2019年08月15日

序破急と起承転結は、実は同じことを言っている

前記事の続き。

起承転結は4構成要素を考えるより、
その「間」の流れを考えた方が分かりやすい。
そしてこれは、序破急とほとんど同じという話。


序破急とは、みっつの流れを言ったものだ。

まず最初に流れを設定し、
それを覆し、
最後に落とす。

もともとこれは、
音楽の構成法である。

テーマになる主題を提示して、
その逆の世界観を提示して、
最後にテーマになる主題と、逆の世界を含めた、
なんらかのクライマックスへ昇華する、
ということを言わんとしている。

序が前振り、
破がカウンター、
急が統合だ。

起承転結の「間」と全く同じなわけだ。

つまり、同じ物事を違う面から見たものが、
起承転結と序破急ということだ。
起承転結は、点で見ている。
序破急は、流れで見ている。

それだけのこと。

僕は昔から二つがなぜあるのかわからなかったが、
こうして両者が同じことを言っているだけなのだと、
昨日初めて気づいたわけだ。


ちなみに日本の伝統的な脚本の
「ハコ書き」(起承転結を2ずつに割り、8ブロック書く)は、
1/4が一幕、
1/2が二幕、
1/4が三幕、
というハリウッドの構成法とほとんど同じだ。

大体同じところに収束するんだなあ、
と人間の構造や認識の同一性に感心したりする。

序破急の理想は2:2:1だと僕は考えている。
三幕構成論に当てはめても、
序破急は「流れ」のことを言っている、
ということがなんとなく理解できると思われる。


なぜ3つなのかというと、
僕は人が、「1、2、たくさん」と、
頭の中で3つ程度しか思い浮かべられないから、
と考えている。
流れも勿論細かくは沢山種類があるのだが、
大まかに見れば3つの流れしかない、
のような感覚なのではないだろうか。

順、逆、落ち。
たったこれだけを考えれば、大まかな流れは考えうる。

勿論、
事件の概要とか、どうやって解決するかとか、
テーマはなんだとか、
人物設定の表裏の面白さとか、
小道具や舞台設定の上手な使い方とか、
伏線とか、セリフのうまさとか、
そうした面白さが必要なので、
起承転結序破急だけやってればいいのではない。

しかし、それが出来ていることは、
最低限形になっていることであり、
出来てない話はそもそもそこが出来ていないのだと考えられる。
posted by おおおかとしひこ at 11:01| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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