2019年09月16日

【自キ】木ーキャップのつくりかた

今日ゆるキーで木ーキャップに興味を持ってくれた方が沢山いたので、
作り方の簡単なメモを書いときます。

いずれ(9月末?)DMM.makeで「ステムだけのやつ」を買えるようにするので、
またその時ちゃんと書きますが、
とりあえず作ってみたいという人用!


以下の作り方は、文字部分の木ーキャップです。
斜めになってる親指部分は、
文章で書くのは難しいのでまたこんど…


1. 用意する工具

ノコギリ、または糸鋸(木工用)
金ヤスリ(棒型、100円ショップので十分)
紙ヤスリ#120くらい、#400
耐水ペーパー#1000
定規とマジック
接着剤(セメダイン社のスーパーX2)

ルブステーションとそこに刺したスイッチ類
(接着の硬化に48時間かかったりするので、
そこにまるっと刺して、重しをおく用)


2. 用意するもの

木材
ステムだけのやつ(3Dプリントまたは、
既成のキーから上だけニッパーで取り出し、やすったもの)



ではつくりかた。


その1 木材の仕入れ:

チーク材を僕は使っています。
加工しやすい柔らかさと、
樹脂を自ら出すので、適度にしっとりします。
手入れもからぶきで十分だし。

東急ハンズ渋谷店には、
加工しやすいヒノキ、チーク、アガチス、ホオ、カツラなどの、
さまざまな寸法のものが売っていて、
チークは2cm幅で3mm厚、5mm厚のものが売ってるので、
気に入った木目のものを探します。

これをまず18mm角にカットするのが第一段階。

定規とマーカーで線を引き、
ノコでやや大きめにカット(どうせ正確にまっすぐ切れないので、
マージンセーフをとる)、
その後18mm角になるまで金ヤスリでごりごり削ります。

3mm厚の方が簡単なので、最初は3mm厚だけの、
DSAライクなものを作ってみるのが楽チンかと。


一個だけつくるのならこれでOKですが、
n個つくるときは、それらの大きさを揃えたいものです。
重ねてマステなどでぐるぐる巻きにして、
紙ヤスリの上を往復させて均して、
大きさを揃えておきましょう。

僕はこれをやらなかったので、
ステムを接着してから目合わせで大きさを揃えました。
めっちゃ中心ずれます。(涙


その2: 形をつくる

中段の平らなキーは3mm厚の18mm角。

上下段の坂になってるキーは5mm厚で、
坂上はそのまま、坂下を3mm厚になるまで、金ヤスリで削り取ります。
これがかなり面倒で、一個30分では出来ない作業量。
柔らかいチークとはいえ、手が痛くなる。
(硬いローズウッドで作らなくて良かった…
あと日本の木、ヒノキやカツラは加工がすごくしやすいので、
ほんとに優秀なのがわかる。安いし)

また一連の作業は粉が大量に出るので、
作業場は風呂場推奨です。あとで流せるし。
チークの粉は甘くていい匂いですよ。
(ヒノキで作ると、しばらくヒノキ風呂の香りに!)


18mm角になったら、
天面の辺を落とします。

チョコバーみたいに、
14mm角の正方形を真ん中にマーカーで書き、
外側を45度に落とすように金ヤスリで削ります。
これは「隣のキーを打った時に、指が当たるのを防ぐ」
ためです(アイソレーション)。

あと面取り(角を丸くする)のは、好みでどうぞ。
丸っこいほど可愛く、角っぽいほどイカツイ。
金ヤスリで丸くするレベルで十分。
どっちにしても最終でまた角は丸くするので、
この段階でしなくてもOK。

まだ上面部は平らなままですが、一旦ここでステムをつけます。


その3 ステム接着:

ステムをスーパーX2で付けます。
中心がずれやすいので注意。

僕はルブステーションとキースイッチの上にステムを刺し、
その上に板を接着して、各キーのずれがないか目視しています。
(板の上にステムを逆さに目合わせで接着すると、
各キーの中心がバラバラにずれるよ!)
硬化には48時間程度かかるので、
上に大きめの本とか板とかを静かに乗せて、待ちます。


その4: いよいよ凹に削る

平らなDSAキーは、
真ん中に#120の紙ヤスリを当てて、
指でぐるぐる回すとお椀型に削れていきます。
丸い指で削るイメージ。
0.5mmも削るといい感じになるので、
そのへんでやめても大丈夫。

ちなみにDSAだとスフェリカル(球で抉った形)になりますが、
僕は手前をスフェリカルに削り、
奥半分をそのRのシリンドリカル(円筒形)に削る、
という凝った形にしています。
撫で打ちが出来て、かつ奥に力が抜けやすくなって、
強く打っても弱くてもどっち対応もできるので。


坂になってるキーは、シリンドリカル(円筒形)に削ります。
指でやってもいいし、棒を使ってもOK。

納得いく形になったかどうかは、
実際キーボードに付けないと判断できないので、
このためにステムを先につけました。
キーボード上で構えて、押してみて、
もうちょっとここを削った方が、などと試行錯誤です。

毎回キーボードに乗せると粉が付きやすいので、
削り中の木ーキャップは布かティッシュで拭き取ってから!
スイッチの中に粉がはいっちゃうよ!


#120は荒削り用で、形が大体確定したら、
#400でツルツルにしていきます。
角落としは#100でやっといて、
傷を消すのを#400でやるイメージ。
ここでようやく手触りがよくなります。

この段階で一旦全部並べてみて、
また#120で形を調整して、に一番時間がかかるかな。


最終仕上げは#1000です。
耐水ペーパーですが水は不要。
木材によりますが水をかけると毛羽立つので、
せっかく磨いてきた面がボロボロになります。
なので普通に紙ヤスリとして使うと。

チークだと樹脂を出すので、
ツヤツヤのツルツルになります。
ヒノキだとサラッサラのツルツルになります。


これで完成!




何個作るかでだいぶん手間が変わります。
文字部分30個はかなり手間。
僕は一ヶ月近くかかりました。

最初はホームキー2個だけとかから、
試作してみればよいのではないでしょうか。


あと大量に「ステムだけのやつ」がいるので、
それをDMM.makeの3Dプリントで提供します。
開店まで少々お待ちを…
posted by おおおかとしひこ at 00:08| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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