2019年06月20日

【薙刀式】物理配列は、アルペジオに影響を与える

僕はいま格子配列Ortholinearを使っているのだが、
久しぶりにデフォルトの、横にずれているRow staggeredに戻ると、
片手のアルペジオを中心に感覚が変わる、
ということに気づく。
(今までは手を反時計回りにすればOKと、雑に考えていた)


縦にずれているColumn staggeredが、
今の自作キーボードのスタンダードだけど、
僕はこの物理配列を採用しなかった。

長い中指薬指の列が上に上がり、
短い小指の列が1U近く下がっているのは、
片手アルペジオを考慮に入れなければ、
たとえば左右交互打鍵を考えるならば、
とても合理的な指遣いになると考えられる。

しかし物理的な配列を触ってみて、
薙刀式の「れつ」/Lのアルペジオがとても打ちにくいことに気づく。
(実際にはシフト【L】だがアルペジオの議論のため省略)
縦に2U近くずれてしまっているため、
小指下段→薬指中段が遠くなってしまっているのだ。

薙刀式はもともと伝統の配列で開発された。
それは「ふつうのキーボードでも使える」
を念頭に置いたもので、
特殊な物理配列は設計想定に入っていない。
Column staggeredはさして特殊だと思ってなかったが、
片手アルペジオに関しては特殊になってしまうのだなあ、
と、色々な自作キーボードを触って感じた。


しかし僕は左手を痛めたので、左右対称の物理配列が欲しい。
なので自作は格子配列を使うことにした。

左右対称によって、
左手の左ひねりがなくなり、
とても今は快適だ。
アルペジオも遠すぎず、まったく快適だと思っていた。


で、ようやく本題。

格子配列のアルペジオと、Row staggeredのアルペジオは、
やや違うことに、
(頭で考えればわかることだが、指の実感として)
気づいたのだ。

たとえば、「なくなる」だ。

薙刀式では、
MHMIの、非常に高速の運指である。
「なくなる」ぐらいの基礎的な語彙が、
このような片手アルペジオで一気に打てるのが薙刀式の魅力だけど、
MH、MIの運指が、二つの物理配列、
格子配列とRow staggeredで距離感が異なるわけだ。

MHは、前者だと45°の角度の√2U。
後者だとそれより左に1/2U遠くなってしまう。
MIは、前者だと横に一列ずれ、縦に2Uずれの、√5Uだが、
後者だと横に1/6Uずれで、だいぶ近くなってしまう。

つまり、「なくなる」は、
前者だと、
な く な る
と等間隔で打てる感覚だけど、
後者だと、
な  く  なる
と変拍子っぽくなってしまうのだ。

スペースの関係で一文字の空白でリズムを表現したけど、
実際には「なくなる」は、1秒に満たない時間で打ってしまう。
(僕はいま平均秒4.5打程度なので、
最高速はもっと速く、ほぼ最速でこれは打てる)


僕は脳内発声がないから、
音による影響を受けないと考えていたが、
手の方のリズムが変わることで、
脳が影響を受けることがわかった。

手書きで言えば、
画数が変わるみたいな感覚だ。



だからといって、
薙刀式はRow staggeredでも使いたいから、
格子配列で最適化改造をするつもりもない。
逆に、格子配列最適化の新しい配列を作るかもしれないが、
需要もないだろうから、
そんなに注力しないと思う。
格子配列上の薙刀式も気に入っているし。


当たり前だけど、
物理配列に論理配列の設計は影響を受けるんだなあ、
という発見でした。

左右交互打鍵なら問題ないけど、
片手アルペジオ重視だと、
まともに距離感が変わってきてしまう。


自作キーボードの出現によって、
Row staggeredを捨てる人々が増えてきた。
(主流派ではないだろうが)
アルペジオの感じ方も、変わってくるだろうね。

飛鳥とか仕込み倒しているだろうから、
その辺が全然感覚が変わるかもなあ。
posted by おおおかとしひこ at 11:10| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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