2019年06月30日

人間が頭の中にあることを一気書きするのは、3000字限界説

僕が「7分半の悪魔」と呼ぶシークエンスが、
集中できる映画にはあることがある。
それが3000字の分量。


脚本のことを考えた時に、
初期の頃疑問に思ったのは、
三幕構成でもよくある、
「○分にこういうことがある」
というやつである。

なぜ人は「○分には○○というものだ」
というリズムを持っているのだろう?
そこにどんな法則性があるのだろう?

プロになった時、
「1分1枚になるフォーマットがある」
と知ってから、この疑問はさらに加速することになる。

400字×分数で、
人はなぜストーリーを把握するブロックが存在するのか?
という疑問に変わっていく。


一方毎日僕は、
キーボードと打鍵数と文字数と速度の関係について、
色々と考えている。

そこでわかってきたことは、
「さくっと書くと2000字」だということ。

薙刀式はそれを書くのにとりあえず適した配列だ。
(このブログの平均が大体1記事2000字)
僕はこれを15分から20分で書く。

伝統的に、人間の集中力は15分単位と言われていて、
それは脳の化学物質の消費などと関係していると考えられるわけだ。

で、大体15分で書ける量が、
人が一気に書ける量なんだな、
ということが、
経験的にわかってきた。
僕の薙刀式は1500字/10分程度なので、
15分あれば結論まで書けて、
あと見直しに5分、
みたいな段取りでやっている。


で、本題。

昨日執筆していて、
凄く集中したのだが、
30分で3000字(手書き)で、
パタリと途切れたんだよね。
もう疲れてしまって書けない。
物理的に手は行けても、
「脳の中に書くべきことが残っていない」
状態になったのだ。

それが大体3000字で、
僕が経験的に知っている、「7分間の悪魔」
の量と同じであるところに、
なにかの符合を感じたわけだ。


で、以下の仮説になる。

人が頭の中で広げる、
執筆のための風呂敷は、最大3000字。
それが一気書きの限界で、速くて20分で書ける。

これは非常な集中力を必要とする。
普通には出来ないから、
異常な集中力が高まった時だけ。
しかしそこが上手く噛み合うと、
とても集中した、流れるような7分半の原稿になる。


ほんとかどうかは知らないが、
なんだかわかってきた感じだけで仮説を出している。

7分半に渡るシーンは普通描かないから、
それはいくつかのシーンに割られるだろう。
だから、映画の中では、
シークエンス(複数のシーンで構成される、
一気に見られるひとかたまり)であることが多い。

「7分半の悪魔」も、
優れた映画に現れる、一続きのシークエンスを研究していて、
発見したことだ。


7分半が心地いいのは、
人間の集中力の単位、15分の半分で、
あとは集中しなくても観れるシーンで埋めれば良い、
などと「見る側」の視点から考えていた。

しかし「書く側」から考えると、
「一気書きの限界が3000字で、
それが上手く行った時に限り、
テンポがよく、一気につながった、
奇跡のような3000字」
が生まれるのではないか、
という仮説にたどり着く。



ほんとかどうかは分からない。
集中力が15分単位なのはどんな人でも同じだが、
出力することにおいては、個人差がありそうな気もする。

言えることは、
「1日7枚も書くのは、珍しい」
ということくらいか。

長いものは、複数の日に分けて書いていく。
1日15枚書くのは難しいだろう。
自分がどれだけ書けるのか、
書けない時はどれくらい書けないか、
把握しておくのは、
書くプロとして当然だろう。
スケジュールが立てられないからね。

西尾維新の1日2万字(作業時間8時間)は、
まだ信用していない。
集中力が浅い、ライトな原稿なら可能なのだろうか。

1日3時間から4時間が、原稿を書く限界だという説がある。
缶詰の経験がある人はわかるかと思うが、
8時間は相当ダラダラしないと続かないよね。

一気に吐き出したら、横になりまた湧いてくるまで待ち、
また吐き出し、のループをすることになるだろう。
「もう湧いてこないよ!」になったら1日が終わり。
西尾維新はそれを2万字やるという。
ほんまかいな。


作家は執筆よりも、
直したり考えたり調べる方が実時間がかかるもので、
小説家の毎日は、午前中書く、午後構想や調べ物、
などのようになっているそうだ。
(ある程度規則的にしておいたほうが、
ペースが一定になるらしい)

僕は脚本専業になったことはないから、
大体やりくりして書いてきた。


本題に戻ると、
脳の作業スペースは人によって異なるのだろうか。
仮説として3000字を提出しておく。
posted by おおおかとしひこ at 14:52| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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