色んな配列の速さのデータを並べてみる。
【短距離部門】 ランダムワード計280カナを打つタイプウェル
---配列の差よりも個人の差の戦い---
ZD(-18秒) JISカナ、テル氏
ZF(-22秒) qwertyローマ字、テル氏
月配列、ZF氏
ZJ(-30秒) いろは坂配列、めんめんつ氏
---配列+個人の才能の領域---
XA(-36秒) 新下駄配列、kouy氏
飛鳥配列、tomoemon氏
---配列という下駄を履いてる領域---
XI(-52秒) 親指シフト、orih氏
蛇配列、なっと氏
かわせみ配列、semialt氏
XJ(-54秒) 中指シフト月光、tken氏
SS(-56秒) 薙刀式、大岡
---ふつうに速いレベル---
SC(-60秒)
参考: 親指シフトの「指が喋る速度」毎分180〜240カナ。
タイプウェル換算で70秒。
【長距離部門、コピー打鍵】 変換後文字数/10分
3000 NHKアナウンサーの喋り(ただし10分も連続しない)
2400 qwertyローマ字、Pocari(隅野)氏
2000〜1500 qwerty、パソ活氏。毎パソ過去問動画多数。
1680 飛鳥配列、Ray氏(憲法前文丸暗記、変換も第一候補に固定)
1300 薙刀式、大岡。毎パソの過去問初見。
892 親指シフト(80年代のワープロコンテスト。初見文)
参考:
800〜1500(データ入力派遣業務の基準)
700(ビジネスタイピング検定1級の基準)
【長距離部門、創作打鍵】 自由に文章を書くとき、単位は同上
2000 qwertyローマ字、パソ活氏、ブログ程度の文章
1500〜2000 薙刀式、大岡。動画多数
500〜1000 qwertyローマ字の手慣れた人: https://kyoikugakushu.com/30
参考:
手書き
900程度 大岡、動画あり
400〜500 大学生の平均、https://kyoikugakushu.com/30
ちなみに僕のqwertyローマ字は530(手書きのほうが速い)。
人によって配列の相性が著しい例としてあげておく。
薙刀式はとくに創作長文を目指した配列なので、
そこに限ればタイパー並の結果だ。
短文は配列性能よりも個人性能の超人世界に入っているため、
薙刀式だろうがなんだろうが、個人に合うものでやればいいのでは。
ただ、新配列勢力は、並のqwertyローマ字よりも、
一回りも二回りも速い結果を出している。
どの配列が最速か?
どの配列はどの部門で最速か?
もっとも速い人の記録と配列で判断するか?
それはその人が速いだけだという議論もある。
塩田剛三が最強なら合気道最強だが、
合気道というシステムは現代格闘技で結果を出していないのと同じ。
「自分にとって最速の配列がある」
と考えると、
速さの議論はうまくいくかもしれない。
100万人にとって劇遅でも、たった一人の最速がいるかもだし、
その逆だってある。
自分にとっての最速配列が、複数あるかもしれない。
多くの人が自由に流派を比較検討して、
自分に合っているものを探せる場所は(今の所)ない。
秋葉原の遊舎工房では、
沢山の流派の自作キーボードを触って比較できる。
物理配列と論理配列が絡むと、
議論はもっとややこしくなる。笑
「親指シフトはめちゃくちゃ速かった」
という昔の記憶は、
数値として残っていないので、
都市伝説レベルだと僕は言う。
「遅い周囲と比べて」の前置詞が抜けているのではないか。
唯一の数字900弱は、
現代の配列や使い手に比べれば、
まったくたいしたことない。
速い親指シフターの方、反論待っております。
(追記:
親指シフトタイプウェルXIがネットで拾えたので変更。
また、パソ活さんのコメントより、長距離コピー部門はPocariさんの記録に修正。
動画があった方が参考にしやすいので、パソ活さんの平均も併記しました。
また、タイパーという高々数百人を見て、
qwertyローマ字全体を判断するのも危険です。
なにせ日本でメジャーなqwertyローマ字は、
9割以上の人が使うのに、ブラインドタッチ習得率が3割。
大半がぽちぽち打ちなのです)
「パソコンスピード認定試験」資格においてタイパーの方たちが何人か受験されて、変換も含めた実用入力に力を入れているPocari(隅野)さんが「2400文字付近まで……」とのことでした。(ただし2006年)
http://dqmaniac.g1.xrea.com/typing/typist09.html#20060709
1ミス1文字減でミスペナルティが非常にゆるいので、自分もそのように入力していけば1900点くらいになりましたが、ミスに気をつけながら打つと1500文字まで落ちます。
あと「全国パソコン技能競技大会」という高校生の大会では、優勝者は2389文字ミス0というのがあります。
http://pc1.livedoor.biz/archives/51832105.html
これらはぶっつけ本番で緊張するし、情報も少ないため、試行回数が増えればもっとスコアが出る(すでに誰かが出している)可能性は高いと思います。
こんな世界があるんですねえ。
競技タイピングと項目を分けるかな。
こういった人たちは、
実戦(入力業務)をやった場合も速いのかなあ。
憲法トライアスロンする人もいるくらいだから、
数時間入力業務なら2000ペース(落ちても1500とか)で、
行けるのかもしれませんねえ。
ちなみに仮に2400/10を維持したら、
8時間あれば小説長編新人賞の応募規定、
300枚を超える計算になりました。
(実際には原稿用紙400字は全部埋まらないので)
俺が一年かけた原稿の長さを一日で打てるわけだ…
このへんまで行ってしまうと、
親指シフト派が「速い」から「疲れない」
へと主張を変質させたのはわかる気がします。