2019年11月26日

終わりの見えない物語

こうなってしまったら、挫折は目に見えている。
終わりが見えなくなったときに整理してみる方法。


まず、
「疑問はいくつ残っているか?」を数え上げること。

「世界は救われるのか?」
「○○は奪還されるのか?」
というようなセンタークエスチョンは当然のこと、
「○○と言っていた言葉の意味はわかるのか?」
「あと一つ残された能力は何か?」
みたいな引っ張り要素もリストアップしよう。
そして、
「食わず嫌いは直るのか」
「あの子とあの子のヨリは戻るのか」
「ささやかなあの人の夢は叶うのか」
みたいな小さなことについても漏れずにリストアップしよう。


終わりが見えない物語というのは、
これらがよく整理されてないことで起こる。

すでに振りまいた問いを放り出して、
新たな問いを立ててしまい、
「○○はどうなるのか?」ばかり増えていることが多い。


完結させるつもりなら、
これ以上問いを増やさないこと。
何個ある?
10個?100個?
幾つでも良い。
これを一つずつ解決していきなさい。

解決する順序を考える余地はある。
あることの解決があることの解決に関係して、
連鎖が組めることもある。

最後にメインの問いが解決するのがベストだが、
完結しないよりマシだと考えて、
そこまで理想型にしなくてもよい。

今ある問いのいくつかが解決しないこともある。
それは回収されなかった伏線となって幽霊になるが、
完結しないよりマシだと思って進みなさい。
リライトの際に解決を書くか、
問いの部分を削除することで解決するだろう。


挫折をしそうな時の問題点は、
自ら課した問いに、答え(解決)を用意していないことにある。

人類対ミュータントの戦争を始めたのだとしたら、
どちらかの勝利か和解か全滅かを、選択しなければならず、
どうやってそうなったかも作らなくてはならない。
(X-MENで提出されたこれは、
僕らが生きているうちに完結するのだろうか。
しないんだろうなあ)

だからとにかく、
「始めたことは終わる」ように、
それぞれの(とっ散らかった)問いの答えを、
決めれば書けるわけだ。
それを一つずつ書けば終わる。

風呂敷を広げるのが前半、
たたむのが後半だとしたら、
今あなたは、前半と後半の境目に来たのだと自覚してみることだ。

これからは広げるのではなく、たたむ一方のフェーズに来たのだと。


どうやって解決するかは、
大まかにはプロットで書いたはずだから、
それに従えばよい。
問題は執筆中に問いが増えてしまったことで、
これとプロットにある解決法とが、
だぶったり矛盾したりしていることがあるだろう。

だから、今、考えるのである。
ここで思いつかなければ、
終わりが見えず、挫折はすぐそこだ。

終わりを見るか、挫折を選ばなくてはならない。


こういうことを何回も経験すると、
「ああ、最初に問題と解決の両方を作っとくべきなんだな」
と体感できるだろうね。
失敗は成功のもと。
最後まで書くトレーニングだと思ってやってみよう。

大体、「今まで書いた話で一番長い」やつほど挫折しやすい。
ペース配分が分からないからだ。
わかる奴はなんとかなるなら、
今書いているそれをわかる範囲に削って書き直す、
という荒技もあるぞ。


終わり方が分からないならば、
ファーストシーンにヒントがある。
そこで出された第一の問いに答えれば、
大抵ラストシーンになる。
ラストシーンが決まれば、
その前に何が解決していればいいかが分かり、
その前に、その前に…と逆算で解決するべき順番が見えるだろう。

それもよく分からないなら、
今ある問いがN個とすれば、
解決する順番の全組み合わせN!通りを並べてみればよい。
全部を書き出す前に、
なんとなく見えてくるだろう。
(最悪これは解決しなくてもよい、と消せば、
ゴールが見えてくることもある)

なんだかパズルをしているような感覚になると思う。
それが後半を書くことで、
もしやったことのない体験ならば、
あなたはきちんと後半を組んだことがないのだ。
posted by おおおかとしひこ at 00:10| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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