2019年06月25日

ストーリーには、みっつの要素が必要だ

今日後輩新人たちにストーリーとはなんぞやを教えていて、
うまく説明しようとして発見したこと。


ちょうど、三題噺をやってみよう、
というときの話。

4人に三題噺をやらせてみると、
ストーリーになっているパターンと、
なっていないパターンがあることに気づいた。

なっていないパターンを詳しくみると、
三題ABCのうちABを主要要素として使っていて、
Cは背景に出てくる適当な何かなどで使った程度で、
つまり、
「話の大きな要素が二つしかない」
ということに気づいた。

勿論、三題噺のルールとして、
ABCそれぞれを主要要素として使わなければならないわけでない。
しかし無意識に、
「AとBの話」にしてしまい、
ひとつはただ出してればOKのような逃げ方になっている、
というのが共通していたのが興味深かった。

全く別の主要要素でつくり、ABCは背景に書いてある絵、
などでもルール上OKだけど、
お題をクリアしなきゃ、という焦りが、
主要要素から考えてしまうことになったのだろう。

そこはどうでもいい。
問題は、
「主要要素が2だと、ストーリーにならない」
という部分だ。

主要要素だと、
前振り、展開、落ちの三要素において、
前振りと落ちしか出来ていないパターンになっていた。
つまり、始まって即落ちだった。

もう一つパターンがあって、
前振り、展開、落ち無しだった。
つまり、前振りは何にも使われず、即ち出落ちで、
展開も、何にも使われず出落ちであった。

前振りをあとで使ったパターンが落ちがあるパターンだったに過ぎないのだった。


主要要素が3になると、
AとBで挟まれた何か(ここではCとしよう)に、
話が一回ツイストして、
最初から想像されるゴールへ一本道にならず、
展開しているなあ、という感触になっていた。

これはちょっとした発見だな、
と思ったのでここにまとめた次第。


主要要素は、3にせよ。

たとえば恋愛物では三角関係はストーリーの基本だったりする。

2だと、はじまって即終わりになってしまい、
ストーリーが一直線すぎてツイストがない。
逆にいえば、
ツイストや展開というものは、
直線ABで引かれた線上にない点Cへの移動だ。


おそらくは、さらにこれを複雑化していけば、
長い話を書いていける。

直線ABを引き、
その直線上にない点Cを打ち、
そこへ展開して、
平面ABCの作る平面上にない点Dを打ち、
立体ABCDの作る空間上にない4次元点に点Eを打ち…
というようなイメージで、
どんどん違う要素を入れて、
そことの関係性を作っていくことが、
「話を展開させていく」ことなのではないか、
という仮説だ。


考えてみれば当たり前のことで、
新展開とはこれまでになかった要素が入ってくることだ。

逆から見れば、
話の展開とは、新しく投入する「異なる要素」の数で、
コントロールすることが可能ということだ。


抽象度が高い話で申し訳ないが、
覚えておくと何かの分析の役にたつだろう。
posted by おおおかとしひこ at 23:52| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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