メインプロットは、事件の進展具合によって時計が進む。
事件発生からはじまり、
それらを誰かが知り、
解決に乗り出しすまでが第一幕とて、
あとひとつだけやることで解決だ、
から解決終了までを第三幕とすれば、
その間の第二幕は、
「事件解決の進展」と捉えられる。
これが実に難しい。
多段階で進展するような事件を組むことは、
なかなか難しいからだ。
「一見解決したと思ったらさらに闇は深くなり、
さらなる解決しなければならないことが増える」
というのが作れたとしても、
さらにその先を進展させて、
「一見解決したかに見えたが、
さらに謎は深まる」を連続的多段階的に組むことは、
大変力量がいることだと思う。
「Aを解決するには、Bさんに頼めばOK、
だからBさんを呼んでくる」
だけで解決してしまっていては、
なんら面白くならない。
ただの他力本願が依頼でしかない。
「Aを解決するにはBさんを呼べばOKと思えた。
しかしことはそんな簡単なことでは済まなかったのだ」
になるように、
事件の設定(全貌)を組まないといけないということだ。
これは設定に含まれるのかストーリー設計に含まれるのか、
いつも迷うところだが、
両方だと思えば悩むこともあるまい。
事件全貌の設定を作りながら、
ストーリーの進展も同時に拡張していくのだ。
もちろん、後付け後付けになりがちだからこそ、
初期にプロットで全貌を確認したり、
書き終えてからリライト段階で辻褄があうように、
整え直すのである。
とくに、そんなに細かいこところまで設定してなかったときが厄介で、
設定を作りながら進展を考えていかなければならない、
「嘘つきが嘘を作りながら」
の自転車操業状態になると辛い。
それでも昔の習慣漫画家は、
その場の言い逃れで連載を続けられたが、
コミックスになったときに矛盾が指摘されてしまうというものだ。
(かつては雑誌原稿料がコミックス印税を上回っていたから、
辻褄よりもその場の勢いを重視した人が多かった」
しかしシナリオはこれと違い、
全体での首尾一貫性や無矛盾性が重要になってくる。
嘘に嘘を重ねても、
ほぼロクなことにならない。
じゃあどこまで最初に決めればいいのかがなかなか難しい。
それは書いた経験で決まると思う。
「いつもならこれだけ決めといてあとで考えればOK」
なのか、
「いつもはそんなに準備しなくて良かったが、
今回はちゃんと考えとかないとフワフワになってしまいそう」
などと事前に判断できれば問題ない。
けど大概その目測は外れるんだけどね。
事件解決の進展は、
「解決しそうになる」
「がんばる」
「しかしさらに解決に必要なことが出てくる」
の繰り返しであると思われる。
これをうまく焦点を保ち続けられ、
60分ある中盤を持たせられるほど、
のめり込ませるほど、
面白く進展を組める人はそんなにいない。
大抵は人間関係を広げて、
その人間関係の進展や決着に重心を置いて、
事件解決の進展はお茶を濁すことが多いからだ。
シドフィールドはこれを避けるため、
二幕の1/4と3/4あたりにピンチ(挟む)ポイントを作る、
などと言っていた。
メインプロットでの重要な進展をここに置くと、
中盤がだれない、と考えられたわけだ。
事件解決の進展を放置して、
新キャラや人間関係ばかり書いてしまいがちな二幕は、
事件解決の進展を意識することで、
本線から脱線せずにすむ。
全ては目的を達成させることのためにあるわけで、
その軸足から重心が外れたら、
ストーリーから興味は離れていってしまうわけだ。
2019年09月28日
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