僕は大体タイプウェルでSCぐらいあれば、
実用入力において困ることのない、
自分の意思を蒸発させずに書ける程度、と思っている。
秒当たり4文字〜4.5文字(打鍵数ではない。
また変換を考慮してないため、実質秒2〜3文字に落ちるだろう)で、
会社にいれば「ふつうに速い」と言われる程度だろうと。
で、タイプウェルRのランキングを調べてみて、
qwertyローマ字のSC以上が4000人しかいないのに、
とても驚いた。1万人とか2万人いるかと思ってた。
日本で4000人しか速くないの?
いや、勿論、全ての文字を打つ人がタイプウェルに登録する訳ではない。
仮に100人に1人が登録したとすると、
qwertyローマ字で速い人は、40万人しかいないことになる。
1000人に1人なら400万人。
こんなもんだろうか?
僕の周りの実感で行くともっと少ないと思うが、
IT系ではもっと多いかも知れない。
ちなみにうちの職場で一番速い後輩にやらせてみたら、
A出ないぐらいで、SCは遥かに遠い。
みんなそのレベルで文字打ちをやっている。
メールベースで。
効率が良いはずがない。
ちなみに競技人口で調べると、
4000人:洋弓
40万人:スポーツチャンバラ
400万人:バレーボール、テニス
ぐらいのようだ。
40万人〜400万人くらいが、
qwertyローマ字で実用入力速度に達している人口、
とざっくり見積もれよう。
これ多いかな?
僕は、圧倒的に少ないと思うのだ。
だってそれ以外の人は、
「自分の意思を伝えるために、
とても遅くて苦労する」ってことだから。
2000万人から4000万人くらいは、
普通に速くなるべきなんじゃないかと思うんだ。
SNSの炎上騒ぎだって、
短すぎる短絡思考のせいじゃないかって思うくらい。
一度にたくさん書けないから、
感情レベルのことしか書けない、
字を書くことに不自由な人たちの道具がSNSなんじゃないか、
とすら考えている。
qwertyローマ字は、
結果的にデファクトスタンダードになったものの、
2000万人や4000万人がスラスラと日本語を書くのには、
不便すぎる道具なのではないか、
と僕は考えるわけだ。
高々競技人口4000人が幸せになることと、
「字を書くシステムのスタンダードを決める」
ことは、スケールの違う議論だ。
にも関わらず、
qwertyローマ字は、
それらを考えなかった家電メーカーの都合で流されて決まった。
昭和の末期、親指シフトJIS化の会議に臨んだ人は、
これらの論点を尽くせていない。
「ほぼ全員が、スマホまたはPCで文字入力しなければならない30年後」
は想定されていなかっただろう。
センターシフト新JIS配列が普及すれば、
多少はマシになった世界線があったかも知れない。
自分で使ってみた感想でいうと、
「他の速い配列に比べれば無駄な動きはあるが、
マスターするのはかなり簡単」という配列だった。
つまり当時の家電メーカーは、
合理的でブラインドタッチ前提の新JIS、
見ながらカナが打てるがブラインドタッチは無理な旧JIS、
と二種類のキーボードを売るべきだった。
旧JISは廃止して、50音順キーボードにした方が良かったかもだ。
このような反省会を行う場が、
国語審議会にも、文科省にも、
家電メーカー総合会議(そんなものはないけど)のようなものでも、
ないところがこの問題を根深くしている。
つまり誰もqwertyローマ字がデファクトになったことを、
反省していない。
日本の知的労働者の生産量は、
欧米に比べて低いらしい。
それをどのような調査法で行ったのかは不明だ。
しかし「字がスラスラ書けない人」が、
効率よくビジネスを運営しているとはとても思えない。
4000人から400万人以外の知的な人は、
今すぐ配列を変えるべきである。
だって速く打てないんだから。
qwertyローマ字なんて窓から捨てろ。
今すぐ無刻印キーボードを買い
(なければヤスリで削れ。
#100で荒削り、#400で仕上げ。好みで#1000でツルツルだ)、
新しくブラインドタッチで覚えてしまえ。
代替候補は、
新JIS、月配列、親指シフト、飛鳥配列、新下駄配列、
薙刀式、
あたりを考えればいいだろう。
どうしてもローマ字がよければ、
けいならべ、SKY、きゅうり、和ならべ、カタナ式あたりか。
qwertyローマ字はデファクトに普及したが、
多くの人を幸せにしていない段階で、
デファクトに日本人を不幸にしている。
従ってqwertyローマ字は、巨視的に劣った配列と言って良い。
2019年08月11日
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