2019年06月09日

【自キ】キーを減らして行くエンドゲームへの向かい方

なぜ自作キーボードはキー数が少ないのか?
109個のキーがあるフルキーボードに比べて、
あまりにも少ないではないか?
ファンクションキーはないの?数字は?






キーがなくなったわけではない。
「特殊なレイヤーキーを押しながら何かを押すと別のキーになる」
やり方になっただけだ。
つまり、自作キーボードには、キーの重なり合いがある。

不思議? 「1」と「!」だって重なり合ってるよね。
シフトキーがレイヤーキーがわりになってるだけだ。

逆にコントロール+Zはレイヤーキーだよね。
しかし「アンドゥ」という単独キーがあっていけない理由はない。
(昔のワープロには「取消」「戻る」キーがあった)


自作キーボードとはつまり、
「どの単独キーが並べられているのがベストで、
その他のマイナーキーはレイヤーに押し込むか」
を試行錯誤することだ。

形を変えていうと、
「私には何が単独キーであるべきで、
何がレイヤーキーであるべきか?」という問いの答えなのだ。


ファンクション段がないのは、
たいていレイヤー+数字に割り振られている。
F7を押したければ、Lower(レイヤーキーのひとつ)+7とか。

数字段がないのは、レイヤー+上段とかに割り当てられる。
数字段の記号はさらにシフトを押すか、
レイヤー+中段とか、わかりやすい割り当てになっている。
右小指外の記号キーも捨てて、
記号系まるごとレイヤーに割り当てられていることが多い。

テンキーは?
数字段と記号があれば足りるよね。
レイヤー内に、3×3に配置する人もいる。
四則演算やイコールキーやコンマは近くにあったほうがいい、
と考えてマッピングする人もいる。
同じキーボード内に複数同じキーがあってもよいのだよ。
(エクセルなど数字を使うことが多い人は、
テンキーを別付けする人もいる)

Capsは?いらないよね。
Tabは?プログラマ以外はほとんど使わないし、
タブ位置に自動的に遷移するエディタなら、
レイヤーに押し込めて十分だ。
ESCは?同様だろう。ショートカットで使うなら、
そのショートカットを単独キーにマッピングする手もある。

Delは?微妙だ。人によっては単独が欲しい人もいるだろう。
BSキーと同じ位置の別レイヤーにするのは、いい手だろう。

PrintScreenやSchrollLockは?いらないよね?
PauseやBreakは、プログラマはいるらしい。俺はいらない。
ホームエンド、ページアップダウンは?
カーソルキーと同じ位置の別レイヤーにする人は多い。
(僕は縦書きメインなので、
左の裏をホームにするか、上の裏をホームにするかでまだ迷っている。
これはOSで対応して欲しいところ)

App、カタカナキーいる?なくても大丈夫だろう。
変換無変換は?
QMKはデフォルトがUS配列なので元々ない。
しかし新設することは可能だ。
そもそも変換キー無変換キーは、もともとの意図ではもはや使われていない。
「親指の便利な位置にあるキー」として、
コントロールキーやシフトキーにソフト上で交換している人がいるくらいだ。

カーソルキーは単独でいりそうだ。
しかしカーソルキーのないhhkbでは、
Fnキーを押しながらで、「慣れる」という人も多い。
(個人的には、シフトカーソルやコントロールカーソルを使いたいので、
カーソルキーは単独であるか、シフトコントロール系を単打で別に欲しい。
薙刀式の編集モードは後者を備えている)

シフト、コントロール、Alt、Winは、
左右必要?一個でいい?

エンターは?いりそう。右小指中段、「;」をレイヤーに押し込んで、
そこをエンター単独にしている自作キーボードは多い。
右小指下段の「/」も同様で、このキー自体をなくしたり、右シフトにしたり。

「,」「.」もレイヤーに入れるという過激派もいる。
ライターにとっては必須だが、
プログラマにとっては不要で、彼らには;や改行がその代わりだ。


だいぶ減ったよね。
こうして、
自作キーボードはキーを減らす。

なぜか?
「手をその場から動かさない」ためである。

ブラインドタッチで、
一生キーボードを見ずに画面だけを見るためである。
109キーもブラインドタッチできないから、
30キーとか40キーとか50キーの範囲内に収めてしまうのだ。


僕の場合。
カナ配列薙刀式が、30キー+スペースキーを使う。
スペースキーはシフトを兼ねる(SandS)。
スペースキーは両親指を使いたいので、
左右分割キーボードの両方に置く。これで32。
レイヤーキーであるLowerとRaise、
BS兼コントロール、エンター兼シフト。

で、36キーのminiAxeにたどり着いた。

残りのキーは全部レイヤーに入っている。
レイヤーキーが2個あり、両方押しながらもあるので、
計4レイヤーあるので、34×4=136キー賄えるし。

実は32キーのTreadStone32に惹かれているのだが、
薙刀式を使うだけしか出来なくなるので、
購入に踏み切っていない。
(天キー2で触りまくって、かなりほしかったけど)



かくして、
自作キーボードのキー数は減って行く。

アルファベットは26文字だが、
QやCやXやVは、ローマ字にはマイナーだから、
レイヤーに収めてしまってもいいのでは?
そしたら20キーになるよね。
あと機能キーをちょっと足した、20数キーの自作キーボードもあるくらいだ。
そしたら二段になるから、
手指の運動のパターンを減らせるわけだ。


機能を増やすために、キーボードはキー数を増やしてきた。
負担を減らすために、自作キーボードは物理キーを減らして、
レイヤーに積んで行く。

広大な土地に複雑な街を作り、
土地がなくなったからマンションへになって上へ積む行為に似ている。



最小のキー数はいくつか分かってないし、
「やっぱ数字段いるわ」とキーを増やす人もいれば、
テンキーを別付けして使い分ける人もいる。
あるいは、ショートカットだけを集めた左手キーボードとする人もいる。

全ては試行錯誤だ。
人によってPCの用途や癖ややり方が違うのだ。
一つに収束するはずがない。


僕は台所に似ていると思っている。
道具の置く場所や並べ方は人によって違う。

キーボードは、キッチンと道具の全てを提供するべきであって、
レイアウトはその人に任せれば良いと思う。


その人にとってのベストレイアウトが、
エンドゲームと呼ばれるだけのことである。
奥さんや母親に聞けば分かるだろう。
まだ台所に不満があるはずだ。

エンドゲームはつまり、
「もっと工夫したい」という向上心の別名かもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 14:15| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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