2019年07月06日

【薙刀式】素人の指のままで

僕はタイピングが嫌いだ。
その為の特別な練習をしたくはない。
僕はタイピストになるわけでもないし、
楽器が弾けるようになりたいわけでもなく、
文章を書きたいのだ、

どんな人にとっても、
「義務教育を受けた程度の手の力」で打てることが、
配列(や物理キーボード)に課せられた使命だと思っている。
つまり、
タイピングを「特別な技能の習得」にするべきではない、
と考えるのが僕の立場だ。



勿論、配列の目的が「素人の指が文章を書く」だけではない。

「この技能をマスターすれば最速」
という配列だってあってもいい。

TWW配列という「タイプウェル最速」が目的の配列もあれば、
「単打をなるべく増やして全面的にカナを置く」
といういろは坂もある。
(かつて僕は109キーボードならカナ単打を109個置けるのでは?
などと妄想したことがある。
実質のブラインドタッチが無理だろうなと諦めた)

JISカナを打てるだけの恵まれた指の力がある人、
あるいは訓練によって4段技能を伸ばした人は、
4段系カナに行く傾向がある。

カナ配列はほとんどが3段に収めようとするけど、
4段をフルに使うのはいろは坂、蛇、龍ぐらいか。
新下駄は左手は4段、右手は3段の3段半。

すごいよなあ。僕は中指くらいしか安定して4段目は打てない。
薙刀式ではTY捨てて、PQは薬指なので、
4567や10はどう打っていいかいつも迷う。
ついでに「ー」は暗黒大陸だなあ。


僕は全ての人が4段カナ配列を使えるようになる、
とは考えていない。
出来る人がやれれば良いが、
世の中には足の速い人も遅い人もいると考える。

他にも小指外、;や@は頻度はごく下げるべきだと思う。
新JISの;に「な」とか、親指シフトの@に「、」はやりすぎだと思う。


僕自身は、
出来る人の為の速い道具を作るつもりはあんまりない。
自分が最速を目指しているわけではないからで、
それよりも世間のボトムを上げることに興味がある。

義務教育でみんな字が書けるようになるレベルで、
ふつうにタイピングが出来るような、
簡単で楽な配列がベストだと思う。

新JIS、月、親指シフト、あるいは行段系がその候補かも知れない。
薙刀式もその候補に悪くないと思っている。

この中で言えば、親指シフトと新JISは古い。
古いというか、改訂をしていない。

その後草の根で発見されたこと、
たとえば同指異鍵を避けようとか、
段越えを避けようとか、
片手のアルペジオの速さを利用しようとか、
1アクション1モーラが直感的だとか、
清濁半濁小書きが同置のやり方もあるとか、
指の単音頻度だけではなく、
連接を考慮して左右交互以外の連接を考えようとか、
単文節変換から連文節変換へ打鍵が移行していることとか、
80年代は800字/10分程度だったが、
現代は1500字/10分になっているとか、
(現代の数値は僕基準)
そうしたことが入っていない。

ということは、
実質、
カナは月配列、薙刀式、
ローマ字は行段系(SKY、けいならべ、カタナ式など)
あたりがおススメということになってしまう。
(蜂蜜小梅やTRONもいいかも知れないけど、
僕はまだ触ったことないので太鼓判を押せない。すいません)


前の記事にも書いたけど、
中指と薬指の分離が難しいことや、
人差し指や小指は器用だが短いことは、
訓練してない人の指だ。

もう少し特別な訓練をして、
「タイピング用の手」を作れるなら、
飛鳥や新下駄や月は結果を出している。
qwertyローマ字やJISカナも、結果を出している配列だ。
(親指シフトは現代に結果を出しているとは言えないと思う)

僕は清濁別置は「特別な訓練」が必要だと思う。
丸暗記は出来ても運指に落とすまでは、
義務教育よりも能力がいると考えている。
勿論タイピングが好きだったり才能があれば、
使いやすく速い配列はオススメだろう。


つまり配列は、
「誰にとって」が大きなファクターになる。
手の力は皆異なる。

薙刀式はその中でも、普通の人を対象にしている。

タイピング強者向けではないのは初期から書いてるし、
僕は中指薬指の分離のための特別な訓練をしていない。
小指でQPを打つ練習も一生したくない。
TYも56も打てなくていいや。

濁音も半濁音も小書きも同置で、しかも1アクション同時押しで出て、
拗音も外来音も、「使う文字2ないし3を同時押し」
という同置で、しかも1アクション。
なおかつアルペジオを考慮して特別優遇している言葉がある。
同時押しは相互シフトで、
「どっちかを押しながらもう一方を押せば良い」という楽さ。

タイピングの為の特別な訓練なしに、
記憶負担も最小限で、
使える配列を意識した。


やっぱり僕はタイピングが嫌いで、
文章を書くことは、
タイピングが好きな人だけが上手になればいい、
と考えているわけではない。

薙刀式は配列好きな人には注目されたかも知れないが、
そういった人はタイピング好きな人が多いから、
僕の手の力よりも全然ある人が多いだろう。

そうじゃない人にこそ普及したいが、
「結果を出さないと人は信用しない」
「結果を出すにはタイピング強者に立ち向かわないといけない」
という矛盾があり、
「タイピングの特別な練習をしないままSSになる」
というのが僕のつぎの課題になっている。

素人の指のままで打ちたいし、
楽になりたいし、
速くなりたい。


薙刀式はSSまではなんとかなることを、
自分の体で示したいと思う。

特別にタイピングゲームを打ち込むことではなく、
普通に文章を書くだけで速くなる配列でありたい。
posted by おおおかとしひこ at 11:48| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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