2019年05月10日

【薙刀式】1アクションで1概念を書くということ

たとえば「思う」を例にする。


「おもう」の運指は、
(以下【】を連続シフト、()を同時押しで表記する)
【NK】L
のシフト込みのアルペジオ運指だ。

「思う」には活用語尾がたくさんある。

思わない、思えない、思われる、
思えてくる、思った、
思われないが、思われている
などなど。

それぞれ、
【NKH】MK、【NKP】MK、【NKH】/I、
【NKP】EHI、【NK】GM
【NKH】/MK(FJ)、【NKH】/RKI
などだ。
当然だけれど、「おも」の語頭から展開しやすい指遣いになっている。

あるいは、そこにつながりやすい言葉に、
「と」「そう」「こう」「私は」「どこでも」
「こんなに」「よく考えると」
などがあると思う。
それぞれ、
D、BL、VL、【H】NW、(DJ)V(RJ)【K】、
V,M【D】、【I】HF,(FJ)【P】ID
の運指だ。

これらの繋がりは、
慣れればどれもワンアクションでいける。

つまり「思う」を中心とした、
前後の言葉の繋がりが、繋がりの良い運指になっているわけだ。

もちろんこれが、
「思う」だけでなく、
重要な言葉に関して大体そうなっている、
というのが、
薙刀式の言おうとしていることだ。

単純に、
指が打ちやすいとか打ちにくいとか、
統計的に現れる連接が打ちやすいとか、
数文字単位のことより、
もう少し視野を広げた「一連の繋がり」に、
心を砕いてつくった。


もちろん最初は、
拗音や外来音の1モーラを1アクションで打ちたいなとか、
清濁半濁同置がいいなとか、
頻出二連接がアルペジオになるといいなとか、
1文字2文字単位で考えていたのだが、
「指を一連で動かす」ようになればなるほど、
「一息の概念が、一息の繋がる運指」
になっているといいなあと思うようになり、
実際にそうしてきた。

飛鳥配列でもそのように工夫したように思われるが、
記事では単語単位であることが多く、
「思う」の前後の運指、
なんて記事を見つけることは出来なかった。
(あるかも知れないが、全部を読みきれてない)

実際、「思う」だけ素早く打ててもしょうがなくて、
「ついついそういうことを思いがちなんだよね」
くらいを一気に打ちたいものだ。

ちなみに、
【L】K【L】KBLKLVD【CNK】K(FJ)【G】M,(FM)【IS】
である。
「ついつい」はやや難しいが、
左右交互やアルペジオが多く、
一息に打てないこともない運指になっている。

このへんが、薙刀式の真骨頂だと思うのだ。


もちろん、これを寄せたことにより、
「広げる」「増やす」などの運指が悪化し、
基本的な言葉でありながら、
その前後の運指が悪くなることについては前にも書いた。
でも、「広げる」より、「思う」関係の言葉が充実してる方を、
よしとしたわけだ。

カタカナ語にも弱い。
カタカナ語の連接頻度が日本語と違うからだ。

それとこれは、有限空間での有限個の整数並び替えなので、
トレードオフ(出した分だけ引っ込む)になることは分かるだろう。
あとは、
どういう言葉周りを優先して、
その結果どこが引っ込むかというチョイスと調整。

その言葉たちの選択が、
僕の言葉のセンスに影響されるのはしょうがないことだと考える。
統計的にフラットなものを作りたいけれど、
gram以外の単語間の距離関係を統計処理したものはないからね。
英語と違って活用語尾や変化もあるし。

僕は、言ってることはヘンテコかもだけれど、
文体自体はポピュラー体だと思うので、
薙刀式はその点において他の人にも使いやすいだろう、
と考えている。

バリバリ使いこなしている人はまだ補足してないので、
薙刀式が僕一人特化なのか、
(日が浅いため)まだマスターした人がいないだけか、
それとも使いにくい配列なのかは、
結論は出ていない。
色々見る限り、興味ある人はそこそこいるっぽいので、
結構いいですね、なんて人がそろそろ現れてくれるとなあ、
なんて夢想してるけど。


自作キーボードが流行っても、
なかなか文字配列まで来る人が少ないのは、
まだまだ心理的ハードルが高いからだろう。
引き続き動画を作るなりして、
「一連の運指と一続きの概念」の例を見せられたら、
と考えている。
posted by おおおかとしひこ at 12:51| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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