2019年11月10日

【薙刀式】手の捻りの正体

多少配列を弄ったら、
左手の捻りが消えた感覚がある。
この正体は何だろうと考えていたら、
「打鍵組み立ての際の、手の準備」ではないかと思った。


僕は指が独立して動かない。
右手はなんとかなるけど、左手は無理だ。
指の独立とはつまり、
「A指を動かす時に、A指だけが動き、
B指やC指は一切動かない」ということ。

人間の指の腱の構造上、
この指の独立は難しく、
ピアニストが幼少の頃から特別に訓練して初めて獲得できるスキルだ。

僕はピアニストでもないし、
幼少の頃からキーボードを触ってもいないので、
とくに左手の指の分離は出来ていない。
中指を動かしても薬指や小指は微妙に動く。
これは、指だけではなく、
手首やそれに連動する肘、肩まで続いていることが、
これまでの観察でわかって来た。

なぜタイピングすると肘や肩が痛くなるのか?
そこまで筋肉を使っているからだ。

具体的にいうと、
たとえばWを打つ時、
手首は左に回転する。
格子配列なら真上にいけばいいものを、
癖なのだろうか、左回転がかかる。
薬指一本動かすよりも、
手首ごと動かした方が楽なのだろう。
このことによって、
手首が捻られ、ということは肘が捻られ、肩も捻られる。

この蓄積が、肘や肩の痛みに繋がっているところまでは理解していた。


さて、
これとは別に、「打鍵の組み立て」というものを、
無意識に僕らはやっている。

タイプウェルの最初のワードを打つ時、
ワードの理解→手の準備→打鍵
の3プロセスがあることが自覚できると思う。
2ワード以降は手の準備が出来たら、
打鍵しながら次のワードを理解しようとするので、
オーバーラップしてしまって分かりにくくなるが、
1ワード目は、「手の準備」というプロセスが分かりやすいと思う。

これは、「一気に打つひとかたまりをイメージする」
ことに近くて、
「その一気打ちに最適な手の形を(無意識に)つくる」
ことだと思われる。

たとえば、
「左手が下段だけしか使わない言葉なら、
重心を下げて上中段は打たない手の形をつくる」
みたいなこと。


これと指の独立が出来ていないせいで、
指の代わりに、手首や肘や肩が、
複雑な曲線を描いて1ワードを打つようなイメージ。

指だけを単独に動かせるなら、
この複雑な関節と腱の運動は0かも知れない。
そして0に近い人がタイパーになってゆくのかもだ。
(上手い人の動画ほど、指だけが動いて見える)

で、
配列を今回少し弄ったことで、
この事前準備される手首や肘や肩の動きが、
減ったような気がしたのだ。

僕は普段創作文を打つ時は、
タイプウェルのような区切りはないけれど、
意味の塊単位を一気打ちする。
(文字数にすれば5から7カナ程度)
心に浮かべた段階で、
無意識に手が準備して、その後指(や手首や肘肩)が、
動くのだろう。

この複雑な動きが、
今回の改造で暴れが減った感覚がある。


この動きは万人共通でなくて、
僕だけの癖の可能性もあって、
だから今回の改造が万人に効果的かもわからない。

また、これらの動きが人によって違うならば、
配列によって合う合わないがあることの、
具体的な理由になるかもしれないと思った。
(たとえば新下駄は高い評価があるし、
合理的な運指の経路だと思うのに、
僕の指には合わなかった)


指を動かす前段階としての、
手首の捻り(XYZ方向)、
肘の捻り(XYZ方向)、
肩の捻り(内旋、外旋)。
さらにひとかたまりの打鍵内での、
それぞれの動き。

これらをうまく整理できればもっと何か分かるかもしれない。
たとえば上段中段下段で、動きが違うかもしれない。
しかし、
「あるキーのあとにあるキーを打つ」とか、
「単語単位で打つ」ことで、
単打ではないときの動きがありそうで、
非常に複雑な運動が起こっていることが想像される。

あるいは、「同じ言葉を打つ時に、全てが全く同じ動きをする」
とも限らない。
毎度関節たちは、都度別の動きをして辻褄を合わせているかもだ。

なので、イメージにとどめて解析するのは諦めた。

動画で記録すれば何かわかるかな。


配列設計の時に、
各キーの頻度マップを作ることは、
とても粗い近似だと思う。
あるいは、完全に指が独立し、
指の筋肉しか使わない人用のものだと。

僕はタイピングが下手くそゆえに、
手首や肘肩の暴れに気づくことが出来たのかもだ。
(特に僕は左右の差がひどく、だから左手のそういう不器用ポイントに、
気づけたかも)
posted by おおおかとしひこ at 14:33| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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