毎度毎度めんどくさがるキャラがいるとしよう。
毎度毎度言わせてみるとよい。
「え〜それやる意味なくな〜い?」と。
なるべくならそれをしたくない、めんどう、
と言わせるのである。
そうするとメインキャラが答えられるだろう。
「だって○○と○○を○○するためには、○○しなきゃ行けないだろ」と。
「ああ、そっか、じゃあ嫌々でもやるしかないね」
となり、
必然性が明らかになったまま、
その先を続けられるというものだ。
このメソッドが有効なのは、
作者も観客も、
これからする○○について、
その必然性、必要性を共有できることにある。
なんで朝早くからやるのーめんどーねむいーと言わせれば、
「朝早くの低い光を撮りたいからだ」
と答えることが出来るだろう。
「理想の時間は15分しかない。
そのために夜明け前から準備する。
それを逃したら次の日の朝にもう一回やらないといけない」
などは撮影でもよくあることだ。
必然性は、
それをやるべき理由と、
やらなかったときの損失が、セットであると分かりやすい。
たとえば、
なぜ女は化粧するのか?に対して、
モテたいから、可愛くなって満足したいから、褒められるから、
というやるべき理由と、
すっぴんは恥ずかしいとか、他の女にしてないのと言われるから、自尊心とか、
などのやらなかったときの損失と、
両方で答えられると良いだろう。
そして、物語では、とくべつに、
危険が伴うものだ。
「そうしないと死ぬから」というのが最も危険な理由で、
あとはグラデーションだ。
おそらくは、
物語というのは、
「やらないと死ぬから」が、一番面白くなると思う。
(化粧の例では、「化粧しないと(女として)死ぬから」
ということもあるけど)
でもなんでもかんでも死ぬからにしたら馬鹿馬鹿しくなるので、
そこは上手にグラデーションをつけられたい。
で、
面白くない物語というのは、
ところどころで必然性が薄まっていることが多いのだ。
だからめんどくさがるキャラをそこに放り込んで、
「なんでそれやんなきゃいけないの〜?」
と阿呆みたいに質問させると良い。
昔の映画でちょっと馬鹿な下層民がメンバーにいたのは、
そうしたことを質問させやすく、
答えさせやすかったからだ。
黒人、アジア人、子供、女、障害者が、
かつてそういう役割であった。
今はそれがやりにくいので、
ジャージャービンクスやオラフに、
そういう役割をさせていることが多いね。
いまどれくらいの必然性があるのか。
それを理解しないと、行動の意味がわからなくなる。
何故なら人はなるべく怠惰に、なにもしたくない生き物だからだ。
必然性、必要性があるから、
人は己を駆り立てるのだ。
その駆り立てこそが、ストーリーの風を生む。
ストーリーには、常に必然性の風が吹いている。
2019年12月05日
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