2019年07月22日

【配列】配列の優劣できまらない、という暴論

これだけ配列のことを考えておきながら、
たまに逆のことを考えてみる。

「トップスピードは、配列によるのではなく、
その人の上限で決まる」という俗説の存在だ。


つまり、ある程度習熟すれば、
どんな配列でも似たような速度に収束する、
という仮説である。

qwertyとカナ配列が、
大体同じ速度になってくる、
という現象から、言われていることだ。
個人内ではどちらかに偏るかもしれない。
それはたまたま相性だったと考えられている。


そんなことない、
自分は何かの配列でもとのqwertyを追い越した、
って人も多いだろうけど、
それはqwertyの練習を止めたから成長が止まっただけで、
十分な練習を積めば、今の配列の速度に(おおむね)追い付くだろう、
と予想されている。

ということは、
結局、「どの配列を練習するのが自分に合っているのか」ということが、
効率を決めることになってくるのではないだろうか。

しかし人生と同じで、結果論でしかこれはわからない。
「自分にあっている配列だったから、この結果を出せた」
ことしか断言できないことになる。


モルモットを使って、
様々な人に様々な配列をやらせて実験することも出来るだろうが、
現実的ではない以上、
僕らみたいな有志が体を張って体験するしかない。

で、僕が経験した中で言えるのは、
「ひとつを気にいってずっとやっていると、
タイピング能力全般が上がる」ということと、
「二つ以上学ぶと、『配列をマスターする能力』が上がる」ということ。


前者に関しては、
カナ配列をずっとやっていて、
たまにqwertyに戻ると実感することが出来る。
なぜか指の動きが前よりよくなっている。
クロストレーニング効果なのだろう。

後者は僕の経験でいうと、
どんどんマスターする期間が短くなっている。
飛鳥、下駄、新下駄、親指シフト、新JIS、
とやってきたが、
新JISは一日でほぼ打てるようになってしまった。
もちろん配列自体の難易度もあるから一概には言えないが、
カナの性格(頻度や連接など)が、頭に入っている、
ということがあるかもしれない。
あるいは、指の能力自体が、
初期にくらべて上がっているという、
クロストレーニング効果も加味されるだろう。


ということで、
実際には、好きなやつを何個かやってみたらええんやで、
というわりと適当な結論になりそうだ。

二個も三個もマスターできない、
というのは先入観に過ぎない。

前のを忘れてしまわないか、
という危惧はわかる。
忘れても、またもどってきたら、大体思い出すよ、
ということも僕は経験している。

ただし、「常用するのはひとつだけ」。
最高速をだせるようになるのはメインのひとつで、
あとはドングリのせいくらべになると思われる。

僕の経験でいうと、
以前親指シフトをやってよくないと思って凍結していて、
新JISを始めて、そこそこ打てるようになってきて、
また親指シフトを再開したら、
だいたい一日で打てるようになった、
ということは記録しておこう。

もっとも、両者ともメインの薙刀式にくらべれば、
話にならない速度ではあるが、
「出来る」というレベルだったら、ぜんぜん可能だ。

ただし速度が上がってきたら、メインの薙刀式を喰うかもしれない。

同速度帯のは混乱して、違う速度帯なら混ざることはない、
という仮説もあり、僕はそれを信じている。



結局、複数の配列を使ったとき、
最速になるのに効率がよく、抵抗がない配列が、
その人にあった配列だと、結果的に言えるのだと思う。

どうしたらそれを見極められるのか、
ということが次に疑問に思うことだけど、
自分がどういう人間なのか、
先に分ればわかるかもしれない。
実際にはやりながら、こういう要素があるのか、
ということを自分で実感していくしかない。
自分を発見しながらやっていくしかない。

たとえば人差し指中指のアルペジオが好きなのか、
中指人差し指のアルペジオが好きなのか、
薬指はどれくらい嫌うかとか、
親指との同期は得意かとか、
同時押しの精度とか。

ということで、経験者は「自分が何者か」言えるようになるが、
未経験者は言えない、という段階で、
事前にわかる方法はない、だと思う。

頂上はその人にとって決まっている。
しかしルートにいくつかの楽さ、効率がある。
それは同時にやってみることで比較できる。

僕はカナ配列なんて覚えられるはずがない、
なんて二年前は思っていた。
いまいくつ覚えたというのだ。
飛鳥や新下駄はもうほとんど忘れてしまったけど、
新JISと親指シフトは打てる。
しかもまた飛鳥や新下駄は触れば思い出す自信はある。
可能だ、ってことだけ書いておく。


親指シフトの合理性に疑問をいだき、
他の配列を始めようとする人は、
「もう一回覚えなおすのか」
ということに躊躇する人が多いと思う。
でも意外とできます。
そして無駄になることはなくて、
元の配列にもどってきても運指がよくなっているから、
クロストレーニング効果を実感するために、
他の配列をやったっていいと思う。
5個くらいやってみたら、
自分に合う配列があるかもしれない。
気長にやれば、わりと当たりを引きやすいのではないだろうか。

所詮は指の動かし方だけだから、
ダンスを複数覚えることと同じだ。
タンゴしか踊れないやつより、
ジャズやアニメーションダンスが多少なりとも踊れるほうが、
全体的な上達も早いのではないだろうか。


ついでにいうと、
配列の効果と同等に物理キーボードの効果は強くて、
配列検討と同様に、キーボードは複数渡り歩くことになるだろう。
(自作キーボードにたどりつくと、調整が沼だけど、
きめ細かくできるのでお勧めだ)


あとは、配列自体に出来不出来があるのではないか、
という不安はあるかもしれない。
沢山の情報があるものは概ね評判がいいかもだが、
それがあなたと合う保証はない。
聞いたこともない配列は大丈夫だろうか、
などの不安もあるだろうけど、
触ってみたら合うかもしれない。

成功や失敗をすれば、「自分に合う配列」が分かってくるので、
「唯一最初にマスターする配列を一生使う」の縛りさえ外せば、
自由になれる。
そこまでモチベーションがない人は、
無難なやつを一つやってみるといいよ。
posted by おおおかとしひこ at 09:24| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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