2019年11月19日

映画化はコンテンツの終点か(「KINGDOM」評)

漫画が評判が良いので読みたいと思っている。
その前に東宝映画としてのキングダムをとりあえずみてみた。

ううむ、ただの漫画だな。
殺し合いのリアリティがなく、ただのワイヤーアクロバットになっているのは、
るろうに実写版と同じだ。

僕はサーカスが見たいのではない。
殺し合いが見たいね。


シナリオ的には「行きて帰りし」なので、
コンパクトにまとまり分かりやすい。

スケール感よりも分かりやすさを取ったのな。
銀英伝のイゼルローン回廊の大枠を思い出す。
二次元平面を一次元直線にすることで、
分かりやすくなっている。

単純でつまらないともいえるが。


邦画の限界はこのへんなのかね。

オールスターキャストは素晴らしく、
まるで正月映画のように、
大河ドラマ中華版のように楽しめた。


その為の割本、
コンテンツピックアップに過ぎないのが、
とても残念だ。

やるんならワンスアポンアタイムインチャイナぐらい、
めちゃくちゃしてほしかったな。



さて、供給元の、原作読も。

漫画的現実と、実写的現実は違う。
僕は映画に、実写的現実を求めている。
漫画的現実は、漫画で堪能したい。


エンドゲームやミスターガラスが漫画的表現でありながら、
実写的現実を扱っていたのと、
とても対照的だったと思う。

その差は、
「世界は漫画のように出来ている」と思うか、
「世界は(ディテールではなく仕組みが)現実のように出来ている」
と思うかの違いだと思う。
posted by おおおかとしひこ at 12:34| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。