kouyさんのコメント返しで大体書いてしまったけど。
僕は配列というのは武術の流派に近いと考えている。
強い流派もあれば弱い流派もあれば、
強い人もいれば弱い人もいれば、
その流派があってる人もいればあってない人もいる。
強さとは何かまだ答えが出ていないことと、
速さとはどういうことか答えが出ていないのも似ている。
強さでいうと、
「最強の流派は最強の人を輩出したもの」
と考える場合もあれば、
「どんな人でもそこそこ即戦力にしてしまうもの」
こそが強い流派(原理)だと考える場合もある。
「最強の人の流派を最強の流派と考える」
という単純なものから、
「その人が強かっただけ」
と考える人もいれば、
「その人とその流派が噛み合ったのだ」
と考える人もいる。
そもそも、
強さのことを、
実戦における殺戮数で考えるのか、
試合という実戦とは別ルールにおいてと考えるのか、
護身だけでよしとすると考える流派もあるし、
人生を勝利に導くものが最強と考える流派すらある。
負けないことを勝つことと考える流派もあれば、
どんなことをしてでも勝つ(たとえば毒などで)流派もある。
だから、何をもって強さなのかもよくわからない。
新配列の中では、
新下駄、月、飛鳥が、タイプウェルにおいて、
かなりの成績を収めているが、
それでも最速のJISカナタイパーには敵わない。
だからJISカナ最速とはとても思えないし、
「人と練度によるよね」としか言いようがない。
しかもタイプウェルは短距離走で、
実戦の中では特殊な領域だ。
創作文もあれば長文コピータイピングもあるだろう。
(かつてはタイピストの仕事の多くは、
手書きの清書というコピータイピングで、
親指シフトのころは、この用途が重視されていた)
現在の主なタイピングの用途は、
ツイッター、ブログ、メールが殆どで、
一部ライター稼業、清書業だろう。
ほんとはこれらを10種競技のように出来ると、
公平な配列の競い合いになるのかもしれないが、
そうすると、
「総合格闘技ルールに特化した格闘技最強」
のようなおかしな逆転が起こってしまうだろう。
じゃあ客観的で、公平な、
「この配列が速い!」という基準はないのだろうか。
それは難しくて、
「その人がその配列に変えてどれだけ速くなったか」
という個人の視点でしかないような気もする。
そうすると主観の語り合いの水掛け論になってしまうのが、
残念だけれど。
(僕は薙刀式でqwertyローマ字より3倍速くなったので薙刀式最強!
とか主観視点で言ってもしょうがない、
ということだ)
「この配列の方が速いんだよ!」
ってプロレスを演じることで、
配列のことがよく分からない人を観客に引きずり込み、
知名度を上げていくというやり方もあるけれど、
やはり上位陣は人外のようなデフォルト配列使いなので、
なかなか太刀打ち出来ていないのが現状だと思う。
その中ではkouyさん×新下駄配列は、
更新し続けている感じがとても面白く、
いつかZに乗ったら風向きが変わるんじゃないかなあ、
勝手に期待している。
僕じゃそこまで行けなさそうなので。
(他にもちらほら新下駄使いがタイプウェルXクラスになっているからねえ)
もちろん誰か薙刀使いになってXに乗れば、
また違う状況になるかもだ。
ところで僕は、短距離走とは別のところで戦おうとしている。
ずっとこっそり長編小説を書いていて、
それがとても面白かったら、
「これは薙刀式で書いたのだ」
とドヤ顔でアピールしたいんだよね。
薙刀式が編集モードを充実させているのも、
第一稿を書いておしまいではなく、
何度も書き直すプロの原稿に対応しているわけだから。
そういう作業には、
いまだどの配列も対応していないと思う。
kouyさんのタイプウェル挑戦とは違うベクトルの話だけれど、
それはそれで速さとか効率で戦っているわけだ。
古い作家には親指シフターがまだたくさんいるけど、
新しい作家で、新下駄使いとか飛鳥使いとか月使いとか、
そういう人が出てくると面白いなあと考えている。
昔の作家同士は、
万年筆と紙の話を一日中出来たそうだ。
配列の話やキーボードの話で、
僕は同様に一日中話すかも知れない。
異なる流派を学ぶ格闘家は、
「じゃいっちょ交流試合をしてみよう」
と肌を合わせて、それぞれの良さを学べるのだが、
異なる配列使い同士でそういうことが出来るのだろうか。
お互いエディタを立ち上げて、
それぞれを見ながら手元を見ながら話さないといけないので、
格闘家より手間がかかりそうだ。
ネットの発達によって、
一生会わない可能性だった人にも話が通じて、
ちょっと面白い。
自作キーボードミーティングみたいに、
配列ミーティングがあるといいのだが、
そんなに人がいないかもだなあ…
(自作キーボードの人たちは、
まだqwertyとeucalynとdvorakくらいのようだ)
2019年05月20日
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