これはある場合には真であり、
ある場合には偽である。
設定だけ作って、何もストーリーを作らないなら、
それはストーリーではなく出オチだ。
設定をいくら作ってもストーリーにはならない。
どう展開するのか、誰がどういう決断をして、
どういう結果になり、状況がどう変化していくのか、
という「時間変化」がストーリーであり、
ストーリーは設定(時間が停止したもの)ではない。
しかし、ストーリーが行われる舞台は、
必ず設定を伴う。
場所や時代、特定のルール、
人物、人物関係、
事件の概要、どういう設定のもとのものか、
という、「ストーリーが広げられる基本的世界」
を持たないストーリーはない。
だから、ストーリーを書こうとするとき、
設定がないと何もできないわけだ。
ストーリーを書いているとき、
ときに設定してないことに突き当り、
展開に困ることがある。
そういうときは、追加で設定するしかないのだ。
新しい場所、新しい人物、
新しい関係性、新しい道具、
新しい事実関係、新しい過去の因縁、
などなど、追加で設定されると、
ようやくそこからの展開が可能になったりする。
つまり、途中で展開に困る場合、
追加の燃料である、設定が足りていない場合がある。
すなわち、最初のあたり、
第一幕で行った設定が切れたと考えられる。
そういうときは、追加設定で燃料を足すしかないだろう。
逆にいえば、
どこで最初に説明した部分以外のところに展開するか、
考えれているだろうか、ってことだ。
ここで新たな局面になるのだから、
ここでいったん仕切り直して、
再設定する場面があるぞ、
なんて事前に計画出来ていたら最高だ。
なかなかそうはいかないから、
途中途中で、設定を継ぎ足していく必要が出てくるかもしれない。
で、最初に敷いた設定と矛盾をきたしていたり、
最初に敷いた設定を以後まったく使わなくなったりして、
最初の設定を見直す羽目になったりするのは、
よくあることである。
つまり、一幕でぜんぶを説明する必要なんてなくて、
あとあと出てくることはそのときに説明したらいいのだから、
一幕を展開できるだけの設定だけに最小限にとどめればいいのだ。
そのようにして、一幕の説明部分を切ることが出来ると、
一幕は切れのよいテンポになると思うよ。
これはあとあと使うかもしれないから、なんていらない設定を置いておくと、一幕はテンポが落ちてしまう。
二幕で使う設定は、二幕で設定してもよいだろう。
つまり、ストーリーというのは、
最初に設定しただけでは材料が足りなくて、
ちょいちょい追加で設定が足されることがある。
こういうときに、
「設定を作ることが、ストーリーを作ること」
という感覚になるだろう。
いかんいかん、次やることの設定をいま作っておかないと、
なんて急場になることは、
稀によくあることだ。
こういった不備があるのはしょうがないので、
それらをリライトで整理すればいいと思う。
これから進むべきルートに、
ざっくりと光を照らすこと。
それが追加設定のやるべきことだ。
この舞台で、どういう展開や結果や変化があるのかが、
ほんとうのストーリー部分だけど。
2019年05月05日
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