何故qwertyはこの順なのか?を考えようとしたら、
何故ABCはこの順なのか?が気になり、
調べる羽目になった。
とりあえず、
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q149320034?ccode=ofv&pos=1
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1338195308
の回答が参考になる。
歴史的経緯は置いといたとしても、
「最初は整理された何かがあった(かもしれない)が、
必要に応じて複数の人が複数の考えで足していったため、
原型を留めなくなった」
というのが結論だろう。
簡単に言えば、
「整理されているのではない。
カオスとして発散しているだけだ」
ということであろうか。
整理とは、
ある一人の考えによって、
統一的な基準に基づいて並べられたもののはずだ。
それが複数の意思、複数の原理によって、
ナアナアの調整案件になったということだ。
素晴らしいはずの最初の設計が、
複数方面の意見調整をしなければならず、
実装段階になって「どうしてこんなものをそもそもやろうと思ったのか」
になってしまう現象に、とても似ている。
その最たるものはオリンピックであろう。
qwerty配列に関しては、
「最初はABC順もどきであったが、
必要に応じて、これまた複数の人が複数回に渡って、
並び替えた結果」であることが、
安岡さんの調査によってわかっている。
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/qwerty01
あたりが詳しいか。
元々のABC順がダメな集合知であった以上、
その産物であるqwertyもダメな集合知になっていったわけだ。
また、
タイプライター時代に、
現在のブラインドタッチの運指が想定されていたとは考えがたい。
人差し指中指がメインになるべきとか、
TYBは打ちづらいとか、
アルペジオがあった方がいいとか、
外→内のアルペジオの方が高速だとか、
同指連打はよくないとか(これはピアノの知見からわかってたかも)、
縦連はよくないとか、
跳躍はよくないとか、
親指との組み合わせはいいぞとか、
一番いいのは「一単語全部別の指」で、
時間差をつけて一気に押すロールオーバーがいいとか、
そういった、
今では知られているいくつかの法則を元に、
qwertyが決められたわけではない、
ということだ。
そもそも当時タイピストは身分の低い秘書の仕事であり、
使い捨てが前提だったと思う。
上級国民や一般国民が全員ブラインドタッチ必須などという未来は、
想定していなかったに違いない。
天下百年の計というが、
ショールズタイプライターにそれがあったとは思えない。
それはJISカナの元になったStickneyカナ配列でも同様で、
国民皆ブラインドタッチは、前提ではないだろう。
恐らくそれが日本語で始めて成立したのは、
ケータイのベル打ちでないだろうかね。
フリックはその進化系として、
今では日本人のスタンダードブラインドタッチなのではないだろうか。
(実際には予測候補などを見なくてはならないし、
チラチラキーを見ないと指位置のキャリブレーションが安定しないけど)
つまり、
qwertyの設計も、ABCの設計も、
まるで整理がなっていないわけだ。
僕は英語が母国語ではないのでこれ以上突っ込まないが、
このqwertyをローマ字入力としたやつには、
殺意さえ覚える。
勿論、天下百年の計を持って普及させたわけではなく、
デファクトスタンダードになっただけの話なのが、
輪をかけて阿呆みたいだと思う。
あの時親指シフトがJISになっていたら。
あの時TRONが潰されなかったら。
天下50年の計くらいには役に立っていただろうに。
僕はキーボードが嫌いだ。
こんなに無能な設計に自分の命を預けるのはまっぴらだ。
使わないに越したことはないが、
使わざるを得ない。
だから少しでも改良できればと思って、
ひたすら楽になることだけを考えている。
ABCもqwertyも話にならない。
薙刀式は、話になるようにしたい。
2019年06月09日
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