2019年12月04日

問題、解決、障壁2

なぜこの順で書くかというと、
これが作る順だからだ。
実際には、問題の提示、障壁のクリア、最終解決、
の順でストーリーはすすむ。

で、障壁のことを考えてみると、
この中が入れ子構造になっていることに気づくだろう。


なぜなら、
障壁こそが問題だからだ。

つまり、その障壁という問題を、
どう取り除くかが解決なわけだ。

Aという問題を解決しようとしたが、
Bという障壁にぶち当たった。
これを解決しようとしたが、
さらにCという障壁にぶち当たる。
ここでXをしてCをクリアして、
その成果をもってYしてBをクリア、
その成果をもってしてZをしてAをクリア。

のような構造になるということである。

ここで重要なことは、
「その成果をもってして」の部分だろうか。

ここに繋がりがあるからこそ、
ストーリーは強く結びつくわけだ。

逆に、ABCがそのように関連していないなら、
「ただランダムに来た問題を解決しているだけ」になるだろう。
それじゃさんすうドリルだ。
面白くない。

数学の面白さは、
CでやったことをBで使うことにある。

逆に、Aの問題を解決するために、BやCの、
一見異なる問題を解決する。
その成果をAに応用するためである。

リーマン予想を解くには、
その等式や理論と全く関係ない数学的理論を打ち立て、
その結果を応用して解くという。

弾道計算のために、
新しく微分方程式の理論を作ったようなものである。


物語においては、
そこまで複雑なことをする必要ない。
なぜなら専門家以外はついていけないからだ。
なるべく「日常で例えられてわかる」
レベルに収めることである。
もちろん、説明をして、その特別なことが理解できれば、
わざわざ日常にたとえる必要はない。
しかし大抵、誰かが「○○みたいなことか」
と例え話を出して、より理解が深まることになるが。

で。

専門的かどうかは置いといたとしても、
問題と障壁と解決は、
このような入れ子かつ連鎖になっているべきだ。
それが複雑すぎると、なにがなんだかわからなくなる。
精々階層は3といったところか。
4以上の階層だと、頭の中に地図が書けない人が出てくる。

また、完全な入れ子にしなくてもよい。
同時に障壁の発生が起こり、
複数の障壁のクリアが課題となってもよい。
それらは一つずつサブプロットになるわけだ。


ストーリーを作るということは、
要するにこの、
問題と解決の骨格を作るということに他ならない。
そしてそれが面白いかどうかは、
どう連鎖を組むかということに尽きる。

まさかあのことがこのことに繋がるなんて!
ってことが、実はストーリーの面白さだ。
(殆どの人は伏線と解消だと勘違いするが、
厳密には解決の連鎖と分析するべきだ)

勿論、面白さはそれだけではなく、
そもそも問題が面白そうであるかとか、
(一見すぐ行けそうなのだがやってみると難しいとか、
斬新すぎて予想がつかないとか、
いろんな取っ付きの良さがあるだろう)
その解決が見事であるとか、爽快であるとか、
興味が持てるとか、
感情移入できているとか、
人間的魅力が爆発するやり方だとか、
そうしたこととも深い関係がある。


ストーリーを組むとき、
問題、解決のメインの背骨が決まったら、
障壁という問題をつくり、
その解決がメインの解決に連鎖するように組む。
あるいは複数の問題をつくり、
それらの解決を一気に利用してメインの解決に連鎖するように組む。
そして、
さらにそれらを入れ子にしていくと、
n段階連鎖を組むことができるわけだ。

これらを骨格とすれば、
それをどういうテンポで見せるかとか、
どういうキャラクターのエピソードと絡ませていくかとか、
感情的なピークやボトムはどこかとか、
そうしたことが、内臓となってくるわけだ。
(セリフやディテールは皮膚だ)


ストーリーを作ることはとても複雑な行為だが、
このように整理してみれば、
きちんとした構造を持っていることがわかるだろう。

ややこしくなったときの整理の参考にされたい。
「今自分がなにを書いているのか」は、
最もよく落ち込む迷路である。
posted by おおおかとしひこ at 11:44| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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