2019年08月08日

緩でやるべきこと

緩急を書くことは脚本の基本だ。
急の方が簡単で、緩の方が難しい。


何故なら、
急の場面は、緊急事態の度合いが高すぎて、
「とりあえず目の前のそれを処理することで精一杯になり、
その他のことを後回しにする」
傾向があるからだ。

とにかく展開が速く、
「それはいいから!」という場面の連続なのが、
急の魅力だ。
そしてなんでもすっ飛ばすことが出来るので、
書くこと自体は簡単なのだ。


なので、
結局緩の場面でやるべきことは、
「後回しにしたことの整理」である。

掃除をしなければならないから難しい。
それがきちんとなされていないと、
解消されていない伏線になってしまうというわけ。

勿論、
「実はあのときのあれはこうだったのだ」
なんて一個一個下手な説明を打ってはいけない。

上手に疑問点を全て解消するような展開を用意することで、
なるほど、あれはああだったのだな、
と想像させるのが最上だ。

つまり、
説明を上手にするという最も難しいことを、
退屈にならずに、
一休みしながらやっていかなければならないから、
緩は難しいのである。

わーっとやってきて一息つくと、
ホッとした時に本音が出るもの。
そのキャラクターの本音をうまく捉えて、
次の展開へ持っていきたい。


「あのときのアレはどういう意味だったんだ?」
と誰かに疑問系で問わせれば、
誰かが説明を始めるかもしれない。
その時に全部を説明しきってスッキリするか、
疑問をいくつか残して次への興味にするかは、
ストーリー次第とも言える。


緩急でやるべきことは異なる。
急で出来ないことは、緩でやるべき。
ちなみにざっくり整理してみる。

急⇔緩

ダイナミックで速い展開⇔ほっとひと息
後回しに⇔それを整理整頓
公的展開⇔私的展開
表面のこと⇔本音
緊張⇔弛緩
緊急事態⇔安心、安全が訪れた状態
眠れない⇔眠れる
空腹⇔飯
ヤバイ⇔ヤバくない
死ぬ⇔死なない
速く切り抜けなければ⇔ずっとこのままでいたい
危うい⇔盤石
ほころび⇔つくろい

こんな感じかな。
これらをうまくリズムに乗せていけば、
ころころとうまく転がっていくだろう。


一息つくと、精神が落ち着き、周りが見えるようになる。
緩でやるべきことは、
そこから次のアタックポイントを定めることで、
次の急へ向けて動き出すことでもある。
posted by おおおかとしひこ at 17:04| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。