僕はタイピングが嫌いだ。
その為の特別な練習をしたくはない。
僕はタイピストになるわけでもないし、
楽器が弾けるようになりたいわけでもなく、
文章を書きたいのだ、
どんな人にとっても、
「義務教育を受けた程度の手の力」で打てることが、
配列(や物理キーボード)に課せられた使命だと思っている。
つまり、
タイピングを「特別な技能の習得」にするべきではない、
と考えるのが僕の立場だ。
勿論、配列の目的が「素人の指が文章を書く」だけではない。
「この技能をマスターすれば最速」
という配列だってあってもいい。
TWW配列という「タイプウェル最速」が目的の配列もあれば、
「単打をなるべく増やして全面的にカナを置く」
といういろは坂もある。
(かつて僕は109キーボードならカナ単打を109個置けるのでは?
などと妄想したことがある。
実質のブラインドタッチが無理だろうなと諦めた)
JISカナを打てるだけの恵まれた指の力がある人、
あるいは訓練によって4段技能を伸ばした人は、
4段系カナに行く傾向がある。
カナ配列はほとんどが3段に収めようとするけど、
4段をフルに使うのはいろは坂、蛇、龍ぐらいか。
新下駄は左手は4段、右手は3段の3段半。
すごいよなあ。僕は中指くらいしか安定して4段目は打てない。
薙刀式ではTY捨てて、PQは薬指なので、
4567や10はどう打っていいかいつも迷う。
ついでに「ー」は暗黒大陸だなあ。
僕は全ての人が4段カナ配列を使えるようになる、
とは考えていない。
出来る人がやれれば良いが、
世の中には足の速い人も遅い人もいると考える。
他にも小指外、;や@は頻度はごく下げるべきだと思う。
新JISの;に「な」とか、親指シフトの@に「、」はやりすぎだと思う。
僕自身は、
出来る人の為の速い道具を作るつもりはあんまりない。
自分が最速を目指しているわけではないからで、
それよりも世間のボトムを上げることに興味がある。
義務教育でみんな字が書けるようになるレベルで、
ふつうにタイピングが出来るような、
簡単で楽な配列がベストだと思う。
新JIS、月、親指シフト、あるいは行段系がその候補かも知れない。
薙刀式もその候補に悪くないと思っている。
この中で言えば、親指シフトと新JISは古い。
古いというか、改訂をしていない。
その後草の根で発見されたこと、
たとえば同指異鍵を避けようとか、
段越えを避けようとか、
片手のアルペジオの速さを利用しようとか、
1アクション1モーラが直感的だとか、
清濁半濁小書きが同置のやり方もあるとか、
指の単音頻度だけではなく、
連接を考慮して左右交互以外の連接を考えようとか、
単文節変換から連文節変換へ打鍵が移行していることとか、
80年代は800字/10分程度だったが、
現代は1500字/10分になっているとか、
(現代の数値は僕基準)
そうしたことが入っていない。
ということは、
実質、
カナは月配列、薙刀式、
ローマ字は行段系(SKY、けいならべ、カタナ式など)
あたりがおススメということになってしまう。
(蜂蜜小梅やTRONもいいかも知れないけど、
僕はまだ触ったことないので太鼓判を押せない。すいません)
前の記事にも書いたけど、
中指と薬指の分離が難しいことや、
人差し指や小指は器用だが短いことは、
訓練してない人の指だ。
もう少し特別な訓練をして、
「タイピング用の手」を作れるなら、
飛鳥や新下駄や月は結果を出している。
qwertyローマ字やJISカナも、結果を出している配列だ。
(親指シフトは現代に結果を出しているとは言えないと思う)
僕は清濁別置は「特別な訓練」が必要だと思う。
丸暗記は出来ても運指に落とすまでは、
義務教育よりも能力がいると考えている。
勿論タイピングが好きだったり才能があれば、
使いやすく速い配列はオススメだろう。
つまり配列は、
「誰にとって」が大きなファクターになる。
手の力は皆異なる。
薙刀式はその中でも、普通の人を対象にしている。
タイピング強者向けではないのは初期から書いてるし、
僕は中指薬指の分離のための特別な訓練をしていない。
小指でQPを打つ練習も一生したくない。
TYも56も打てなくていいや。
濁音も半濁音も小書きも同置で、しかも1アクション同時押しで出て、
拗音も外来音も、「使う文字2ないし3を同時押し」
という同置で、しかも1アクション。
なおかつアルペジオを考慮して特別優遇している言葉がある。
同時押しは相互シフトで、
「どっちかを押しながらもう一方を押せば良い」という楽さ。
タイピングの為の特別な訓練なしに、
記憶負担も最小限で、
使える配列を意識した。
やっぱり僕はタイピングが嫌いで、
文章を書くことは、
タイピングが好きな人だけが上手になればいい、
と考えているわけではない。
薙刀式は配列好きな人には注目されたかも知れないが、
そういった人はタイピング好きな人が多いから、
僕の手の力よりも全然ある人が多いだろう。
そうじゃない人にこそ普及したいが、
「結果を出さないと人は信用しない」
「結果を出すにはタイピング強者に立ち向かわないといけない」
という矛盾があり、
「タイピングの特別な練習をしないままSSになる」
というのが僕のつぎの課題になっている。
素人の指のままで打ちたいし、
楽になりたいし、
速くなりたい。
薙刀式はSSまではなんとかなることを、
自分の体で示したいと思う。
特別にタイピングゲームを打ち込むことではなく、
普通に文章を書くだけで速くなる配列でありたい。
2019年07月06日
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