2019年07月13日

【薙刀式】長文と短文で、打鍵法は違う

最近気づいたのだが、
タイプウェルを打つときのスプリントの打ち方と、
長文を打つときの打鍵法が随分違うことだ。
キースイッチを何度も調整しているのは、
両方に対応出来るといいなあと考えているからだ。


僕だけかも知れないが、
やっぱりタイプウェルを打つときは、
底打ちを力強くやってしまいがち。

打つというより叩くくらいの感じになる。
メカニカルスイッチの、
底打ちストロークの半分でオンを検知することを、
殆ど使わなくなって、
「確実にミスしない打ち方」を優先してしまう。

あと、呼吸を殆どしない。
100メートル走では呼吸をしないらしいが、
それに近い。
だから新記録出すとハアハア言う。

物凄く指に神経が行く。
10本の指、32キーの全てに神経が通い、
運指の組み立てを先行してしながら、
組み立てた運動を一気に吐き出す感じ。
(慣用句が難しいのは言葉が長く、
一気の組み立てが文節単位になりがちだから)


一方、長文は半ばで次のキーへ行く、
キースイッチの設計通りの撫で打ちになる。
垂直の運動より水平の運動の方が10倍くらい大きい感覚。
(スプリントの時は垂直と水平が同じくらい)

呼吸は普通にしている。
吐くときに打つとか吸うときに打鍵準備するとか、
ありそうだけど無意識なので意識してない。

運指組み立て→吐き出しなどやらない。
無意識に打っていくだけだ。
ていうか、書く文章の内容に100%意識を使っていて、
指はそれに合わせて無意識に動くのみ。
「こう書こう」という内容が100で、
「こう指を動かそう」は0だ。

これは、タイプウェルがコピー打鍵で、
長文が創作打鍵であることと関係するかも知れない。

短文の創作打鍵(俳句とか?)は、後者のものになるし、
長文のコピー打鍵も、前者と後者の半々くらいになる予想がつく。

タイムを計られているか、内容を精査されるか、
ということと関係しているかも知れない。



「速さ」というときに、
何を指すか、どうやって計測するかは難しい。

タイプウェルは一つの指標に過ぎず、
その配列のほんとうの速さを示しているかは分からない。
(比例してない。相関はある、くらい。
人によってパラメータも異なるし)

タイプウェルの打ち方が、
本来の用途である長文の打ち方と違う以上、
そのタイムに意味があるかもわからない。

タイプウェルで計測できるのは、
その配列でその人がスプリントで打ったときのタイムだ。
もっとも、長文用の打ち方で計測すればいいのだが、
そこは意識の切り替えが難しいところだなあ。
(小説の初見コピー打鍵タイムを計測すれば、
まだ目的に近いだろうか?)

「指がもつれず、思うようにスラスラ書けること」
が主観的な速さだと思う。
その思ったことを同時に複数の配列で書けないから、
客観的比較は出来ないのが難しい。


高速打鍵、超高速打鍵などとタイパーが言うとき、
たとえば秒10打とかそういう世界のことを言っている。
それが速さだとしたら、
僕の求めている速さではないような気がする。
そのペースなら一時間で36000字書ける計算になるが、
人が一日かけて書ける量はやっと2万字が限界だ。



一方、楽さという指標もある。

打鍵数が減ることや、
良運指が増えることや、
悪運指が減ることは、
客観的に楽さを上げることになる。

あるいは、1モーラを1アクションで打てることは、
主観的なブレーキがなく気持ちいい。

清濁同置も楽さの指標かも知れない。
清音と濁音で運指を変えなくていいのは楽だ。
連濁で運指が変わらないのは楽だ。

薙刀式では、半濁音も小書きも、拗音も外来音も同置なので、
運指は楽だ。
「同じところに同じ音がいて、
打ち方(何かと同時押し)で変形する」
という意識で良いので、
意識の負担が小さいと思う。

もちろん清濁別置系も、
慣れれば同じ境地に行くかも知れない。
しかし僕は結局それをマスターしきれなかったので、
「慣れれば同じだよ」と、
実感を持って保証できないのが議論の片手落ち。
(慣れるまでに支払うコストは全然違うことしか分からない)

打鍵範囲も小さい方が楽だと思う。
僕は指が短いし小指も弱いから、
4段目や小指伸ばしがある配列は非常に疲れる。

こないだ久し振りにカタナ式を打って思ったが、
左小指薬指、右小指を使わないから、
手がすごい楽だった。
ただ打鍵数がローマ字だから、
打鍵数の多さに疲れた。
薙刀式ならもっと楽してアルペジオで打てるのに、
ってポイントがいくつもあった。

同時打鍵の方が僕には逐次打鍵より楽で、
だから月系の前置シフトは僕にとって楽ではない。
単打でたくさん打ちたいし、
しかし範囲は狭い方がいいという矛盾はある。


つまり楽さというのは、
人によってバランスが異なる可能性が高い。


楽だから速くなるのかというと、
長文に関してはそうだろう。

短文のコピー打鍵でタイム計測すると、
それ用の配列の方が好タイムが出るかも知れない。
たとえば、
小指や薬指をフルに使ってアルペジオ領域を伸ばし、
スピードは出るけど指に負担がかかるような配列は、
作れるかも知れない。

qwertyのA位置(出現率12%)は、これに該当すると思う。
僕には長文でA左小指は辛過ぎる。
短文スプリント前提ならば、
他の指と被らない左小指はロールオーバー形成しやすい。

しかし世の中の人でqwertyで左小指を痛める人が、
大量にいないのは、
僕より指が強い人がいる証拠で、
僕の楽さとその人の楽さは異なるということだ。



僕にとっては、
qwertyは苦痛で遅い。
カタナ式は楽でまあ速い。
薙刀式はカタナ式より楽ではないがもっと速く、
快適の範囲内で最速。
新下駄や飛鳥は、僕の手に余った。
親指シフトは、薬指小指が苦痛。
下駄配列は、一部の運指が苦痛だった。

しかしタイプウェルにおいては、
僕が困難な新下駄で、僕の快適な薙刀式より速い人は沢山いる。
新下駄が速いのか薙刀式が遅いのか、
その人が才能があって僕が才能がないのか、
分からないところだ。

複合的な要因を、タイムというスカラー値で見ると、
見逃すことになるのは確実だ。


僕個人は、
長文においては、
薙刀式でqwertyの3倍の速度になり、
タイプウェルでは、
薙刀式でqwertyの1.5倍の速度になった。
体感的には5倍以上楽になっている。

個人を固定して配列を変えるとこんな感じだから、
ほんとうはこれが指標になると思う。
ただみんなそこまで記録を取ってないんだよね。

親指シフトは楽に速くなるそうだ。
その効果は、少なくとも僕にとっては、
薙刀式の方が効果が大きかった。


誰にとっても、どんな場合でも、
楽になり速くなる、
優れた配列はあるだろうか?

そう問えば、人や場合による、と答えられるかもなあ。
posted by おおおかとしひこ at 09:57| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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