怒涛で雪崩れ込むこともあるクライマックス。
しかし、綿密にセットアップする手もある。
明日の朝にクライマックスがあるとしたら、
今晩の話をインサートすることも出来る。
朝のその場所に、
たどり着くときのエピソードを挿入することも出来る。
僕がとても好きなのは「リンかけ」の、
竜児対剣崎の試合の前の、会場入りの瞬間で、
「今日という日を輝かせることが、
自分の人生だ」ってことを自覚するのがとても好きだ。
すぐにクライマックスにいかずに、
クライマックスが来ることはわかった上で、
その緊張感を保ったまま、
こうした場や空気を整えて、
お膳立てして行くことも可能だということ。
不思議な緊張に満ちた、
(それは足が震えるとかではなく、
静かな思いの、いい緊張だろう)
ひとつの美しさがそこにあると思う。
仮にそれを「決戦の朝」とか「決戦前夜」
なんて名前をつけておくか。
クライマックスを書く時になったら、
検討してみてほしい。
これまでの登場人物が次々に集まって来るだけで、
なんだかクライマックスになってゆく。
「もう戦うしかない」と決定づけられるのが第二ターニングポイントだとしたら、
これは第三幕の最初の方にある小エピソードになるだろう。
2019年08月16日
この記事へのコメント
コメントを書く