2019年05月20日

【脚本添削スペシャル2019】1: 応募作品総覧

(追記:一本漏れておりました。すいません。「総員、乗艦セヨ。」追加で)

さて、今年もはじまりました脚本添削スペシャル。
今回は5名6本の脚本が集まりました。

いつもと同様に、タイトルと作者名をならべてみましょう。


原田純愛「大事な人を、二駅先に置いてきた」
ビリー・ケン「総員、乗艦セヨ。」
えん「絶望の仮想夢」
えん「たなぼた」
APCHE「友の歌」
初氏成緒「落絵」

タイトルでそそった順にならべてみました。

タイトルはその作品の顔です。
それで手に取るかが決まったりします。
ただ世の中にはタイトル詐欺もあって、
そうかどうか、びくびくしながら鑑賞することになるのは、
プロの作品だろうが、こういうものだろうが同じです。


情報量を増やしましょう。
ログラインを併記してみます。


原田純愛「大事な人を、二駅先に置いてきた」
 夢を諦めかけた漫画家が立ち上がる話

ビリー・ケン「総員、乗艦セヨ。」
 職務に忠実な中年軍人が、若き医者と共に荷物整理して
 島から脱出する話

えん「絶望の仮想夢」
 愛する妻との生活を守りたい男が、
 眠ると夢では悲惨な中学生になってしまい、
 そこから逃れようとするが、
 やがてどちらが現実か分からなくなってしまう奇妙な話

えん「たなぼた」
 家族をハワイに連れて行くために残業代を稼ごうとした男が、
 働き方改革を機に残業禁止となり、
 悪戦苦闘した末に別の家族の幸せを知るお話 

APCHE「友の歌」
 友達に引け目を感じてた洋一が対等になれた話

初氏成緒「落絵」
 不遇な絵師が、後世に評価される


あなたが読むのはどの順でしょうか。
自分のカンを頼りに読んでみて下さい。
(webだときついので、プリントアウトをお勧めします。
結構枚数多いけど)

なお、「落絵」は今回は添削対象外としたので、
本人の希望により本文非公開としました。


大事な人を、二駅先に置いてきた.pdf
総員、乗艦セヨ。.pdf
絶望の仮想夢.pdf
たなぼた.pdf
友の歌.pdf


これからこの素材を使って、なにやら調理をはじめます。
いろんな感想があることでしょう。
「自分だったらこうする」を思いつくかも知れません。
ということで次回。



なお選に漏れた「落絵」の講評を。

主人公の望みがなんだったのか分かりませんでした。
有名になってやろうでもないし、こんな面白い娯楽を楽しもう、
でもないし。
後世に評価されたことで彼の望みが叶ったのだ、
といわれても、彼に感情移入もしてないので、
心の底から良かったなあとも思えない。
観客にこの話をどう思って欲しいのでしょう。

「不遇で理解されない男に心底感情移入し、
それが本人の知らないところで評価されて、
本当に良かったなあ」と思いたいのなら、
不遇に感情移入したいし、理解されなさにもどかしさを感じたいです。
ただあらすじが書いてあるだけで、
人間のドラマになっていなかったと思います。
posted by おおおかとしひこ at 18:54| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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