マスターしてしまえば、どんな配列だって速くなる。
JISカナだってタイプウェルで僕の4倍以上速い人がいる。
(常用語17秒ってどういうことよ?!)
それは極論、暴論だと思う。
問題は、「そこに至る労力をどれだけ減らせるか」
ではないかと思うのだ。
かつて親指シフトが、
親指シフト、qwertyローマ字を、
全く初めての人にマスターさせる、
という実験をやった。(JISカナもあったかも)
親指シフトが実戦の速度に到達するのが速かった、
という結果だったと記憶する。
今それを実験するなら、フリック、音声入力も入れてもいいかもね。
人はすでにマスターしたことを手放したくないし、
自分のやってきた努力を否定したくないから、
「自分の○○配列が至高」という無意識になりがちだ。
(認知的不協和の解消理論)
だからなかなかフラットな議論をすることが難しい。
全ての配列を同程度にマスターした人がいないのも、
議論を困難にさせる。
でも僕は、
薙刀式マスタークラスの方が、qwertyマスタークラスよりも、
到達が楽だと考える。
qwertyは指の運動が限られている代わりに、
とても難しい運指が多いように思う。
(縦連、跳躍、左小指酷使、ホームキー使わず、TY多用、ーの遠さ、
標準運指がベストと思えない配置)
ロールオーバーで高速化出来るが、
秒あたりの打鍵数を常に高速で保たないと、
快速に打てない配列だと思う。
薙刀式は片手アルペジオの多用、
日本語文章を書くのに自然な繋がる運指、
1モーラ1アクションによって得られる快適さ、
記憶負担がカナ配列最小の配置、
などによって、マスターまでの階段が低いと考える。
(BSが近いのも学習初期の訂正が楽なので効果が大きい。
もっとも、BSが遠いのはミスの許されない筆時代と同じくらい、
効率の悪いことだが)
親指シフトと薙刀式比較だと、
やはり薙刀式のほうが楽にマスターに行けると考える。
親指シフトには難しい運指が多いように思う。
し、て、か、た、あたりの左中指薬指は、
楽に高速に打つには向いてない配置だと考える。
もっともこの辺をクリアしてしまった人は、
少なくともqwertyよりは楽できるということを知ってるはずだ。
qwertyは誰にでも即実戦性があるとは思うが、
プロ級にマスターするには、
大変困難な配列だと僕は思う。
沢山の凄いタイパーたちがいるけど、
誰もが常人離れしていると思う。
常人はもっと指の能力が低いし、
常人はもっと鍛える努力なんてしない。
もっと配列は優しくマスターできて、
プロ級になるまでの階段が少ないべきだと考える。
だってただの道具なんだから。
新下駄や飛鳥の合理性や速度には唸るしかないが、
僕はそこまで努力できなかったし、
指の力も足りてなかった。
薙刀式の、小指薬指頻度で精一杯だ。
ふつうの人にとっての、
なるべく少ない努力で、
マスタークラスまで行けるのが良配列ではないか、
と最近は考える。
(これは武術でも同じで、
合気道や八卦掌は最強候補ではあるが、
マスターできる人が少ないと言われている。
もっとも習得が楽なのは、キックや柔道ではないだろうか。
クラブマガなどの最近の軍隊格闘技は、
そうした習得容易性を念頭に置いている)
その意味で、新JISや月は再評価されてもいいんじゃないか、
って思っている。
左右交互打鍵が万能かはやや疑問で、
僕は薙刀式の片手アルペジオが気に入ってしまったが。
月は触ったけど二打が性に合わなかったので、
新JISは触ってみたい。
qwertyタイパー、JISカナタイパーは凄いよ。
あんなに難しい配列をすごい速度で打てるんだから。
僕は楽な薙刀式と楽なキーボードで、
その積み上げ部分をショートカットしていく。
既にあるものに最適に自分を慣らしたい、のではなく、
あることの無駄な手順を最小化するために、環境を変えたい、
というのが配列屋さんの動機かもしれない。
僕は今のクソシステムにノーを言う。
暗いと不平を言うよりも、進んで灯りをつけている。
もっといい灯りがあるかは、まだ分かっていない。
2019年06月03日
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