2019年08月19日

【薙刀式】親指キーのベストについて、再び考える

すっかり左右分割のminiAxeに慣れてしまっていて、
僕は一体型のキーボードの感触を忘れたといってもよいが、
世の中の99%のキーボードは一体型だろう。

僕はUSキーボードの長いスペースキーは、
何の意味もないと思っている。
親指キーは、
自作キーボードのようにたくさんキーを集めるのが合理的だ。


ざっと書き出してみれば、

スペース、変換、無変換、英数、カナ、
(全角/半角のトグルは僕は最低だと思っている)
Lower、Raise、
エンター、BS、DEL、
シフト、Ctrl、Alt、Win。

このあたりは欲しい。

つまり、小指を働かせないことを考えたい。
さらに、

カーソル(左右とか)、Home、End、Esc

あたりは、オプションとして欲しい人がいるかもだ。


親指シフトの研究結果が示唆することは、
他の指と共に使うのは、
4指とは違う角度に付いている、
親指がベストという結論だ。

小指にありがちな上記のキーは、
全部親指に持ってって、
4指と同時押しまたは先行押しすればいいんじゃないかと思う。

そしてどのキーを親指に振り、
どのキーを小指や外側下に残すかが、
そのキーボードのデザイン
(見た目じゃなくて、動線デザイン)
だと思う。


ちなみに物理デザインはどうあるべきか?

僕は現状の最下段の物理デザインは、一つも良くないと思っている。
手首をつけて打ったら角が当たって痛い。
チルトスタンドを立てたらましだけど、
今度は手首を起こしすぎて痛くなる。

最低でも逆付けで、
上り坂になっているような角度につけるべきだ。
多くの自作キーボードでは、
そのようなキーキャップ逆付けが推奨される。
物理的に打ちやすくなるので。

経験的にいうと、1.25Uや、1.5U、シフトキーの2Uや2.25U
の逆付けあたりが、太い親指がフィットした。
ミニラの3Uスペースキー逆付けも良かった。
薄いキーキャップより厚みがあったほうが、
比較的安定した記憶がある。
(遊舎工房へ行くとついそんなジャンクを探しちゃう)

スペースキーは何故凸型なんだ?
丸くて太い凸型の親指を当てたら、
点接触で痛いではないか。

他のキーのように、凹型であるべきだと思う。
最低でもノーパソのようにフラットに、
ヤスリで削ってみるといいよ。
僕は凹型にするために、
ヤスリでフラットにした上に、凹に削った木材を貼っていて、
それでも飽き足らず(ロープロがほしくて)、
木製キーキャップを作り始めたわけだ。
粘土で作っても良かったが、木の手触りが良くて。


ところで、
親指のどこでキーに接触するべきなのか?

殆どの人がやっているように、
親指の横の部分はおかしいと思う。
親指は「つかむ」方向に筋肉や骨格がついていて、
横に動かすようには出来ていない。
(出来ないことはないが、人体推奨の動きではない)

ピアノを打鍵するように、
卵を持つ手にして、指先を落とすように打つやり方もある。
これは親指シフトが推奨する打鍵法だが、
爪を常に切っておく必要があるし、
手首を浮かし続けるか、パームレストが別途必要で、
「どこででも書きたい」という僕のポリシーに反する。
(デスクトップでしか使わないなら、
パームレストなどでガチガチにセッティングする方法もあるだろう)



ということで、
左右分割キーボードでは、
僕の推奨する薙刀式親指キーが最適解のような気がしている。

これは親指シフトにも適していることは確認した。
掴むようにも、横に叩くようにも親指が打てるのは、
かなり便利だと考える。
しかも他のキーよりロープロファイル。


で、ここからが本題で、
eswaiさんが指摘しているように、
この親指キーは左右分割型の端っこに最適化されていて、
一体型の、たとえばたくさん並んだ1Uの場所には適さない。
ななめ横に空間が必要だからだ。

で結局、下段キー逆付けが、
準最適解になってしまう。
現在これと薙刀式親指キーの中間のような、
斜め角度の緩い1Uの並びでも使えるようなものを鋭意設計中で、
それがうまくいけば薙刀式親指キーは、
セットで売れそうな感じ。



たとえば自作キーボードClaw44やminiDoxやcrn_kbdでは、
親指の位置に工夫があるものの、
付けるキーキャップについては平面レベルしか考えられていない。
テントやチルトで角度を作ったとしても、
4指と親指のついてる角度がそもそも違うため、
全指を満足する角度は存在しないと考えられる。

ということで、今設計中の親指キーが、
諸々の問題の最適解になるといいなあ、
などと妄想をしている。


既存のキーボードは、
タイプライターのシフトキーから始まった、
「小指や端っこに何か特別キーを追加していく」
流れで、追加に追加を重ねた、
嘘の上に嘘を盛り付けたようなデザインになっている。
もはや総合的に動線が最小であったり、指が疲れないことなどは、
何も考えられていないと思う。

ここらで機能キーや修飾キーを再デザインするために、
親指キーの物理はとても必要ではないかと考えている。


自作キーボードはUS配列が前提だけど、
それはキーキャップの印字がそうだからで、
qmk自体にはJISキーコードは用意されている。
(使う人がエンジニアが多いだろうから、
US配列のほうが記号に優しい。
しかしキーマップを弄るならもはや印字は意味をなさないので、
無刻印でもいいと思うし、僕はそうだ)


一方、JISキーボードは、
せっかく親指キーに変換無変換を置き、
スペースキー含め3キー一体で日本語入力をデザインしようとしたが、
日本人にその意図を理解されないまま、
「触ったことのないキー」として、
どんどん隅に追いやられている。

USキーボードの長いスペースキーと、
ほとんど変わらなくなってしまっていて、
せっかくの「親指活用の思想」は衰退の一途だ。
(リアルフォース第二世代の愚策。
変換キー無変換キーは、デザインされた意図通りに使われなくとも、
カスタマイズ可能な便利キーにすればいいのに)

ということで、
親指再活用思想は、
自作キーボードにのみ活路を見出せるかも知れない。
(あるいは以前僕があげたように、
キーを全部一個あげて、下段キーを最下段キーとして使う方法も、
なくもない)


最初に挙げたキーをどう選び、
どのような配置にするかは、
まだ最適解が決まっていない。
指の置き方すらもだ。

薙刀式親指キーキャップが、
その可能性を開けるようにしたくて、
これはなかば日本語入力の社会的使命だぞ、
などと勝手に考えている。
(MXステムに対応できたら、
東プレ軸、ALPS軸、メンブレン軸、choc軸対応版も、
作りたい。データアップはタダだし)


まあそんな大袈裟なことを言わずとも、
便利なので広めたい、くらいの気持ちだけど。
(いくつかの自キイベントで木製を触ってもらったら、
かなりの好感触だった)

月配列や新下駄などの、親指を使わない配列使いの人も、
機能キーが親指に集まると便利だろう。
親指シフト系列は親指キーが生命線だし、
その周囲に機能キー群があるとさらに便利だと思う。

そういう風に日本語入力環境が改善して行くといいな、
となんとなく考えている。
posted by おおおかとしひこ at 12:39| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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