キャラクター設定で立てるのだろうか?
それは間違い。
「物事の解決の仕方」で立てるべきだ。
キャラクター設定でキャラを立てるのは、
誰でも出来る。
設定資料を作り、キャラの立った感じのことを書けば良いだけで、
これゆえ初心者は満足して、
出来た気になる。
しかしその原稿の中で、
その立ったキャラは描かれたか?
100%出来てるなら以下を読む必要はない。
設定資料で想像される立ったキャラに対して、
実装は2割にも満たないくらいではないか?
何が問題だろう。
実力の不足なのだろうか?
僕は、「キャラクター設定資料」なるもので、
キャラクターを立てようとする手法に問題があると考える。
平たく言うなら、
「キャラを立てようと思ったら、
設定資料を作るな」
ということだ。
勿論、備忘録としての設定集は用意しておこう。
全員の誕生日が必要なシナリオなら、
まず覚えられないから、
そうしたメモは必要だ。
(本編で使用されない設定は捨てるべきだ。
設定資料の2割しか本編に使われないのは、
そうしたジャンクを捨ててないこともあるだろう)
資料を作らずにキャラを立てる方法は簡単で、
「ストーリーの進め方」でキャラを立てるのである。
ストーリーが前に進むときはどういうときか?
決断をするとき
目的を持って行動するとき
ある目的のために、具体的な行動を選択するとき
説明するとき
決断を迫るとき
これにどういう意味があるか把握するとき
ターニングポイントでの行動や立場
なにかを失ったとき、得たときの反応
調子が良くなったとき
雲行きが怪しくなったとき
絶頂の時、絶望の時
感情が爆発しそうなとき、したとき
取り返しがつかないとき
安心なとき、不安なとき
こういうときに、「どうするか」で、
キャラクターを立てていくのだ。
もちろん、そういうときにはこうする、
などと設定資料にはあるかもしれない。
しかし大抵は、決まったことに決まって反応する程度しか設定できない。
状況は固有だ。
その文脈に対してこうする、
と独自のことをするから、キャラが固有になる。
そして、それを伏線としてのちに使おう。
伏線として使われない設定はないからである。
タバコをへんな吸い方をするキャラがいるとしたら、
序盤のストーリーが動くときにその吸い方で話を進め、
中盤や終盤でそれを利用したなにかが起こるべきだ。
そうでないと、その設定をする意味がない。
よくある間違いが、
「そのキャラにはほくろがある」
というものがある。
「それゆえストーリー中こうなる」
がない限り、それは削るべき設定だ。
(ほくろがあるゆえ癌になるとか、
ほくろがあるゆえ変装がばれるとか、
ほくろが消された修正写真で修正が暴かれるとか)
ストーリーを進める上で使用される設定など、
そんなには多くない。
だから事前設定の2割も使われないのである。
つまり、キャラ設定なんてほとんど意味がない。
ストーリー進行の途中でキャラを立てることだけを考えれば、
事前設定なんか2行でよい。
もっとも、事前設定を詳細に書くことで、
あなたが話を書きやすくなるなら、やってもよい。
しかし本編に使われなかった設定は、
ないのと同じなので、
書き終えた後に再び設定を書き直すべきである。
使ってない設定は、
「使うかも」とトランクをいっぱいにしただけの何かだ。
使わなかったものを捨てたら、
驚くほど身軽になることに気づくべき。
そして、鑑賞する観客は、
そんなにも多くのものを持てない。
自分が初見のものを見ているときは、
そんなもんでしょ。
それを忘れて、
ノート何ページにも設定するのは、
観客としての自分を忘れている。
職業や立場、
目的や得意なこと
ぐらいの2行すらも覚えられないよね。
ここでキャラを立てるのではないのだ。
ストーリーを進行しながら、
その進行の仕方でキャラを立てて行く。
シナリオを書く最中でキャラを立てていくのでも、
遅くはない。
リライト段階でそれを統一させればいいだけだ。
2019年09月07日
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