2019年07月04日

状況は変わったが、焦点Xは生きているだろうか

これを登場人物も観客も確認できないと、
話がモヤモヤしてしまうのだ。


ある焦点Xを設定したとする。
「あれは果たしてこうなるのか?」の形式をしているだろう。
こうして何かを始めたはずだが、
状況が変わり、ターニングポイントなどを経て、
焦点Yになり、Zになり、…現在Σになっているとしよう。

その時にふと疑問に思わなくてはならない。
「あれ?Xってまだ生きてるんだっけ?」と。

Xがセンタークエスチョンのような大きなものであれば、
流石にそれが消えることはないはずで、
しかもそれが前提で皆動いているはずだから、
まさかXが消えたとは思わないだろう。

しかしずっと前の小さなXが、
行方不明になることが、とても多い。

「今度遊びに行こうね」の伏線がいつまで経っても回収されない、
男女関係のようだ。

そのXは生きてるのか、自然消滅したのか、
確認できないと、
イライラするのである。


作者が忘れているのは最悪で、
分かっているのに描けないのはもっと最悪だろう。

ある時「Xはどうなった?」と尋ねさせて見れば良い。
思い出したらなんらかのリアクションがあるはずで、
そこがまた一つのターニングポイントを形成するかもしれない。


もちろん、Xを一端意図的に忘れさせておいて、
伏線回収のタイミングで鮮やかに思い出させる、
というテクニックもある。

Xを意図的に隠し球にしているのか?
単に置いてけぼりになったのか?

とくに状況が変わった後、見失いやすいので注意。

それまでの原稿を読み返して、
忘れているXに赤線を引いておこう。
それらには、今後答えがまっていなければならない。
posted by おおおかとしひこ at 02:45| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。