自分だけは傷つきやすいが、他の全員はメンタルが強い。
味方は一人で、あとは全員モブ(セカイ系の典型)。
そうではなくて、
傷つきやすい人からタフな人までグラデをかけて存在するようにする。
味方も敵もグラデをかけて存在するようにする。
1と全しか書けない人は、
世界の認識がまだ視野が狭い。
もっと広く取るべき。
広く、とか、多様性を、などと言っても具体が分からないだろうから、
「グレー状態の人を増やせ」
と具体的にアドバイスする。
世の中を白か黒かで捉えずに、
グレーの状態も増やせということ。
夏と秋の境目はどこ?
白と黒の間の微妙なグレーの、
はっきりとこことは言えないところにあるだろう。
傷ついた人と丈夫な人だけでなく、
半分傷ついたり、
ちょっと傷ついたり、
ずいぶんとため息が出るような、
そういう傷つき方もある。
それを人によって変えていく。
一方的な傷つけ方だけでなく、
言った自分も傷ついたりする。
傷つけたと思ったことに傷つく。
そんな風に捉えるだけで、
「傷ついた自分とタフな世界」は、
突然複雑で、豊かになる。
そしてそれを描き分けるだけで、
大変陰影の飛んだ世界が出来上がる。
(描き分けられればの話だけど)
1と全しか書けない人は、
世界は黒と白しかない、二値の世界の住人だ。
写真(フィルム)は大体0から10000程度までを描き分けるという。
(ダイナミックレンジ)
ファックスでジャギジャギになる粒度で世界を描くなら、
1と全でも構わないが、
映画というのはシャシンで表現する媒体である。
間の豊かなグレーが、
表現のしどころなのだ。
敵方の中にも、協力してくれる人が出てくる。
敵方の中でも、この瞬間だけは見ないふりをしてくれる人がいる。
味方の中にも、敵に心情的に味方する人がいる。
味方の中にも、反対する人がいる。
敵でも味方でもない人もいて、それぞれを眺めては好き勝手言う。
そんな風に描けたら、とても人間を豊かに描ける。
そしてそれらの人同士が話をしたり、
行動し合うことで、少しずつ影響を与えたり与えられて、
変化することがある。
その連鎖が、物語の一つの骨格だ。
間のグレーをどれだけ豊かに持っているか。
一番の黒と一番の白を決めたら、
その間の9999のグレーに気を配ろう。
2019年11月05日
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