チーク材の肌触りの滑らかさ(これに比べりゃプラスチックなんて鮫肌)
+オール15gバネ
+ Kailh Speed SilverとKailh Creamのミックス軸。
答えは変荷重ではなく変アクチュエーションだった。
目的は快速で楽出来ること。
浅すぎて不安定になった前回の反省をふまえ、
色々やって安定したので記録。
今回の大きな改造は二点。
木ーキャップの削り直しというキーキャップ部と、
変アクチュエーションオール15gのスイッチ部。
【キーキャップ部】
以前の木ーキャップを全部削りなおした。
(プロファイルは、上段は上り坂、中段下段はDSAの独自プロファイル。
ただし中指中段下段は深めのホーミングキーのようになっている)
目的は、各キーのアイソレーションを広めに確保すること。
アイソレーションなんていらんやろ、
撫で打ちするんだから、
などと昔は思っていたが、
撫で打ちをしようとすればするほど、
キーのアイソレーションは確保できていた方がよい、
ということがわかってきた。
指を寝かせれば寝かせるほど、
あるキーを押した時、他のキーに斜めの指が当たるのだ。
これまでは2mmのアクチュエーションポイントの、
いわば普通の軸を使っていたが、
浅い銀軸を使うと、
1mmのシビアなアクチュエーションに時々反応して、
誤打することがとても増えた。
じつは以前の軸でも1mmくらいは沈んでいたが、
スイッチが反応しなかっただけなのだろう。
キー同士のアイソレーションはずっと
「そのキーを正確に打つため」だと誤解していた。
「あるキーを打った時に、他のキーに指が触れないようにある」
のである。
毎回キーの真ん中を正確に打てるわけではない。
運指が乱れた時に端を打つときもある。
その時に一番「他のキーも引っ掛けてしまう」が起きる。
アイソレーションはそれを未然に防ぐ役目があるのだ。
意外と重要なのは四辺の削りではなく、
角の部分の削り。
トップ面を四角ではなく八角形にした方が、
角を低くできる。
角が高いと指を斜めに動かした時に当たってしまい、誤打の原因になる。
キーキャップは八角錐(の台形というのか?)なのだなあ、
ということを理解できた。
ちなみにキースイッチのテスター台(3Dプリント)を購入し、
「キーをスイッチに挿した状態で並べて、作業できる」
ようになったので、
各キーの削り精度を揃えられるようになった。
以前は手持ちの目合わせ
(ステムが必ずしも木材の中心取れているとは限らないので、
外側合わせだとスイッチに挿したときに並びがバラバラになる)
だったが、今回は中心合わせが出来るようになった。
削りの工程は、
金やすりで大きく削り、
ダイヤモンド粒子付きの小さい金やすりで細工し、
紙やすり#100でエッジを取って丸くし、
紙やすり#400で傷を無くし、
紙やすり#1000でツルツルに。
あとはくるみ油で被膜。
5種類のやすりでひたすらコツコツ。
ユニクロとかハンズの大きめのビニール袋を用意して、
その中で削り作業をすると粉対策に丁度いい。
ノコギリとか糸鋸は風呂場でやってた(粉対策)けど、
爪をヤスるような細かい作業なので、
机と椅子でやるのがおススメ。
【キースイッチ部】
色々な組み合わせを試した。
オール銀軸、オール15g:
人差し指と中指が敏感すぎて、
10回に一回は意図しないキーが入力される。
正確にキーの真ん中を打鍵すれば、
指が他のキーに触れにくいようなキーキャップの形にはなったものの、
実戦の入力では端を打ってしまったり、
その時に他の指が他のキーに触れてしまったりなどがあることがわかった。
(特に中指段超えのとき、薬指が付いてくるときに、
薬指が何かに触れてしまうなど、
意識の外の誤打が頻発)
なので、変荷重を試すことに。
× オール銀軸、変荷重(人差し指と中指20g、ほか15g):
人差し指と中指の誤打がまだ多い。
アクチュエーションが浅すぎて、
意図しない沈み込み程度で打鍵扱いされてしまう。
△ クリームスイッチ20g(人差し指と中指)、銀軸15g(薬指、小指):
変アクチュエーション、変荷重。
悪くない。
しかし人差し指伸ばしが銀軸の浅さでも良いかなあと。
△ クリームスイッチ20g(人差し指と中指)、銀軸15g(薬指、小指)、
銀軸20g(人差し指伸ばし):
強い指はより重く、ストロークも深め、
弱い指や伸ばし部分は軽く、ストローク浅め、
という構成に。
しかし20gが重く、しかも遠く感じたので、
思い切ってオール15gを試そうとした。
○ オール15g、ただしクリームスイッチ(人差し指と中指)、
銀軸(人差し指伸ばし、薬指、小指):
押下圧のファクターよりも、
アクチュエーションポイントまでの距離や、
フルストロークのほうが影響があるかもしれない。
少なくとも5gの差よりも、1mmの差の方が大きい。
押下圧が揃った方が、
「あとは深さが強さに比例」の関係が直感的にわかりやすかった。
ということで、
同じ押下圧のまま、
「外側の指は垂直運動距離を半分で良い」
という変アクチュエーションポイントのパターンになった。
これは自作キーボードならではのセッティングかもしれない。
(新リアフォのAPCではアクチュエーションポイント
までの距離の設定は出来ても、
底打ちまでのフルストロークは不変だろう。
物理的なスペーサーを列ごとに切って挟めばいけるか)
同じ15gとはいえ、
クリームスイッチの沈み込みは柔らかく底打ちを避け、
銀軸の沈み込みはストンと落ちるので、
銀軸の方が仕事量を使ってない感覚になる。
一方クリームスイッチは繊細な打鍵感覚が堪能出来るので、
アナログペンみたいな感覚が強くて好き。
薙刀式は人差し指と中指合計で全体の8割を使う。
「ほとんどは軽いアナログペン的感覚で、
弱い指はストンと落とせるタッチパネルレベル」
のような打鍵感感になった。
他の配列でここまで薬指小指を使わないのはないから、
物理キーボードのセッティングと、
論理配列の見事な融合の感覚になってきた。
これで今までの最高の気持ち良さを更新したかも。
「スラスラ書ける」が究極の目標で、
それには押下圧だ、と追い求めて15gまで来た。
ストロークや軸で押した感覚は変わる、
というエリアに入ってきたわけだ。
ちなみに最軽のバネは現在12gまであるけど、
この3gで変わるのかね。
「キーキャップの自重で沈む」
「指を置いただけで打鍵されてしまうので構えられない」
との闘いになって来たなあ…
(7/5追記)
その後、小指下段をクリームに変えた。
小指は短いので、中段を撫で打ちすると下段に触れ、
下段スイッチが沈むことがよくある。
この時に1mmだと反応してしまうので、
2mmの深いキーに戻した感じ。
また書き忘れたが、親指スペースキーは銀軸。
センターシフトとして使いやすい。
離しも楽になったし。
kailh speed silverのバネをmx supreme作動点15g、底打ち20gに換装すると、スイッチが少し沈み込んだままになりました。
おかしいなと思いキーキャップをはめてテスターに接続してみると、一度スイッチを押すと離したあとも導通し続けていました。
おおおかさんはkailh speed silverに15gのバネで運用できていたみたいですがスイッチになにか加工をされましたか?
スイッチ内部の銅の部分に当たっている軸のでっぱりを削ればいいだろうかと考えています。
僕はchoc用ののバネ15gを使っています。
むしろMXバネで15g出てるの知りませんでした。
長さや太さが違うので、
シルバー用の低いハウジングだとそうなるかもですね。
Kailhクリームスイッチに25gのchocバネを入れた時に、
長すぎてスイッチが入ったままになり、バネを切って20g相当くらいにした経験があります。
多分同じ原理だと思うので、バネを切って長さを短くするのはアリかも。
(20gバネを3/4にすれば15g相当に?)
手持ちの作動点25g底打ち35gのmxバネを頭の部分だけ切ってみましたが、スイッチが戻ってこなくなりました。
ありがとうございました。
>choc用
ちなみに遊舎工房で扱ってます。
(韓国からの輸入は2週間くらいかかった)
たとえばGateron Silent Redだと、
ボトムハウジングのバネ受けの部分が低く、
Kailhクリームだと高く、
同じバネを入れてもスイッチの微妙な物理で、
行けたり行けなかったりするようです。
MXクローンとはいえ、それぞれは違うようで。