2019年09月13日

サブタイトルは、ツカミであり結論である

このようにブロックのサブタイをつけてみよう。


理想は、
キャッチーな言葉でツカミになり、
そのブロックのクライマックスでの何かを示唆し、
かつそのブロックの結論になっている言葉、
だ。


映画シナリオは大きく4ブロックに分かれる。
第一幕、
第二幕前半、
後半、
第三幕だ。

これらにサブタイトルをつけてみよう。

どういうツカミから入って、
どういう結論で終わるんだっけ。
それらは一貫した流れになってるんだっけ。
その流れが強いほど、
ストーリーが力強く流れているってことだ。

もしそんな力強い流れがないなら、
サブタイトルはつけづらい。

つけやすいようにリライトした方がいいし、
だすると理想はこれだな、というサブタイトルをつけてみよう。


名詞ひとことでもいいし、
キャッチコピー的なものでもいい。

サブタイトルをつけるのは、
すなわち整理の仕方(コンセプト)を与えることだ。


そしてこれは同様に、
メインタイトルにも言えるということだ。

キャッチーで、
クライマックスを暗示していて、
そして結論になっている。

それが理想。



ちなみに、先日書き終えた長編の、
各章のサブタイトルの変遷を晒してみる。

それぞれプロット段階、執筆中に変更したもの、
執筆後、こういうことなんじゃないかと付け直したものだ。


第一章 空飛ぶサークル
第二章 ドリームシックス
第三章 オリンポスの探求
第四章 夢で逢いましょう

第一章 空飛ぶサークル
第二章 ルールN
第三章 追う者
第四章 空飛ぶ悪夢で会いましょう

第一章 空を飛ぶ夢
第二章 ファスター
第三章 オリンポス
第四章 落日の都

言葉でいうと、曖昧なもやっとした部分が抜けて、
どんどんソリッドになってきていることがわかる。
それって、内容が鋭く研ぎ澄まされていっている、
ということだ。
(最終形はそれをもっとぼかしたほうがいい、
という判断もあるだろうが、最も名が体を表すのはなにか、
ということで探求している)

仏師は、木材の中に仏像を見て、ただそれをノミで彫り出すだけだそうだ。
曖昧模糊としたものから、
我々は言葉で、内容を見てただ彫り出す。

メインタイトルは「空飛ぶ悪夢で会いましょう」で確定かな。
(アイデアが湧いた一年以上前は、「明晰な夢」だった)
ジャンルはなんだろ。おおきくはSFだ。


タイトル、サブタイトルは、
作者にとって、内容の整理の基準だ。
これにぴったりになるように、
リライトをするための指針のようなものだったりする。
ログラインも同様な役目を果たす。

キャッチーで、
そのブロックのクライマックスに相応しい、
そして結論になる、
絶妙で鋭い言葉を考えよう。

それが脱線からあなたを救い、
ストーリーをより勢いよく、
鋭くリライトする助けをしてくれる。

勿論名が体を表していない、
嘘やハッタリのサブタイトルはつけてはいけない。
「ここでは何が書かれているのか」の本質を書くべきであり、
「こんなんが書かれていたらいいな」という願望を書いても、
ただの嘘だ。
つまり、サブタイトルは、「自分はここまでは書けている」
ことの確認なのである。
posted by おおおかとしひこ at 13:09| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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