道具の理想は消えることだ。
僕はキーボードには消えて欲しい。
文章を考えたいのであり、
運指を考えたり、滅多に使わないキーを探したり、
変換候補を選ぶことはなるべく避けたい。
薙刀式は、
書くこと、消すこと、編集することに関しては、
もう殆どキー配置を意識せずに運用している。
一方、
新下駄のkouyさんが、短距離走であるところの、
タイプウェルに挑戦し続けている。
常用語XAはほんとうにすごい。
最速の最右翼といっても過言ではない、
新下駄配列のポテンシャルだろう。
(Zタイパーに手が届くのかどうかが、
野次馬的関心のひとつだ)
で、最近の目覚ましい記録更新に関して、
こんなことを呟いていたので引用。
https://mobile.twitter.com/y_koutarou/status/1129419816387747841
なるほど、短距離走だとこういう要素が、
何ミリ秒かを削っていくのだろう。
「100メートル走で全ての一歩を意識する」
ようなことに近いと思う。
高々280文字、279連接だから、
その一つ一つをちゃんと意識するのは大切だろう。
で、これって、僕の興味と真逆なんだなあ、
ということに気づく。
僕は、配列はいかに無意識になるか、
しか考えてなくて、
悪運指を減らして、ポピュラーな言葉は良運指にして、
どれだけ常にスムーズに打てるか、
みたいなことしか考えていなかった。
道具は消えるべきだ、ということしか考えてなくて、
タイプウェルもいかに無意識で打つか、
しか考えてなかった。(だから総合SDどまり?)
短距離走には短距離走用の走り方がある、
というだけで、
もちろん新下駄も長距離では無意識に打っていくことになるのだろう。
だって運指を意識してたら文章を忘れてしまうし。
消えるべき道具の良し悪しは、
じゃあ何で測定すればいいのか、
これまた難問だと思う。
タイプウェルの成績だけで決まるわけでもなさそう、
ということは確かで。
ということは、
やっぱり気になる配列を何個か触ってみて、
手に馴染む奴を探すしかないのかもしれないね。
「触る期間は二週間」と決めてかかるといいかもしれない。
(一週間だとまだ辛い時期だし、一ヶ月だと他を試すまでに疲れてしまう)
物理キーボードを変えるだけで、
手への馴染み方は全然違ったりする。
それは自作キーボードに手を出してから、
さらに強く思うようになった。
その上で、
論理配列の良し悪しまで考えている人は、
なかなかいない。
QMKが素人には手を出しづらいのも一因だろう。
DvorakJと組み合わせればなんとかなるのだが、
自作キーボードの人は意外とマカーが多い。
僕みたいにタブレット派はそんなにいないなあ。
最適解のひとつだと思うのだが。
道具は消えるべきだ。
それは、マスターしたあとに消えるべき、
ということもあるけれど、
「説明書を見なくても大体使えるようになるべき」
ということも含むと考えている。
任天堂のゲームはそのように設計されていることで有名で、
インターフェイスのなんたるかをいつも考えさせる。
hhkb(US)の人気は、その配列にもある。
無意識で使いやすい配列になっていると思う。
評判の悪いカーソルだって、Fnとの組み合わせさえ行ければ、
普通の場所より近くなってるわけだし。
(小指多用はどうかと思うけど、
文章メインでないとそんなに使わないのだろう)
カタナ式は見れば即使える、
というところまで行ったと思うけど、
薙刀式はどうだろ。
カナ配列全般が、
即ぽつぽつ打てるものでもないのが、
歯痒いところ。
その中でも薙刀式は早くマスターできる方だとは思っている。
配列は早く無意識に消えて欲しいと、
常に僕は考えている。
タイピングゲームにはいろいろな取り組み方があります。ひたすら高成績をめざすという取り組み方もありますし、実用入力に役立つ部分だけ取り組むというのも良いと思います。
「消えるべき道具の良し悪しは、じゃあ何で測定すればいいのか」の話ですが、自分は、タイピングゲームの成績はある程度参考になると思います。問題は、誰の、どの程度の成績を見るかです。
タイピング速度は個人の能力差が大きいので、他人の成績と比べても意味がない。また、成績が上がるほど実用入力とは異なる要素が増えてくるので、タイプウェルXAくらいの速度になると実用入力の参考にはならないと思います。
だから「○○配列トップのAさんの成績」と「××配列のトップのBさんの成績」を比べてどちらの配列が良いかと考えるのは、二重の意味で意味がないと思います。
一方で、そこまで速くない段階では、実用入力とタイピングゲームは、イコールではないものの共通する部分も多いと思います。タイプウェルで言えば総合カテゴリーProfessionalからGenius中盤くらい(このラインは人によって上下します)。そのくらいの成績なら、同じ人がどちらの配列の方が好成績が出せるかというのは、判断材料の一つになると思います。
もっとも、それでも具体的な数字で比較するのは難しいでしょう。その人の配列の熟練度を同じにするのが無理なので。実際は、どちらの配列の方がタイピングゲームで好成績が出ると“感じるか”という使い方になります。だから決定的な要素にはなりませんが、それでも判断材料の一つとしてはいいんじゃないかと思います。
おっしゃることはとてもよくわかります。
僕は格闘技が大好きなのですが、
「ボクシングと空手とどっちが強いか」
「最強の格闘技は何か」
のようなことと近いと考えています。
じゃあ同じ土俵で勝負しようじゃないか、
と総合格闘技が出来ましたが、
そこで強かったのは「総合ルールで最強の格闘技」でした。
格闘技の実戦とは殺し合いなのでしょうが、
それをルール上で対決できるようにしたとき、
そのルールに特化したのが一番強いという矛盾が生まれました。
特に新下駄はkouyさんの努力もあって、
新配列の中では「作者自ら、特異的な成績」を収めている配列で、
それは凄いことだと思うのですが、
それ故逆にタイプウェル用の配列と時々誤解されているのが、
とても勿体ないなあと思っています。
(普通の文章はやはり予想通りで安心)
たとえばtomoemonさんが飛鳥で驚異的な記録を出していますが、
飛鳥が速いのかこの方が速いのか、
判別できないのも格闘技に似ていると思います。
複数の人が結果を出せばその配列は速いのか、
と問いを立てても、
母集団がそこまでないので確かではないし。
(同じ配列を習得した100人同士で競えば流派の優劣は分かるかもしれない)
僕はタイピングゲームよりも、
創作文を動画で撮るのが、
その配列の特徴を一番伝えられると考えています。
ここが良い、ここは欠点、
などの議論も、それらを比較することで得られるのではないかと。
(そう思って薙刀式の動画は比較的長く打っています)
もっと手軽に、「この配列に変えるとこうなるよ」
というものを伝えられたらなあ、などといつも考えます。
僕のタイピングの才能はたいしたことなさそうです。
だから薙刀式を作って楽した、ともいえます
(SAにすら届く気配がない…)。
才能(と継続する努力)がある人が羨ましいです。
セームシュルトが強いのか空手が強いのか分からないけれど、
セームシュルト×空手がチャンピオンになったのは確か。
kouyさん×新下駄が、さらに上を目指せる、
という夢を見たいものです。
僕は、神田さんは結局親指シフトを使ってなかった、
という話がなんだかなあと思うので、
これからも新下駄で何かを書き続けてください。