2019年12月12日

【薙刀式】キーボードは叩くものではない、撫でるものだ

キーボードのキーの擬人化漫画。
https://news.biglobe.ne.jp/economy/1211/abt_191211_7392470983.html

これを見る限り、こんな「書き方」をしてるから、
日本の生産性は落ちたのでは?と思う。


そんなキーが痛がるほど叩いたら疲れるだろ。
エンターなんかいらないだろ。
(確定にエンターを使う必要はない。
変換後、次の文字を打つと、変換中の文字は確定される。
エンターが必要なのは改行と、
検索やOKなどの大事なボタンを押すときだけだ)

キーボードを叩くものだとしたのは何故か?
お前、手書きで字を書くときにペンで紙を叩くのか?


これは、
押下圧が高すぎる劣悪な(コストは安い)キーボードと、
あんな遠いところにエンターキーを置いた、
入力システムの、
ふたつの問題である。


僕が自作キーボードに手を出したのは、
押下圧を標準の55gから15gにするためだし
(Kailh Creamのバネをchoc15gに交換)、
僕が配列を変えたのは、
指の動線を最小にするためだ。
(たとえばqwertyローマ字なら、
FにBS、Jにエンターを持ってくるだけで、
随分快適な執筆が出来るだろう。
ちなみに僕のエンターBSの使用率は、
90日平均でそれぞれ10%近くある)


日本には書道という文化がある。
タイプライターには、
文字を美しく書いたり、続け字で効率よく書いたり、
崩し字でエネルギー効率をよくしたり、
筆先を軽くして負担を減らすような文化はない。
(カリグラフィーにはあるかもだが、
僕はよく知らないので省く)

どだい、書道の国の人が、
土人のタイプライターを使うことに問題があるのだ。

もっといい道具を使わないと、
言葉も文章も、考え方も意識も生き方も、
土人のレベルに落ちてしまう。

言葉こそ人を決める。
その人を決める道具を、
あのような使い方をしてる人は僕は信用しない。


キーボードは、柔らかく優しく撫でるように打つべきだ。
毛筆より楽な文字書きが僕の目標だが、
現在道半ばではある。

スラスラと字を書くことが理想だ。
キーが泣くほど叩いて、スラスラと言えるのか?


高級なキーボードを買いなさい。
メカニカルキーボード(Filcoなど。ゲーミングはいまいち)、
静電容量式キーボード(リアルフォースや HHKB)を。
都会の大型電気店で触れるそれは、
底打ち(4mm)をしない半分の部分(2mm)でONを検知する。
筆と同じだ。
最後まで筆を紙に突っ込まず、
適度な力加減で書いていく感覚と同じだ。

劣悪なキーボードは、メンブレンもしくはパンタグラフで、
底打ちでようやくONになるデジタルスイッチである。

キーボードはAD変換器だ。
我々の肉体や思考はアナログで、
それをコンピュータに奪われるべきではない。

アナログがデジタルに合わせる必要はない。
指を底まで叩いて10を表現するよりも、
半ばまで力をかけて次の字へ続けていく、
滑らかな軌跡こそが言葉だ。


高級なキーボードを買いなさい。
指のフォームは変わっていくだろう。
筆を変えれば姿勢も変わる。
手の使い方が変わるからだ。
万年筆より全然安い。
物足りなくなったら自作キーボードは更に次のスペックを提供する。

文字入力のやり方を再考しなさい。
もっと効率のいい方法はたくさんある。
カタナ式やけいならべやSKYやきゅうりなどの行段系ローマ字、
薙刀式や飛鳥配列や新下駄配列や月配列などのカナ配列に変えると、
指の効率が劇的によくなる。

漫画は勿論誇張だが、
そんなに誇張されるほど、
「ふつう」のキーボードは劣悪だ。

それが文字を書く第一の手段になるべきではない。
あなたまで劣悪になってしまう。
posted by おおおかとしひこ at 11:03| Comment(4) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
パンタグラフはストロークが短く、関節をあまり動かさなくて良いから指に優しいという面があると思います。私はリアルフォースで腱鞘炎になった際にパンタグラフでリハビリしました。いずれにしろ撫で打ちが前提ですが。
Posted by めんめんつ at 2019年12月12日 12:21
>めんめんつさん

僕は逆で、パンタグラフで腱鞘炎になって、
「いいキーボード」を探して静電容量にたどり着いた感じです。
へたったパンタグラフは悪くないんですが、
硬いやつは良くないですよね…

ペンにも合う合わないがあるので、
文房具屋のように試し打ちができるべき(つないだ上で)だと思うし、
打鍵感のリテラシー(どういうものがあるか知るレベルでいい)
が上がるといいなあ、と考えています。
単価が高いから失敗のリスクも高いし。
(沼の住人は10枚くらいは平気で買い続けるだろうけど)

少なくとも、柔らかい/硬い、クリックあり/なし、
などについてみんな語れれば面白いのになあ。
鉛筆ですら6Bから7Hまであるというのに。

僕はメインのminiAxeは文章書き、
パンタグラフ16ピッチをプログラミングと使い分けてます。
(miniAxeだと記号全部覚えてないし、大量にうつこともないので)
用途で分けるのもありかもです。
Posted by おおおかとしひこ at 2019年12月12日 15:30
記事の主題に関係なくて恐縮なんですが、変換の確定にEnterを押さなくてもいいの、頭で分かっていてもなかなか難しいというか、馴染めないでおしちゃうんですよね。

自分もEnterは使わず、Mac(もしくはEmacs)の標準ショトカであるControl+MにEnterを割り当てていて、ほぼEnterは触らないんですが、iOSでControl+Mの挙動が変わって改行としてしか機能しなくなっちゃって、だから改行以外は確定キー押さなくてもいいようにしようと意識はするんですけど、なかなか慣れなくて…

変換した後だと確定キー押さないのは癖なんですけど、カナのまま続く文章だとどうしても押したくなりますねぇ。それこそ今この文章の「なりますねぇ。」の後に確定を押さないまま次の文章に移るのが気持ち悪くて押してしまうというか…
Posted by いずみ at 2019年12月12日 19:03
>いずみさん

わかります。なので自分がいつエンターを押してるのか、
動画を撮って調べたんですよ。
で、「。」の前はひらがながほとんどである、
そしてここで確定したいのだという心理に気づき、
薙刀式とカタナ式では、「。」ではなく「。確定」のマクロになっているのです。

あともう一つ、「一発で変換しそうな2〜3文字の熟語を、
熟語だけ打つ→変換→確定をしたい」
という癖があることに気づきました。
これはそのあとを打って一気に変換をかけた方が、
長文になって変換精度も上がるはずなのですが、
「こう書きたい」ということはその通りになっていないと、
その先を書きたくない心理があるのだろうなあ、
などと考えています。

Macのライブ変換も、誤変換のまま文を進めて行くのがつらくて
(あとで精度が上がって大体は合ってるのに落ち着くとはいえ)、
今はオフにしてあります。

多分逐次で正確に定着したい、
という、「時間軸を戻りたくない」意識があるのでは、
と自己分析しています。
自分の薙刀式動画を見ても、確定多いなあ、
などと気になりますね。

でもこれがqwertyローマ字時代は毎度小指でやってたことを考えると、
空恐ろしくなります。実際痛くなったし。
仮に10%エンター、一日1000回までが限界だとすると、
一日10000打鍵までしか打てないことになってしまう。
僕が配列変更に踏み切った理由でもあります。
Posted by おおおかとしひこ at 2019年12月12日 22:04
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