物凄いことをして不安にさせる手もある。
小さなことで不安にさせる手もある。
派手な例。
吊り橋を落として退路を断つ。
車を爆破して退路を断つ。
乗ってきた飛行機を爆破して、以下同。
小さな例。
鼓膜に針を突き立て、間違えたら刺さるようなメカをくっつける。
話し合いの場で、ドライブレコーダーをオンにしたり、
スマホで録画をはじめる。
「今のお前じゃどこに行っても通用しないから、
辞めても意味ないぞ」と、言葉で脅しをかける。
「はじめてなので、優しくしてください」という処女。
絵的に派手な、物凄いことは分かりやすい危機だ。
肉体的なことに関係する。
小さな例は、
心にプレッシャーをかけるわけだ。
1ミリの失敗も許されないように追い立てると良い。
これから数分間にプレッシャーをかけてもいいし、
何年も呪いをかけてもいいわけだ。
会社の例は、言葉による行動制限で、
つまりは高度な呪術である。
言葉による心理誘導には洗脳があり、
これらを研究すると、
人の心理をどう誘導するかについての経験論がある。
催眠術やメンタリズム、広告も同様だ。
恋は魔法などというが、
やりちんは魔法をかけるのがうまい。
セックスが上手いのではなく、
ベッドに至るまでの心理誘導が上手いのだ。
つまり魔法使いは、
それを悪用もできるし、善用もできる。
手段と目的は一致しなくてよい。
結局、動機が一番重要なのだ。
心理戦や頭脳戦を扱う作品は数多い。
「デスノート」や「カイジ」などがすぐ思い出されるだろう。
そこでは、
いかに相手を疑心暗鬼にさせるか、
今自分は疑心暗鬼の虜になっているのではないか、
というフェーズが必ずある。
不安は、相手を現実以上に大きく見せる武器である。
あるいは、
「クリムゾンタイド」では、
「冒頭の情報が真偽どちらか?」
ということを前提に、
不安だけで行動しなければならなくなる。
その不安を密室劇である潜水艦内で描いた傑作だ。
不安を利用して、
物語の軸を作り、話を進めることもできる、
ということを覚えておくといいだろう。
相手の手の内が全て分かっていて、
公明正大に戦えることは滅多にない。
常に隠し球とハッタリ(疑心暗鬼)の存在を考えて、
リアルな心理を作っていくといいだろう。
困ったら、
「やつは(あるいはそれは)、いつどこから来るか分からない」
と一言言えば、
緊張や不安がストーリーを覆う。
地震予言者や生命保険は、だから不安を商売道具にする詐欺師だ。
僕らと同じようにね。
2019年05月16日
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