そんなにキーボードが好きなら、
世界最高峰のリアルフォースやhhkb使ってればいいじゃん。
僕は両方触り、hhkbをしばらく使った上で、
それでも自作キーボードのほうがいいと思う。
その私的理由をまとめておく。
主な理由は4つ。
1. 軽い押下圧が欲しい
2. 左右対称の物理配列が欲しい
3. 親指は指の横で打つべきではない
4. 持ち運びが便利になりたい
副次的理由に、
5. Bluetoothならいいのに
6. 親指キーが豊富にあるといいのに
がある。
1. 軽い押下圧が欲しい
静電容量方式のキータッチは、
とくにリアルフォースとhhkbのタッチは最高にいい。
沈み込みは柔らかく、
そこからシャープにストンと落ち、
底打ちは別のクッションになっていて、
戻りが速く指に吸い付いて戻る。
底打ちが嫌でなく、
アクチュエーションポイントのストローク半ばあたりで撫で打ちをすれば、
最高のベルベットフィーリングになる。
雲の上にいるような心地だ。
だが、
hhkbの45gも、リアルフォースの30gも、
僕には重いということがわかった。
普通のメンブレンやパンタグラフは55g程度だから、
静電容量方式は明らかに軽いのだが、
それでも僕の指と大量の原稿には、重すぎる。
現在20g、15gのミックスを使っている。
バネを入れ替えることで軽く出来るのは、
改造が簡単なメカニカルスイッチの、
自作キーボードのみだ。
20gならば、万年筆のようにスラスラと書ける。
文字は、1キー押せば済むというものではない。
一文節書くのに数打必要だ。
その一連の打鍵を全部軽くすれば、
万年筆のような「滑らかに綴る」
という感覚に近くなってくる。
30gは僕にとって重い。
これは自作に手を出して一番の発見で、
僕がもう戻らない理由だ。
今後なにかしらの理由で20gが使えなくなったら、
僕は手書きに戻るかもしれない。
それほどに、30g以上ある現行キーボードの重さが信じられない。
2. 左右対称の物理配列が欲しい
なぜキーボードのキーは左に傾いているのか?
タイプライターの名残だそうだ。
キーに縦に付いているバーが被らないために、
ちょっとずつずらしたそうだ。
弊害は、左手を左にひねり続けること。
僕はこのせいもあって腱鞘炎になった。
これを解消するには、
左手を右手のように真っ直ぐ構えられるキーボードが欲しかったのだ。
自作キーボードでは、
格子配列、コラムスタッガード、異形ロウスタッガード、
などのような左右対称の物理配列が提案されている。
僕は格子配列のminiAxeヘビーユーザーだ。
ちなみに一体型でなく左右分割型のほうが、
手が開いた自然な位置にセッティングしやすいので、
僕は一体型を使う理由が見出せない。
(出張など荷物を減らしたいときには、一体型パンタグラフを使うときもある)
3. 親指は指の横で打つべきではない
なぜこの主張をみんなしないのか分からない。
普通に手を構えてスペースキーなど親指担当のキーを押すと、
指の横の部分で打つことになる。
そして
「親指を(本来一番強いはずの掴む方向と垂直の)横に動かす」
を続けることになる。
僕はこれで親指腱鞘炎になった。
センターシフト配列薙刀式の親指頻度12%という頻度も効いた。
しかしそれより親指を使う親指シフトで、
この問題が提起されないのは不思議だ。
元祖親指シフトキーボードは親指キーに特別な配慮をしていたが、
今はノーマルキーボードで親指シフトを打つ人が多い。
恐らくだが、誰もそんなに文字数を書いてないから、
その問題に気づかないのでは?
また、親指シフト独特の「猫の手」だと、
親指の指先で打つことになり、横で打つよりはましになる。
しかし僕は文字部分を撫で打ちしたいので、
掌を丸めずに開いて打ちたい。
この矛盾を解消するために、
「掴むように横から打てる
(実際には「つまむ」くらいの力の入れ具合の感覚)」
親指キーを自作した。
こうすることで、
親指キーを頻度高く使いながら腱鞘炎にならない、
負担の小さな打ち方が出来るようになった。
既成キーボードでこうはいかないし、
既成配列でも起こらない問題だが、
「親指の横で打つ」のも「指先で打つ」のも不自然だと思う。
他の指と同様、
親指は指の腹で打つべきなんじゃないのか?
これを実現してしまった僕の自作キーボードがあるので、
既成キーボードにもう戻る気はしない。
4. 持ち運びが便利になりたい
僕の主戦場はカフェでの執筆だ。
リアルフォースを散々触ったけど購入しなかったのは、
これが原因だ。
いっとき、
45gのhhkbBTや、35gのBTのNiZを毎日持ち歩いていたが、
リュックには重い。
タブレットより重かった。
自作キーボードは全般的に軽い。
タブレットより軽い。
5. Bluetoothならいいのに
自作キーボードのBT対応は遅々として進んでいない。
強い人はやってるみたいだけど、
一般的なキットレベルまで技術の洗練が進んでいない。
(左右分割だと、PC、右、左の3つを同期させることに、
技術的課題があるらしい)
hhkbBT、NiZは快適だった。
miniAxeもそうなるといいなあ。
6. 親指キーが豊富にあるといいのに
USキーボードの欠点は、
親指キーが長いスペースバーしかないところだ。
よく錬られたJISキーボードは、
無変換、スペース、変換、カナキーと、
おおむね2キーずつ4キーは親指が使える。
これらを、
シフト、コントロール、エンター、BS、
カーソル、特殊配列のトリガーキー(親指同時打鍵の親指シフトなど)
などに使えるのだ。(ソフト必要だけど無料で手に入る)
自作キーボードはErgoDoxから進化したこともあり、
親指部分に多数の物理キーを配置することが常識だ。
これらを使えば効率的な操作が可能になる。
上のような操作キー、IMEオンオフを当てている人が多い。
しかもこのキーマップは物理がフィックスされても論理で変更できるのが、
自作の魅力である。
ちなみに僕のminiAxeは左右3つずつの親指キーがあり、
左から順に、
単打でエンター、押しっぱなしでコントロール、
Lowerキー(Lowレイヤーは数字や制御系)
単打でスペース、押しっぱなしでシフト(SandS)、
同上SandS、
Raiseキー(Raiレイヤーは記号系)
単打でBS、押しっぱなしでシフトキー
と設定してある。
Lower、Raiseの単打に空きがあるので、
何か仕込めないかなあと妄想中。
(カーソル、IMEオンオフ、アンドゥ、コピペ、Del、ホームエンドなどなど)
これらの親指機能は、
JISキーボード+キー配列変更ソフトでもある程度可能だ。
しかし親指部分に物理的にないキーボードは不可能。
親指部分の物理は、自作キーボードの強みだと思う。
2019年07月12日
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