「この一点さえ突破できれば、
さまざまな謎が解け、すべてのことが解決される
(あるいは進展する)」
というポイントを、
ストーリーの結節点と呼ぶことにしよう。
一点に集約されるイメージだ。
ストーリーの焦点は、たいていひとつではない。
今追っている焦点そのものもあれば、
センタークエスチョンもあれば、
細かな伏線もあれば、
ペンディングされている何かもある。
それらがまとめて、
「これさえ明らかになれば、
これさえクリアすれば、
これさえ出来れば、
すべて進むのに」
という一点に、上手に集約しよう。
たとえばNGT問題が仮にフィクションのストーリーであれば、
第三者委員会の介入がその結節点であった。
しかし第三者委員会の発表はやはりモヤモヤしていて、
たとえば、
「秋元康が記者会見する」ということになれば、
それは次の結節点になり得るだろう。
秋元さえ出てくればすべての闇は白日のもとにさらされ、
浄化されるだろう、
などという期待感があるわけだよね。
(本当にあるかどうかは分からないが)
とくに、
第二ターニングポイントは、
結節点のポピュラーな例だと考える。
クライマックス直前で、
「あとはラスボスを倒せれば世界は平和になる」
と確認するような、
「あと一点でセンタークエスチョンが解決し、
これまでのことがすべて報われ、
細かい焦点もすべて解決するだろう」
という場面を挿入することは重要だ。
なぜなら、
観客は(そこまでそのストーリーに乗っかっていれば)、
「いよいよだ」と身構え、
緊張し、心拍数が上がるからだ。
これまでのことが決まる、
最も重要なことがこれから起こる、
とわかることで、
焦点はたったひとつに絞られるわけだね。
「○○さえ出来れば。しかし出来るのか?」と。
勿論最終的には出来るんだろうが、
それは出来なさそうな危険があるとよい。
「どっちか分からないが、もうここまできたらやるしかない」
が、
クライマックス直前での第二ターニングポイントの役割だ。
もちろん、そこ以外にも、
結節点は沢山あってもよい。
「これさえなんとかなれば、すべてなんとかなるのに」
みたいな、急所のようなポイントを作れれば、
そこへ焦点を集約できる。
分散しがちなストーリーは、
結節点でまとまりを強くする。
そもそも焦点がひとつしかなく、
並行するサブストーリーがない単純なものには必要ないが、
複数の人間が複数の目的を持っていたら、
ストーリーは必ず並走する何本かの話になるものだ。
それを結節点で結合するのだ。
簡単な例を。
主人公は彼女とデートしたい、
彼女は○○のライブにいきたい、
という二つの焦点は、
主人公が○○のチケットを取る、
という結節点で、
二つの焦点がひとつになる。
で、○○のチケットを取るために、
転売屋のオークションに参加することに。
そうしたら○○ファンで有名な△△さんが、
このオークションに参加するという情報が入ってきて…
なんて感じで、
次の展開(障壁のクリア)へ渡せるわけだ。
二兎を得るものが二兎を得るようにするために、
ひとつに結合させる。
それを意図的にやると、
分散せずに面白くなるだろう。
2019年04月24日
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