、設計図のように。
現状で出来ている部分まではキットやパーツの組み合わせでいけます。
いけない部分を、自分で作ってください。
Q. どうすれば勉強できますか?
A. 気になる単語、知らない単語でググり続けて下さい。
あなたが何を知らないかは誰もわかりません。
大体わかったら動画を見たりするとよいでしょう。
そこで出てきた言葉がわからなければ、以下同じ。
「これは誰がやってるだろ」と調べたとき、
誰かがやってることもあるし、意外とやってないこともあります。
そのとき、あなたがパイオニアになるチャンスです。
Q. 配列は自由になりますか?
A. そのための自作キーボードとQMK_firmwareです。
ただ、キーの交換くらいしかみんなやってなくて、
せいぜいマクロくらいですかね。
既成キーボードと離れすぎるのを怖がっている感じ。
本格的に配列チューニングしている人は少ない印象。
僕はQMKとDvorakJを組み合わせていますが、
全面QMKに移行したいなあと企んでいます。
そうすると薙刀式のままMacにも繋げるので。
2019年04月14日
この記事へのコメント
コメントを書く