2019年04月14日

駄目なクリエイターの特徴2

続き。


4 名作を見ていない
5 アイデアの数を出せない


自分の考えるものが一番面白いと考えてしまうのは、
名作を知らないからだ。
漫画でも映画でもドラマでも、
過去の名作を踏まえた上でそれを越えようとして作られている。

あなたがはじめて思いついたと思うものでも、
誰かが既に考えている可能性がある。
名作を見ることは、
あなたの力が足りないことを理解させるだろう。
それを超えられる、超えてみせる、
と思う人だけが、クリエイターを名乗っていいと思う。

無知の自信は大抵無謀だ。


アイデアを沢山出せない人はクリエイターではない。

それは幅広い知識や雑学を持っていて、
組み合わせを考えるのが上手だからだ。
名作を沢山見て、共通しているパターンを学習してもいるだろう。
(一本から丸パクリするのは最低だ。作ったことにならない。
それはコピーという行為である。
しかし、複数本に共通するパターンを使い、
別の実装をすればそれは作ったことになる)

新しいアイデアを沢山出せないのは、
発想が固執になっている可能性もあるし、
知識が不足していることもある。

なぜ調べ物を大量にするのか?
自分の中の知識を増やし、
組み合わせの可能性を増やすためにあるのだ。
パクリ元を探すためにあるのではない。

前記事と関係するが、
作品を自分と重ねてしまうと、
アイデアはひとつに固執する傾向にある。
それが唯一のアイデンティティーのようになってしまう。
だから否定されると傷つき、
次のアイデアを出せなくなる。

そういう奴は傷ついて死ね。

アイデアを沢山出すのは、
魚が大量に卵を産むことに似ている。

ほとんど死ぬ。
かろうじて成長した芽が、作品になる。
経験的に1/1000くらいかな。

あなたの作品がアイデアに富まないのは、
999を出していないからだ。


アイデアを沢山考えると、
必然的に雑学王になる。
なんでもかじってないやつは、
アイデアが固定化してしまう。
固定したものは集中するしかなく、
それは発展を生まない。

もちろん、制作の後半は収束集中する。
最初から収束集中するのは、痩せたアイデアという。

また、アイデアには階層がある。
中心となる交換不可能なアイデアと、
泡沫的なアイデアだ。
周辺の交換可能なものはいくらでも出せ。
そのうち、素晴らしい思いつきによって、
それは交換不可能な芯のアイデアになる。

そして、どれを芯にするか決めなければならず、
一度決めたらそれを変えてはいけない。
芯を変えるのは作品そのものを変えることになる。

しかし、作品そのものを変えてまで柔軟に対応できるかどうかは、
現実問題で大切だ。
(簡単な変更なら作業工程の後半でも大丈夫だが、
一からやり直したほうが早いくらいの変更を、
後半でいうやつは単なるバカだ)


ひとつに固執しか出来ず、
別のアイデアを出せないのは、
知識が足りないか、
経験が足りないか、
自分と作品を切り離せていないかの、
どれかか全部だ。
posted by おおおかとしひこ at 13:30| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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