2019年04月24日

マラソン

一日で書けない量の原稿を書くときは、計画がだいじだ。

逆に、一日で書ける量を知っておこう。
僕は1万5千字(シナリオなら40分相当)が限界だと思っているが、
世の中にはもっと書く人もいるかもしれないので、
そのへんは限界を知っておくと良い。

で、それ以上の文章を書くときは、
どういうペースで行くと良いか。


オープニングからの滑り出しと、
クライマックスはたくさん書ける。

問題はそれ以外だ。

全体の経験でいうと、
途中減速して辛くなり、
後半加速して楽になる。

で、「どうやったらあの減速したつらいところを、
切り抜ければよかったのか」
なんて反省会をすることもあるだろう。

しかし僕の経験でいうと、
そこのつらい減速部分は、
一生治らないと思っている。

そこはペースが落ちる。
それ前提でペース計画を立てるべき。

最初の方でサラサラ書けて、
これはいけるぞとスケジュールを立てても、
順調に遅れて行くだろう。
最初のペースで書けることはほとんどない。
そのペースでスケジュールを組まないことだ。


なぜ減速するのか?
オープニングやエンディングほどには、
詳細にイメージできていないからだと考える。

だから、書きながら作っていかなくちゃいけないので、
ペースが落ちるのだ。

それを事前にはなかなか想像できないことは、
何度か苦労すればわかってくるだろう。


で、現場レベルのコツとしては、
「キリのいいところまで書こう」をやめること。

キリのいいところまで書ききってしまうと、
「次どうするか」が白紙になってしまい、
確実に執筆はストップする。

それよりも、
「まだ書くことがあるが、
それを残して今日はおしまい」にわざとすることだ。

まだ書くことがあるそれを、
簡単なメモに残して、
明日の朝一に見返すことにして、
今日は終わると良い。

そこは書けると確信しているから、
頭は、「確信していないその先」を考えるようになる。

で、寝てる間にいい塩梅でアイデアが練られている。
勿論風呂の中などでも考えるだろうね。


頭の中に余白をどう作るか、
それをコントロールするのだ。

人は穴埋めが好きなので、
ここまで書けそう、この四角の部分がまだ書けそうにない、
と四角を書くと、
勝手に考え出すものだよ。

その線引きが日々前進して行くことが、
一日で書けない量を、執筆して行くことだ。

全部書き切らないことで、
その戦線を維持したまま進んで行く。


執筆は何日も、時に年単位かかるマラソンだ。
日々のペースさえ崩さなければ、
いつかゴールにたどり着く。

ペースを上げすぎて、走れなくなったら完走できない。
「まだ走れるうちに明日のことを考える」を、
繰り返して進もう。
posted by おおおかとしひこ at 02:10| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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