貼っておく。この糞BSがすべてのはじまりだった。
メーカーはDELL。機種は不明。ProBookと刻印があった。
BtB用のリース専門機種かもだ。
それまでMacとデスクトップのWin7だった。
Macはパンタグラフのマジックキーボード、
WinはDELLのメンブレン109。
それまでPCのキーボードとはそのようなもので、
キーボードやqwertyローマ字が悪いと思ったことはなかった。
サイトメソッドで、500字/10分も打ててなかった。
会社のデスクトップPCリース期限が切れて、
次はノートPCを支給された。
各机にデスクトップを置くより経費が浮いたんだろうね。
下を向く首が痛くて、ずっと共用Macを使ってた。
うちの会社はPC作業舐めてんな、と呪詛を吐いていた。
でもMacはことえりだし、
エディタのワードMacは使いづらいので、
長い文章を書くにはノートを使うしかない。
で、この糞BSキーに出会う。
めっちゃ小さい。
僕はよく打鍵ミスをする。正確性は80%程度。
だから20%はこれを押す。
ほぼ押せない。
しかもだ。
隣の\キーがよくない。BSより大きいのも癌だ。
ローマ字でミスタイプすると、
大抵はBSを連打しなければいけない。
で、
「何故か\を連打するとIMEがオフになる」
現象に出会う。
あとからわかったことだが、
MS-IMEの設定で、
「\\はバックスラッシュ二個の代わりで、
パスの記述に使うので、
Winでは\\があると自動的に英数モードに入るように設定されている
(詳細設定でオフにできる)」
ことを知る。
Macユーザーでファイルパスを使ったことなどなく、
IMEの名称すら知らず、
その設定方法など知りようのない僕がそれを知るのは、
その三年後だ。
「BSを連打できない」
「大抵ミス連打して、\\\\を消すためにBSを倍連打し、
かつ全角/半角キーを押さないといけない」
という糞状況に陥った僕は、
「これはおかしい」
と思うようになる。
与えられた環境がおかしいと、やっと気づいたのだ。
「キーの位置なんかソフトで監視してるんだから、
入れ替えることくらいテーブルを変えりゃできるだろ」
と思い、
keyswap、やまぶき、窓使いの憂鬱、DvorakJの存在を知る。
「そうか、文字配列も変えられるな」
ということに気づき、
不合理なqwertyローマ字を、左右分離行段系にしようと試みた。
インストール禁止なので、自分PCを買うことを決意。
それが三年前。
それからノートPCは一度も開かなかった。
3年リースで、10回ログインしたくらいかな。
当時はエディタはワードしか知らなかったので、
「ワードが使えるタブレット」ということで、
Surfaceを購入、現在に至る。
僕がカタナ式や薙刀式で、
特別にBS位置にこだわるのは、
この体験の影響かもしれないし、
もともとミスタイプが多いいい加減な指遣いもあるし、
「書いては消すことがデジタルの優位点」と思ってるし、
「そもそも文章とは数回書くもの」と思ってることもある。
あの糞BSキーがせめて1Uだったら、
あのままずっとぽちぽち文字打ちしていただろう。
PCの文字打ちとはこんなものだと思い込み、
400字/10分程度の劇遅打鍵を一生して、
脚本書くのに時間をかけすぎて、
小説など書くこともなかっただろう。
たった0.25Uのバタフライエフェクトのせいだ。
その初期値敏感性のせいで、
ブラインドタッチをマスターし、
カタナ式をつくり、
薙刀式を常用し、
エディタはiTextとTATEditorを使い分け、
hhkbやNiZを買い、捨て、
半田付けを始め、C++を勉強し、
miniAxeを二台も組み立て、
スイッチやバネを交換しつづけ、
家に電子パーツが転がるようになり、
Blenderでキーキャップを作り、販売し、
タイプウェルSSまで行くことになった。
僕は手書き並み(900字/10分)に文章が書きたい。
ただそれだけなのに。
糞DELLの糞設計者よ、感謝する。
環境とは人の知性への、挑戦である。
2019年10月24日
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