2019年11月10日

アイデアを分類する

色んなアイデアは、ランダムに湧き出る。
書く前も、書いてる途中も、あなたのメモはアイデアでいっぱいだろう。

それを分類して整理するときに、
三つの箱へ入れることを意識してみよう。


それは、
キャラクターに関するアイデア、
設定に関するアイデア、
ストーリーに関するアイデアだ。

もちろんこれらは絡み合い、
キャラクターとストーリー両方にまたがるアイデア、
などのようなものがあると思うけど、
それはどっちかに入れることで、
とりあえず分類するのだ。

分類して整理することは、
時々書いているように、
脳の作業エリアを空けることになる。
整理すると、俯瞰できるようになるからである。


キャラクターに関するアイデア:

ネーミング、セリフの感じ、ビジュアル、
服や道具、キャラの基本設定、
役職、過去、未来の目的や夢など。

「実はこの人は○○なのだ」というのは、
ストーリーにも絡むアイデアだが、
「最初にAだと思わせるにはこうする」
「Bだとわかる瞬間は、こういうわかり方」
まであれば、ストーリーに関するアイデアの箱へ分類しよう。


設定に関するアイデア:

キャラ設定以外の設定はここにぶち込もう。
世界観の設定、組織の設定、小道具の設定など。
(キャラの特別な持ち物の場合、キャラ設定に含めてもいい。
ただ飛行石など物語の根幹に関わる持ち物は、
こっちの箱に入れるべきかな)

妖怪や幽霊の設定とか、
魔法の設定とか、
ファンタジーやSFはここのアイデアが面白くないとね。
もちろん、「現代、東京」の話でも、
さまざまな場所や世界に関しての基本設定はあるだろう。
(スカイツリーをストーリーに使うなら、
スカイツリーの設定の何かを生かすはず)


ストーリーに関するアイデア:

場面展開に関するもの、ターニングポイントに関するもの、
流れに関するもの、サブプロットに関するもの、
コンフリクトに関するもの、
構成に関するもの、
伏線と回収に関係するもの、
オープニングやクライマックスやラストシーンに関するもの、
展開のほかのアイデア、
テーマやサブテーマに関するもの、
動機や目的や行動に関するもの、
反応や結果に関するもの、
などはこの箱へ。

勿論、キャラのセリフがターニングポイントになったり、
世界の真の姿がわかるところがどんでん返しになったり、
領域がまたがる部分が存在するが、
それは好みでどっちかに入れておこう。



さあ、ここからが本題。
あなたは、どれに関するアイデアをたくさん出しがち?

人によって異なると思う。

沢山出せるのがあなたの長所で、
少ないところがあなたの弱点だ。

キャラのことばっかりでストーリーが苦手とか、
ストーリーは出来るけどキャラの魅力が弱いとか、
そういうことが、
これらの箱の充実具合でわかるのである。

逆にアイデアが湧きすぎて、
たとえばキャラのアイデアが湧きすぎててんこ盛りになり、
何が何だか分からないキャラになっている場合などもあるけど、
とにかく、
自分は何が湧きがちで、
何が湧きがちじゃないかを知っておくことは、
自分の才能を知ることである。

理想はみっつがバランスよくなることで、
実際はストーリーのアイデアが他を凌駕しないと、
ストーリーは最後まで書けない。

ストーリーのアイデアは、設定やキャラクターのアイデアよりも、
数倍から十倍以上の量が必要だと思う。
逆にキャラクターや設定のアイデアを全部使いたいなら、
その数倍や十倍以上のアイデアを出さないといけないことを意味する。

設定だおれ、もしくは序盤で挫折してしまう物語は、
キャラや設定のアイデアに比べて、
ストーリーのアイデアが出ていないパターンが多いと思う。
(またファイブスター物語を例に出すけど、
ストーリーのアイデアに対して、
キャラと設定が1000倍くらいある感じなので、
ストーリーを楽しむものではない、ただの設定集なのだ。
これらの設定より何倍もストーリーのアイデアがあれば、
なんと面白そうな話であることか…)



「おもしろい」と人が言うとき、
キャラが魅力的なのもおもしろいというし、
設定が魅力的なのもおもしろいというし、
ストーリーが魅力的なのもおもしろいという。
しかし、「つまらない」と言うとき、
確実にストーリーだけに向けられたものだ。

「ターミネーター: ニューフェイト」の感想をツイッターで拾っても、
キャラや設定をおもしろいと言っていて、
ストーリーそのものを面白いと言っている人はいない。
ストーリーに関する言及は、つまらない方に傾いている。

たしかにグレースの魅力や、サラやシュワに再会出来た喜びは、
とてもあるし、
グレースとダニーの百合関係は魅力的だが、
それはストーリーではない。
「200X年、人工知能がネットに繋がれて自我を持ち、
人類殲滅の為の戦争を始めた。人類のリーダーを殺す為、
過去へタイムスリップして母を殺す」という設定も抜群だ。
それはバックストーリーという設定(過去)で、
「ターミネーターが来てから何が起こり、どうするか」
のストーリー(現在)ではない。


「おもしろい」はストーリーだけに向けられる言葉ではない。
「つまらない」はストーリーにだけ向けられる言葉。

あなたのアイデアは、何が豊富で、何が枯れている?
posted by おおおかとしひこ at 11:41| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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