2019年08月24日

【自キ】自作キーボードで出来ないこと/出来ること

パーツやキットが既に用意されている部分は、
組み合わせて比較的簡単に出来る。

供給されていない部分になると、急にハードルがあがる。
その辺の境目について。


自由にレイアウトしたい!

→既にqmk_firmwareがある状態ならば、
キーコードに対応しているものならば、自由にレイアウト可能。
JISだろうがUSだろうが、キーコードが存在するならOK。

ただしたとえば「…」はキーコードとして存在しない
(単キー入力する前提ではない)ため、途端にハードルがあがる。
また「何かを押しながら何かを出す」設定は簡単だが、
そのバリエーションが複雑になったり、
同時押しを組もうとすると、途端にハードルがあがる。

既にあるファームウェアのアレンジなら簡単だが、
思い通りの自由な配列を作ろうと思うと、
急にC++が自在に読めたり書けたりすることと、
文字がどうやって入出力されているかという、
OSの深い部分の知識が必要になる。

物理レイアウトでいうと、
平面上のレイアウトはPCB設計ソフト、
KiCadが使えれば簡単だ。
斜めだろうが格子だろうが独自だろうが自由だ。
(キースイッチの構造や基本的な回路の知識がないと無理)

3Dになると途端にハードルがあがる。
自作基盤を立体に組み、空中配線するような、
回路を設計しつつ組み立てる、
電子工作の技能が必要になる。


耐水キーボード作りたい!
→多分無理。全部を耐水パーツで作り、
密閉性のある設計にしなければならないだろう。

ケース作りたい!
→PCBをプレートでサンドイッチする構造の、
現在の大枠の仕組みでは、
寸法さえ分かれば3Dプリントで設計可能。
これはこれで割とハードルが高い。
僕は木を削って作ったが、これはこれでハードルが高い。
トップやボトムプレートをCNCで削り出している人もいるが、
平面とは言えハードルが高いだろう。
さらに3Dケースになれば、さらにハードルが高いだろう。


キースイッチを選びたい!

→メカニカルなら死ぬほど選べる。
ロープロなら3種類。
静電容量、メンブレン、パンタグラフ、
自作キースイッチはかなりハードルが高い。

そもそもこの自作キーボードブームは、
ドイツ純正MXスイッチを、
中国などが安価にコピーしたところから始まっている。
色んなメーカーが色んなバリエーションを100以上出しているが、
そもそものコピー元がMXスイッチのため、
この方式とサイズから変わっていない。
19.05mmピッチ、45gから65g押下圧あたり。
ルブやバネ交換、パーツ交換などでさらにバリエーションは増える。


キーキャップは自由にやりたい!

→MX軸につくものなら物凄いバリエーションがあるが、
chocは白黒透明の3種しかない。
東プレ軸からMX軸用に変えるアダプターはある。
また、ステムさえ自作出来れば、
その上にキーキャップを貼り付けるという手もある。

また、キーキャップはUS配列が基本印字なので、
JIS系はほぼない。(日本で作ってないから)
印字とキー内容が違うか、無刻印なら問題ない。
自分で作るとなると、
レジン系か3Dプリンタになり、ハードルが高くなる。
僕はステムに木材を貼り付け、手で削り出したが、
そんなことしてる人は見たことがない。


一体型、左右分離型以外も作りたい!
→電子工作の技能があれば可能。
3つ以上(テンキーやフットキー)を繋ぐとなると、ハードル高め。

Bluetoothにしたい!
→ハードル高め。まだ完全ではない。
電子工作およびファームウェアプログラミングが必要。


記号部分の自作配列を作りたい!
→qmkがいじれれば簡単。
ていうかこれがキーマップいじりの基本。
ただしキーコードにない記号とかが、大変。


文字部分の、自作配列を作りたい!

→キー交換だけでもかなり難しいです。
(行為は簡単だけど正解の確信が持てない)
結局長い試験期間が必要。
頻度、連接の知識や指の知識も必要。

ローマ字なら簡単かもですが、
カナ配列はさらにハードル高め。
DvorakJは比較的簡単に配列交換を試せますが、
qmkではハードル高め。
(eswaiさんがNICOLAと薙刀式を実装しておられるので、
GitHubを覗いてください)


パームレストやケーブルを作りたい!
→わりと簡単。

ロゴやステッカーを作りたい!
→これもわりと簡単。デザイン力があればね。

キーボードを持ち運びするケースを作りたい!
→布や革などは、伝統技能が必要。
3Dプリントは寸法さえ出れば、比較的簡単?



「○○の頃に比べれば△△が簡単になった」として、
△△を「簡単」という人はいるけれど、
何もない状態から△△を始めたって難しいものは難しいです。
誰が何を簡単とかハードルが高いと言ってるかは、
内容とその人を吟味したほうがいい。

たとえば僕にとっては木を削るほうが、
3Dプリントより楽勝だぜ。
ワンオフなら全然木材だ。
ロゴデザインなんて10分あればできる。
イラレ使えれば簡単だ。
打鍵動画なんて撮影編集アップなんてどれも楽勝。
あとは全部ハードルが高いよ…
posted by おおおかとしひこ at 13:51| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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