2019年07月26日

【配列】Dvorakローマ字の呪い

Dvorak配列は英語に便利らしい
→左子音、右母音だからローマ字にも良いのでは?
→子音と母音を左右分離した、
行段系ローマ字配列バリエーション!

というのがローマ字系配列の流れだけど、
左右非分離のローマ字配列って、
あまり研究されてないよね。


なんとなく直感では、
左右分離型が合理的で、整理整頓されているような感覚がある。

qwertyはそのへんを考えられていない、
原始的で粗野な配列であると。

だけど結局達人にかかっては、
左右分離ローマ字はqwertyの足元にも及んでない。
これはどうしたことか。


左右交互打鍵よりも、片手アルペジオの方が速いからだ、
と僕は考えている。
qwertyは母音や子音が左右に散っていることで、
(偶然)アルペジオが沢山あるのだと考えられる。

達人は指の最適化をして、
同指異鍵を極限まで減らしているから、
つまりそれって異指で順番にキーを渡り歩くわけで、
アルペジオで左右の手を繋げて使うということになる。

手だけ見れば薙刀式に近いのかも知れない。
しかも要素が少ないから、
同じ時間かければ、練度が濃いわけだ。

カナ配列は、「どのカナも接続する」という特徴があり、
カナとカナの連接全てに練習が必要だが、
ローマ字は子音と子音は接続しないため、
組み合わせが莫大に少ないと思われる。

つまり練度が濃くなるというわけだ。


僕は1アクション1カナのほうが、
頭から出てくる概念を捉えやすいと考えたが、
僕よりも指が動く人ならば、
異指異鍵を滑らかに繋げられるのならば、
左右非分離ローマ字は、
もっとも速いかも知れない。


僕自体は競技タイピングには興味がないから、
速さの追求はタイプウェルSS程度まででいいと考えている。
その上、Xの上の方やZレベルでは、
そうしたことが関係してくるのだろう。

ローマ字のいいところは同時打鍵が存在せず、
ロールオーバーでいくらでも間を詰めて行けることだ。

かつてのキーボードは2キーロールオーバーが標準だったという。
今の(高級)キーボードはNキーロールオーバーなので、
指と意識さえ持てば、
同指同鍵と同指異鍵がない限り、無限にロールオーバー出来る、
ということになる。

ローマ字的には促音が同指同鍵だが、
カタナ式のように促音を連続子音で定義したり、
「っ」キーを作れば回避できるわけだし。

「嗚呼」「言い」、「覆う」「多い」の「おお」など、
母音連続が残るが、
これすら「母音連続キー」(ゝ)を定義すれば良いはず。


…というところまで考えられた、
左右非分離ローマ字配列は、
今のところ存在しない?
僕が調べてないだけ?

すっかりカナ配列ばかりやってるので、
どこかで誕生しているかも知れない。



速度だけが配列の目的ではない。

タイパーの追求するトップスピードが、
実用を遠く離れていることも、
タイピングのひずみではあると思う。
(本当に実用的に速いのはステノワード。
しかし一時間しか集中力が持たないそうだ。
交代制でやるらしい)

「効率」といったとき、
速度以外のファクターもあるわけで、
「頭の中から出てきた文章を、
もっとも直感的に指を動かせる」のが、
最も効率が良い配列で、
その感覚は個人差が大きい、ということかも知れない。


脳内発声があったりなかったり、
1アクションで打ちたい人とそうでもない人、
指の能力の個人差、
打鍵数が少ないほうがいい人とアクションが少ないほうがいい人、
言葉のセンスと配列の並びと指の使用度、
などで、
「その人にとっての効率」は違うと思う。

(その日の体調や気分、書く文章も、
毎度毎度違うわけで。あと負傷度合いも)


トップタイパーの秘密は、
同指同鍵の極限の少なさにより、
アルペジオの最大化、ロールオーバーの最詰め化であるわけだ。
あとは指の範囲の問題で、qwertyかJISカナというわけだろう。

単打の方がシフトより速く、
シフトは前後と被らないように打たないと行けない
(=ロールオーバー出来ない)ため、
2キー分の時間がかかる。
2という数字は努力で詰めていけるが、
1にはならない。シフトの原理上の問題だ。


Dvorakが提出した左右交互打鍵は、
直感的でわかりやすく、そこが利点だ。
「分かりにくくてもいいから最速」が、
実はqwertyだったのかも知れない。

もっとも、これを脅かすような、
左右非分離型ローマ字配列を作ることは出来る。
たとえば日本語の連接をさらに考えた配列
(最頻出の「ょう」はqwertyより速く打てる配置は可能)にしたり、
頻出のAを人差し指で打てるようにしたりすればいいわけだ。


そこまでしてローマ字を打ちたいか、
という問題はあって、
カナが出来るならカナの方が楽なのになあ、
と僕は思ってしまう。

僕は自分の考えをずるずると吐き出していくのは、
手書き>薙刀式>フリック、カタナ式> qwertyローマ字(サイトメソッド)
の序列があり、
速度、頭の効率、指の効率、持続時間全てが、
この順だ。

手書きは別に清書が必要で効率の面では劣るが、
質や持続時間は薙刀式で書いたものより上だと思う。

手書きなら1時間以上休みなく書くのは余裕だが、
薙刀式は30分から60分が限界かな。
qwertyは15分から30分くらい。

それだけタイピングは僕にとって劣った手段なので、
改良の余地はないのかと考えているわけだ。

で、他の人が改良したアイデアを試しては、
自分の欲しいものに足りてないのか、
自分の修練が足りてないのかを、体で試している感じ。


指が滑らかに高速に動く人にとっては、
左右非分離ローマ字が最速で合理的かも知れない。
qwertyの牙城を崩すのはそれしかないとは思うが、
その為だけにモチベがある人もいないかもなあ…。
posted by おおおかとしひこ at 09:06| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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