タイトルに最も重要なことはなんだろう?
シンキングタイム。
僕は、期待感だと思う。
期待感のないタイトルはクソだ。
「ホームカミング」も「ファーフロムホーム」も、
何も期待できない。
「エンドゲーム」は「完結編」を期待できるいいタイトルだ。
「インフィニティウォー」は普通。
ちなみに原題は「インフィニティウォー1、2」なので、
僕は邦題の「エンドゲーム」は優れていると考える。
何も知らない人が、最初に触れるのがタイトルだ。
これで期待しなかったら、切り捨てるのが現代情報社会というものだ。
作者名や賞歴なんて附帯情報だ。
最悪なしで伝播する。
タイトル一本で世の中に何を期待させるか?
ノー情報のファーストコンタクトの、
たった数語や一行で。
まずはこれだけを考えるべきだと思う。
勿論キャッチーな言葉である必要がある。
どんなことを期待させるかで、
ジャンルが決まるだろう。
特殊なシチュエーションのコメディか、
ワクワクする冒険ものか、
怖そうなやつか、
あっと驚く謎解きか、
壮大ななにかか。
そのジャンルを想像できることと、
先読みさせ切らないこと。
両輪が必要だ。
想像できないと不安だし、
全部見えてしまっても期待なんてできない。
期待は上手に煽らなければならない。
言葉はそれだけではない。
温度感も伝えることができる。
クールなのか熱いのか、
愉快なのか悲しいのか、
繊細なのか爽快なのか、
言葉遣いひとつで変えられる。
それだけで、期待感の色を変えることが可能だ。
つまりあなたがそれだけの表現力がないならば、
タイトルなんてつける資格がないのだ。
そしてさらにタイトルにはテーマが暗示されるのが理想だ。
前記事では「スパイダーマン: ホームカミング」の邦題を、
「スパイダーマン: ラストダンスは禿鷲と」
などと付け直してみた。
言うまでもなく、
ヒロインとの恋とヒーローとしての戦いと、
ふたつの間で揺れ動くティーンエイジャーピーターの心の内と、
彼の決断(これこそがこの作品のテーマ)を、
暗示している。
この映画で最も力強いセリフは、"I'm Sorry."だからね。
どんな期待をさせるのか。
その期待にどう応えるのか。
その期待をどういい意味で裏切り、しかも満足させるのか。
そして「答えは最初に書いてある」とどう唸らせるのか。
はったりで期待外れにさせない、
裏切らないタイトル。
もちろん内容が最高じゃないと、タイトルも最高になれない。
タイトルに相応しい内容、
内容に相応しいタイトル。
どっちもできて、はじめて名タイトルだ。
2019年07月24日
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