2019年08月16日

クライマックスのセットアップ

怒涛で雪崩れ込むこともあるクライマックス。
しかし、綿密にセットアップする手もある。


明日の朝にクライマックスがあるとしたら、
今晩の話をインサートすることも出来る。
朝のその場所に、
たどり着くときのエピソードを挿入することも出来る。

僕がとても好きなのは「リンかけ」の、
竜児対剣崎の試合の前の、会場入りの瞬間で、
「今日という日を輝かせることが、
自分の人生だ」ってことを自覚するのがとても好きだ。

すぐにクライマックスにいかずに、
クライマックスが来ることはわかった上で、
その緊張感を保ったまま、
こうした場や空気を整えて、
お膳立てして行くことも可能だということ。

不思議な緊張に満ちた、
(それは足が震えるとかではなく、
静かな思いの、いい緊張だろう)
ひとつの美しさがそこにあると思う。

仮にそれを「決戦の朝」とか「決戦前夜」
なんて名前をつけておくか。

クライマックスを書く時になったら、
検討してみてほしい。


これまでの登場人物が次々に集まって来るだけで、
なんだかクライマックスになってゆく。

「もう戦うしかない」と決定づけられるのが第二ターニングポイントだとしたら、
これは第三幕の最初の方にある小エピソードになるだろう。
posted by おおおかとしひこ at 13:48| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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