ただ同じ位置なだけでも、結構システムの違いがあると思ったので整理しておく。
濁点後置…JISカナ、新JIS、月配列系
薬指前置シフト…月U
中指前置同手シフト…月光
逆手親指同時押し…親指シフト、TRON、蜂蜜小梅
清音に濁音同時シフト…下駄配列、姫踊り子草かな配列、薙刀式
濁音はヴも含めば21ある。
清音が46であることを考えると結構多く、
同置にすれば記憶負担や、運指の組み合わせの記憶は格段に減る。
(単純計算で、46×46=2116、67×67=4489)
マスターしたあとの運用は清濁別置の方が効率がいいかも知れないが、
マスターする早さや、その後忘れても安心なところなど、
清濁同置にも分があると思う。
「私はトップクラスに効率を上げたいのではなく、
都合よく効率を上げたい」という人や、
指の能力に不安がある人は、
かな配列の中でも清濁同置を試すことをお勧めする。
とくに30キーくらいの範囲に収まり、
シフトも一つ程度しかないから、
使いやすい配列が多い。
以下、具体的に見てみよう。
濁点後置…JISカナ、新JIS、月配列系
JISカナは単打に単打の濁点符を足して、2打で濁音を出す。
濁音は何故か右小指の@なので、相当に辛い。
濁音全体の出現率10%前後を考えると、酷使といっても過言ではない。
また左手側に濁音になる清音が多く配置されているが、
マイナーとはいえ右手のみの「げ」「ぜ」「ぼ」「ぐ」
(それぞれ、:@、P@、-@、H@)
は結構きつい。
これを打つのは僕は勧めない。小指が痛い。
新JISは薬指中段Lが濁音符。
中段ホームに改良されていて、使いやすい。
左手側に濁音になる清音が多く、
左→右の法則が使えて、左右交互打鍵の印象に寄与している。
ただしシフト側のカナだと、
シフト→カナ→シフト離し→濁音と3.5打?必要なのがちょっと。
(ぼ、ぶ、び、ぢ、べの5音)
「ぼ」は「僕」で使うため、
打ちにくい配列は日本語わかっとるのかいな、
と思ってしまう。一人称が打ちにくいのはどうかと。
月系は新JISの中指前置化なので、
L位置固定が多い。左手に濁音になる清音を置くのも同じ。
そして、シフトがなの濁音に3打必要な欠点も継承。
薬指前置シフト…月U
中指前置のシフトに加えて、薬指前置を加えた月Uでは、
薬指で濁音化する。
「同一キー内に、濁音になる清音を一つまでしか置かない」
(濁音に関して排他的配置)を採用したので、
薬指からの打鍵で一意に濁音を出せ、
濁音を2打に収めた。
これをさらに、「じゃあいっそ薬指同時押しで濁音でええやん」
と考えたのが下駄配列(後述)。
中指前置同手シフト…月光
月配列は中指前置(DまたはK)だが、
同手か逆手かは決まっていない。
通常は逆手なので、同手前置は空いている。
そこに濁音を入れようという発想。
月光以外にも、月の系列にあったアイデアだと記憶する。
月光は「メジャー濁音は別置単打、
その他は同置」と更に進化。
まだ完全に同置化までこぎつけたわけではないようだ。
逆手親指同時押し…親指シフト、TRON、蜂蜜小梅
親指シフト系列の基本的な考えは、
「同手親指同時押しでシフト、
逆手親指同時押しで濁音」。
元祖親指シフトニコラは、濁音になる清音を、
すべて表にしたため、効率の点でよくなかったと思う。
後発のTRONは、濁音に関して排他的配置を採用したため、
表だろうが裏だろうが濁音化可能になった。
蜂蜜小梅もこの考え方を継承している。
清音に濁音同時シフト…下駄配列、姫踊り子草かな配列、薙刀式
それぞれ濁音に関して排他的配置なので、
同時押しした瞬間、どちら側のカナの濁音かは一意に確定。
下駄配列: 中指同時シフト。薬指同時押しで濁音化。
姫踊り子草かな配列: 中指同時シフト。親指同時押しで濁音化。
薙刀式: 親指通常シフト。人差し指同時押しで濁音化。
こうして眺めると、
濁音に関して排他的かどうかで、
大きくふたつに別れるようだ。
同じキーの中に被りを入れられないという制約が、
どの程度効率を下げているか不明だが、
これらを眺める限り、
その程度はパズルでなんとかなることを示しているようだ。
僕個人は下駄配列の濁音システムが分かりやすく、
最も記憶負担が少ないと感じたので、
(親指の逆手は何故か苦手)
薙刀式では大胆に人差し指同時押しとしてみた。
好みや合理性も色々あると思うので、
参考にされたい。
2019年11月25日
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