2019年07月24日

【配列】ローマ字配列図の見方

ローマ字配列編です。


ローマ字配列は、カナ配列に比べれば配列図が見やすい。

要素がカナの半分以下であることと、
どう並び替えてもqwertyとの差分で理解できるから、
だと思われる。

とはいえ、以下のようなことに気をつけて見ていくと、
分解しやすいかも知れない。

1. 母音と子音がどう置いてあるか
2. 範囲
3. ホーム段になにがあるか
4. 濁音の打ち方、半濁音の打ち方
5. Y、X(またはL)の位置
6. 影響を受けている配列
7. 句読点、長音、っ、ん
8. 機能キー
9. 英語やショートカットは?


ではひとつずつ解説を。


1. 母音と子音がどう置いてあるか

ローマ字は母音と子音の組み合わせで綴られるから、
それらをどう区分けしているかが、
ローマ字配列の背骨になる。

左右分離すれば、
殆どの音が左右交互打鍵になって打ちやすいはずだ。

左子音右母音(多くの行段系)、
左母音右子音(Dvorakに影響を受けたもの)
のどっちかは、好みがあると思う。

歴史的には、
英語を打つ為のDvorak配列が、
英語では子音が多い為右手に子音を集め、
英語ではあまり使わない五母音を左手中段に集めたものを、
そのまま行段系ローマ字配列として使い始めたのが、
先だった。

しかし右利きだと、
左→右のほうが、右→左より速いため、
左子音の方が合理的だと思われる。

気になるんだったら左右鏡像反転する手もあるので、
左右はクリティカルな部分ではない。

左右分離しないローマ字配列はほとんどない。
しかし機械的な左右交互打鍵よりも、
片手でアルペジオした方が速いので、
左右分離しないよく練られたローマ字配列の方がいいかも知れない。


さて、母音と子音について見方を。

母音はAが最も使い、Eを最も使わない。
また二重母音は、AI、OUを使い、次点でEI。
これらの頻度や連接を考慮しているかをチェック。

僕はqwertyのAが小指にあるのが耐えられなかったので、
qwertyと共通だからとAを左小指に置くのは、
配列を変える意味あるのかと思ってしまう。

子音については、
TSKが最も使われるので、
この辺が強い指に当てられているかを見ると良い。

またNは「ん」キーがあると頻度がガクンと落ちる。
「ん」キーがないとTSKに匹敵するほど使われる。


2. 範囲

左右分離した場合、母音側の手は5音しか使わないので、
10キー余る。
ここに「母音+ん」(撥音拡張)や
「濁音母音」を置いて濁音子音を省略する、
などの工夫をしている場合もある。

また、二段に収める(phoenix)や、
一段に収める(つばめ、ひばり)などの工夫もあったりする。

三段あると段越えが発生するが、
二段または一段だとそれがないため、運指のスムーズさが保たれる。

またカタナ式のように、「左小指薬指、右小指不使用」と、
横の範囲を狭めている配列もある。


3. ホーム段になにがあるか

最も使う音をホーム段に並べるべきだが、
そこから指が展開しやすいかとかの、
他との関係も見ておくと良い。


4. 濁音の打ち方、半濁音の打ち方

清音と関係した場所に置くのが常套だが、
完全に規則的に置くと打ちづらい運指が発生する。
そこをどう並べるかが配列の個性。
また外来音用に、
F、V、TY(TH)、DY(DH)、TW、DWあたりをどこに置くかも難しい。


5. Y、X(またはL)の位置

Yはヤ行子音だけでなく、
豊富な拗音を作る、子音と母音の繋ぎ文字だ。
これはその配列の決定的要素になる。

また、ヤユヨを別キーに置き、
8母音と考える配列もある。

ちなみに日本語で最もよく現れる二文字連接は、「ょう」だ。
YOUをどう打つのかはチェックだ。


小書きは、拗音や外来音をどう打つのが速いか、
ということと関係する。
他の子音を邪魔しない位置に置くと打ちづらいし、
打ちやすい位置に持ってくると他が打ちづらくなるし、
とわりと厄介な部分だ。
ここをどう処理しているかもみどころ。


6. 影響を受けている配列

何かの要素が似通っている場合がある。
その配列との差分で理解が深まるかもだ。


7. 句読点、長音、っ、ん

これも運指を考えておかれているかに注意。
全て母音の後にしか来ないことにも注意せよ。


8. 機能キー

BSやカーソルやエンターなどなど。
カタナ式はそれらを中央に集めた、特異なシステムだと思う。
(いや最初からそうするべきだというのが僕の主張だが)


9. 英語やショートカットは?

ローマ字配列を使う利点として、
「英語と配列を共用できる」がある。

しかし実際のところ、
ローマ字と英語は音の組み合わせが全く違うので、
同じ配列を使うとしても、
全く違う配列を使うぐらい運指が違う。
(ブラインドタッチとは配列表の暗記ではなく、
各単語や連接の指遣いを無意識に叩き込むこと。
その体系が言語によって大きく違うので、
共用は出来ない、と断言して良い)

なので、
「日本語を打つとき(IMEオン)はローマ字配列、
英語を打つとき(IMEオフ)はqwerty(やDvorakなど英語配列)」
のように使い分ける人もいるくらいだ。
(だったらカナ配列、という結論に…?)

また、多くのショートカットはqwerty配列を前提に組み立てられている。
コントロールZXCVは、頭文字を取ったというより、
「左下の4つ」だから、
これらが移動しているとややこしくなる。
「コントロールやAltを押した時のみqwerty配列に戻る」
という設定がDvorakJにあるので利用されたい。

Eucalyn配列、colemak配列などは、
ZXCVの左下はまんまで(どうせローマ字にはほとんど使わないし)、
ショートカットに配慮している。



実装は、WindowsならDvorakJかかえうち、やまぶきRあたり。
MacならKarabinerで出来るはず。


カナ配列に比べれば、
ローマ字配列のほうがとっつきやすいし、
比較する部分も分かりやすい。

また左右分離系なら、別々の配列から合成することも出来る。

カナ配列より作るのが簡単なため、
バリエーションが多いのもローマ字配列の特徴。
気になる部分を改良もしやすい。


また、カナ配列に比べて運指の組み合わせが少なく、
カナ配列ほど同時押しや複雑な入力機構がいらないため、
ロールオーバーを無限に詰められることで、
打鍵数に目を瞑れば理論上最速の噂もある。
配列を使う目的を明確にされたい。

参考までに。
posted by おおおかとしひこ at 09:07| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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