1. 音が静かなこと
2. 指の位置があまり動かないこと
3. 姿勢を沢山変えてもなお同じこと
薙刀式は長文を書くことが目的である。
一日10000字とか、それ以上を目的としている。
実際にそこまで毎日原稿を書く日々を僕は過ごしたことはないが、
書く日は1万字超はある。
月に平均すると一日5000を下回ると思われる。
タイプ数カウンターを一ヶ月ほど動かしてみたが、
ローマ字換算でカウントするとか、
薙刀式のスペースの押しと離しをカウントしてしまうとか、
濁音は@をカウントするとか、
色々あるけれど、
一日の打鍵数が10000を超えている。
ローマ字が1カナ1.7打必要なことを考えると、
一日5900カナ。漢字のことを考えれば、
おおむね一日4000字は書いていることになり、
実感と合っている。
(このブログは一記事2000字程度。
フリックで書くこともあるし、薙刀式で書くこともある)
で、長文特化のことを考えてきたら、
大体上のみっつの原則にまとまってきた。
これは、
論理配列、物理配列やセッティング、打鍵方法などの、
複合要素で決まっているようだ。
1. 音が静かなこと
これは結果的にそうだということ。
「バリバリ打つ人」のイメージのように打っていては、
長い期間長文を打つことは出来ない。
長文を打つには、トータルでエネルギーを最小にするべきだ。
瞬間風速を出すことには意味がない。
人の一日の消費エネルギーは決まっているのだから、
それを効率よく使うには、
静かで淡々とした打鍵になるべきだ。
物理的には、
軽い押下圧(僕は20gと15gのミックス)、
ストンと落ちすぎないクッション軸(クリーム軸)
が効果があった。
パームレストが不要な高さに物理キーの形をコントロールしたことも効いているし、
前滑りになるようなキートップの形や、
ツルツルの表面も効いているだろう。
また打ち方自体も、力を抜いて最小限の動きにする、
という打ち方が効果が高い。
流れるように打てる、
動線の繋がった論理配列(薙刀式)の効果も大きい。
2. 指の位置があまり動かないこと
BSやエンターやカーソルに手や指が出張するのは有り得ない。
それだけでエネルギーの無駄だ。
薙刀式は30キーとスペースキーだけで、
文字入力の機能が入っている。
極端にいうと、31キーボードで使える。
(現実には文字入力以外に、
数字入力も必要なため、レイヤーキーなどが必要で、
僕はminiAxeの36キーを使っているが、
33キーで運用できると思う)
手の中に全部入っていて、
動線が流れるように繋がれば、
最も無駄な動きがない。
薙刀式ではQTYもほとんど使わないので、
短い指を伸ばす必要もない。
(Pは薬指推奨)
無駄な動きが少なければ少ないほど、
結果として音も出ない。
タイパーの打鍵動画を見ていると、
こんなに力を使って怒涛のように打つのは、
瞬間風速的には正しいのだろうと思うが、
これを一日やり続けるのは無理だろうなと想像できる。
薙刀式の最近の動画を見れば、
いかに手指の動きに無駄がなくなっているか、
分かると思う。
マラソンランナーは体が細くなり、音を立てなくなる。
短距離ランナーはマッチョでゴリゴリ走る。
そんな差だろうか。
3. 姿勢を沢山変えてもなお同じこと
配列の話をするときに、
ここまで言及されないのは不思議だと僕は思う。
椅子に同じ姿勢で15分も座れない。
人は必ず微妙に姿勢を変え続け、
使う筋肉を変えるから、何時間でも座ってられるのだ。
(僕は意図的にトイレに行ったり水汲みに行ったりして、
立ったり歩いたりするように務めている)
この、さまざまな姿勢でも、
安定して同等の打鍵ができるように、
物理配列と論理配列と打鍵スタイルが、
対応しているべきだと思う。
具体的には、キーボードのセッティングのファクターが大きいように思う。
左右分割であること(肩甲骨が開く)、
テントしていること(前腕はやや外旋が自然)、
ややハノ字であること(身体の自然)、
左右の空きがノリによって調節できること、
やや奥目に置いて、机に前腕の重心を預けられること、
それありきで椅子と机をセッティングしたほうがいいこと、
モニタは高めにすること
(ポメラやノートPCのような低い目線は背を丸めることになる)、
などだろうか。
身体の姿勢や重心が変わっても、
足を組んだり片ケツだけ座ったりしても、
浅く座っても深く座っても、
同様に打ち続けられるような置き方や打ち方は、
あると思われる。
(さすがにどんな姿勢でも、はないと思うが、
ある範囲内なら対応できそうだ)
これらの三原則がうまく整わないと、
身体のどこかがおかしくなり、
疲労が取れないとか、腱鞘炎などの物理的故障を併発すると思う。
長文を書く人には、
こうしたことは周知されておらず、
「PCで書くこと」しか現状入稿スタイルがない以上、
生産量が下がらざるを得ない。
それは悪である。愚なる悪だ。
僕はこれを自衛するため、
オリジナルを手書きでフィニッシュし、
清書だけPCでやるというスタイルを発達させてきた。
「手書き」というと怪訝な顔をされるが、
僕の手書きの速度に関しては薙刀式動画に記録したので参照されたい。
数%しかいない速い人(普通の人の倍くらいの速さ)の、
さらに1.5倍で書いているらしい。
逆にいうと、ほとんどの人は僕の手書きの3倍遅い。
薙刀式×miniAxe×20gクリーム軸×諸々のセッティング
ならば、これらのことはましになる、
ということまではわかってきている。
もっと指や身体が強い人は、
長文をPCで書くことに耐性があるかも知れないが、
僕は無理だったからこそ、
ここまで研究できたというものだ。
僕同様、PCで書くことそのものがうまく行かない人は、
「PCのスタンダードが間違っている」
という可能性に気づいて欲しい。
他の人が全員できるからといって、
あなただけが出来ないことだって世の中にはある。
それを恥じることはない。
道具ややり方を変えるだけで、
あなたの能力を他人並に追いつかせたり、
他人以上に花開かせることは可能であり、
道具とはその為にあるのだ。
僕はずっと靴が合わなくて、運動が苦手だった。
靴が合わないと気づいたのは、
裸足で拳法を始めてからだ。
まず裸で出来ることを確認して、
その上に自分に合う武器を装備すればいいのだ、
と気づいたのはこのときだ。
武器は手の延長である。
手の延長に相応しくない武器なら、
裸拳で戦うか、合う武器を探すか、武器を作ればいい。
2019年08月28日
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